拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  動的平衡を学んで〜その1

2022年05月14日 | 観自在

  先日、生物学者・福岡伸一著『最後の講義』をKindle版で読んだ。

  いつだったか、Youtubeで彼が説明する『動的平衡』に興味を持ち、いつか読みたいと思っていた。

  彼の提唱する『動的平衡』は一般人の興味を引くためなのか、『一年前の私は、今の私とは別人である…』と、突拍子もない表現で始まる。

  生物学者の福岡先生からすれば、それは決して冗談などではなく、

  『人間は物質レベルでは一年もすれば、別人レベルに入れ替わる。人間の身体は長い時間軸でみると絶え間なく流れている流体で

  その流れの中で分解と合成を絶えず繰り返すことでエントロピーの法則に抵抗し平行状態を維持してゆこうとするのが『生命』である。』

  ・・・簡単に要約するとこういった主旨であった。

  エントロピーの法則については、去年書いた2021年8月27日のブログ記事を参照していただきたいが

  エントロピーの法則というのは、科学的に絶対の真理であると唯一認められている『秩序あるものは秩序のない方向にしか動かない』

  という法則で、まさに仏教が言う『諸行無常』であり三法印の第一の真理。

  そこで駒を『諸法無我、涅槃寂静』と進め、『侘び寂びの生活』を再び見直し、実現することで人類という『種』を存続させるうえで

  非常に重要な意味を持つであろう・・・というようなブログ内容であった。

  福岡伸一先生が提唱されている『動的平衡』というのは、別な言葉で表現すると反『機械論的な生命観』の立場で

  現代科学のご都合主義を強く批判し、その具体的例をあげての説明は、私に色々な事をインスパイアさせてくれた。

  

  明日の日曜にスイスの国レベルの国民投票があり、国主導の議題の一つに『臓器移植』問題というのがあって

  『生前に役所に臓器移植の意思無し…の届けがなければ、死が確定した時点で自動的に臓器ドナーとなる』・・・その賛否を問うというのだ。

  『臓器移植』については、相方ニコルの意見は昔から明快に『絶対反対』で、世の中の風潮(スイス)が臓器ドナーとなるのが当たり前的

  であることに、恐怖を感じ異を唱えていたが、私は優柔不断で、死んでしまったら『どっちでもいいか〜』と、決断できないでいた。

  それが、福岡先生の『動的平衡』の生命観を学ぶことで、『死んだら、どの臓器でもお好きなように…』という機械論的な生命観に

  私は懐疑的になったのである。

  スイスではキリスト教の奉仕の精神のせいか、死後臓器ドナーになることに抵抗が少ない文化なのであろう。

  明日の投票結果がどう出るか、非常に興味がある。

       

  地元モルジュの52回目の『チューリップ祭』2ヶ月半が5月8日終わった。ボク等もここに引っ越す前から春になるとモルジュに来て

  目の保養をしたが、ここの住民となり毎日のようにチューリップの成長を目の当たりにして『癒やしの力』に目を見張った。

  そして、遠くスイスドイツ語圏などからも小団体がぞくぞく来て、その祭の知名度にも驚いた年であった。

  

  



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