理念なき政治家集団 権謀術数、民意運べず
民主主義を考える 第3部 さまよう政党(1) 2011年2月8日日経から抜粋
理念なき政党政治の最後はどうなるか。
事実上の二大政党制だった戦前の日本。政友会と民政党は政策論議そっちのけで権力争いを繰り広げた。数合わせの議員引き抜きは日常茶飯事。スキャンダル追及合戦も絶えず、浜口内閣から1940年の大政翼賛会発足までの約11年間で首相は12回も交代した。
昭和史に詳しい麗沢大教授の松本健一(65)は最近、民主党議員と会うたびに警鐘を鳴らす。「政党は汚い、国益を守ってくれない、という失望感が迎合主義(ポピュリズム)を生み、軍部の台頭を招いた。今は当時にそっくりです」(敬称略)