拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  『ブラックアウト』を読んで

2015年05月03日 | 色読是空
  写真展準備の為にとった一週間のバカンスも5月2日の日曜で終わり。
  なんだかんだで忙しかった休暇中以前から読み始めていたエキサイティングな小説『ブラックアウト』上下2巻を読み終えた。

  作家の マルク・エルスベルグ(オーストリア人1967年生)によるデビュー作・・・との事。(驚き!)

  内容はこの本の解説から一言パクると~ 十日間におよぶヨーロッパ大停電を描いたパニック小説。

  コンピューターに弱いボクには詳細は良くわからないが、現政治体制を良しとしないハッカー・テロリストの綿密な計画による大災害での滅びと復活の目論み。

  この本によって実に、本当に、改めて・・・と、ひつこくその手の『副詞』を羅列したく成るほど改めて『電気』に依存している我々の日常生活について
  考えさせられた。我々の生活は本当に『電気』によって成り立っているのだ。

  小説には『停電』が長期化した場合、どんなことが起きるのか?・・・ということを様々な面から想定して描き出されている。
  例えば原子力発電の核燃料棒の冷却装置の非常用電源の確保というような大問題から、トイレの排水用の水の確保が困難になる・・・というような極身近な問題まで。

  ボクが子供の頃(昭和37年(10歳頃)北海道の田舎、北見ではわりとよく短時間の停電があった。夜であればローソクを付けラジオのない静寂な雰囲気を
  子供心に楽しんでいたような思い出もあるが、
  2015年の現在、何もかも電気に頼っている現代人にとって例え短時間の停電でも悲壮感がつのるのではないだろうか。
  それが3日以上も続いたらどんなことになるだろうか。この小説のお陰でその怖ろしさを具体的に思い知らされ、電気の重要さを改めて認識することが出来た。

                
                 写真は数年前にベルリンのユダヤ博物館内にある『闇の部屋』に入った時のもの。
                 ナチスに迫害されたユダヤ人と『停電』とでは『闇』の意味合いは全く違うが・・・


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