《『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)の表紙》
宮下氏は国柱会への入信前後の賢治について言う、
とりわけこの時期の賢治は、今で言うニートに近い状態にあった。
二年前(大正七年)に盛岡高等農林学校を卒業し、母校の実験助手に採用されたものの、それも程なく辞めてしまう。…(投稿者略)…定職に就いたという形跡はない。浮世絵集めに熱中して、父親から罵倒されたというのもこの頃だ。…(投稿者略) . . . 本文を読む
《『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)の表紙》
では次は、〝第一章 法華文学こそ我が使命〟の「『雨ニモマケズ』と曼荼羅」に入ろう。
ここでは例の「雨ニモマケズ手帳」の中の『雨ニモマケズ』に関して宮下氏は論じている。そこで私が注目したのは、同手帳の冒頭
【Fig.1 一頁~二頁】
の右側の頁に書かれている経文、
当知是処
即是道場
諸仏於此
得三菩提 . . . 本文を読む
《『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)の表紙》
さて、では宮下氏の『イーハトーブと満州国』の「はじめに」を見てみよう。それは、
賢治と莞爾。イーハトーブと満州国。
全く場違いな取り合わせにも思えるし、どこか不思議なハーモニーのようなものも感じられる。 〈『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)1p〉
というようにして始まっていた。
もちろん賢治について . . . 本文を読む
《『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)の表紙》
『宮澤賢治と石原莞爾』の目次
・『イーハトーブと満州国』
・「はじめに」より
第一章 法華文学こそ我が使命
・〔当知是処〕
・国柱会への入信(賢治)
第二章 理想郷としての満州建国
・戦犯にならなかった満州事変の首謀者の一人
・共通の師・田中智学
・満州事変と国柱会
・法華経に基づく理想郷、満州国
・昭和初期の「法華経の時代」
・田中智 . . . 本文を読む
《『イーハトーブと満州国』(宮下隆二著、PHP)の表紙》
一般には、賢治は法華経を信仰していたから社会主義者や共産主義者ではなかった、という論理が適用されているかなとも私は思っていた。ところがこの度、〝日蓮主義者の社会主義者・妹尾義郎〟という人物を知って、そんな論理が適用されねばならないということはない、ということを知った。実は、私はここ10年間ほどの検証作業を通じて、賢治は社会主義者や共産主義 . . . 本文を読む