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《『塔建つるもの-宮沢賢治の信仰』(理崎 啓著、哲山堂)の表紙》
ではここからは「一、政次郎と真宗」に入る。
理崎氏は、
(賢治の)父・政次郎は勤勉な努力家であったが、時代即応の事業展開や株式投資などの積極性も備えていた。浄土宗の強信者で、花巻郊外の大沢温泉で毎年夏期仏教講演会を主催していた。信仰のためなら労力も財力も惜しまなかったのである。
〈17p〉と言う。やはり、政次郎はでかなりきた人だったのだ。世の中には、賢治と比して父政次郎のことをよく言わない人もいるようだが、私は賢治が素晴らしい作品が書けてのも偏に父が政次郎だったからこそであり、父は評価されてしかるべきだと思っているので、宜なるかなと思った。
同氏は次のようなことも教えてくれる。
浄土教は仏教の中では異質と言われる。仏教は釈迦を中心とする教えだが、浄土教は違うのである。釈迦は菩提樹の下で悟りを開いて仏に成った(成仏)、これが仏教の原点である。悟ったのは何か。…(投稿者略)… この大宇宙は単なるカオスではなく、法則性を持っているという。その真理を説いたのが「妙法蓮華経」略称「法華経」であると、天台大師や伝教大師、日蓮は主張している。日蓮は、
「至理は名無し。聖人理を観じて万物に名を付くる時、因果俱時不思議の一法これあり。これを名づけて妙法蓮華経となす。この妙法蓮華経の一法に十界三千の諸法を具足して闕減なし」、
と解説している。
〈18p~〉「至理は名無し。聖人理を観じて万物に名を付くる時、因果俱時不思議の一法これあり。これを名づけて妙法蓮華経となす。この妙法蓮華経の一法に十界三千の諸法を具足して闕減なし」、
と解説している。
と。さりながら、私にはよく分からないのだがここは我慢し、これに続く理崎氏の次のような解説を読み続けてみる。
宇宙の至上の真理に、聖人が「妙法蓮華経」という名をつけた。その法則は同時に自身の内にも存在するというのである。十界とは何か。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の世界は六道、迷いの世界である「六道輪廻」という言葉はここから来ている。それに、覚りの世界である声聞、縁覚、菩薩、仏の四聖を加えて十界という。
〈19p〉すると、少しだけ分かったような気がしてきた。
宇宙の至上の真理=「妙法蓮華経」
ということなのかと。そして、
六道=地獄+餓鬼+畜生+修羅+人+天
十界=六道+声聞+縁覚+菩薩+仏
ということかなと。そう言えば、小倉豊文が『宮沢賢治声聞縁覚録』というタイトルの本を書いていたが、その「声聞縁覚」とは、この「覚りの世界である声聞、縁覚」のことだったのか。
そして同氏の解説は続くのだが、それは次回以降へ。
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なお、ブログ『みちのくの山野草』にかつて投稿した
・「聖女の如き高瀬露」
・『「羅須地人協会時代」検証―常識でこそ見えてくる―』
や、現在投稿中の
・『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』
がその際の資料となり得ると思います。
・「聖女の如き高瀬露」
・『「羅須地人協会時代」検証―常識でこそ見えてくる―』
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・『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』
がその際の資料となり得ると思います。
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