日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

平成22年上期 芥川賞

2010-10-01 21:18:01 | 日記

 今年の上半期芥川賞は、赤染晶子さん著”乙女の密告”でした。芥川賞は文芸春秋に発表されると、単行本になると高いのでそれを買って読むのですが、最近は芥川賞だから読んでおこうかと言う感じで、なにか義務的に読んでいたような気がしていました。しかし、今回は久しぶりに私好みの作品でした。
舞台は外国語大学のドイツ語のスピーチクラス、登場人物は、主人公でみか子に加えて、モーツアルト好きの人形 アンゲリカを溺愛し、スピーチ練習時にはひよこのキッチンタイマーで制限時間を計るクラス担当のバッハマン教授、クラスのリーダ的存在でスピーチ大会命の麗子様といったキャラの強い登場人物を中心として、乙女(i.e.女子大生)たちの話が面白おかしく進んでいきますが、その面白さの裏で、この小説は第2次世界大戦時ユダヤ人アンネフランクに起きたようなことが、おおきなレベルの違いはありますが、大学のスピーチクラスと言った巷でも簡単に起こっていることを、メッセージとして伝えていると思います。



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