マイクロソフトは4月13日、.NET開発者のための統合開発環境の最新版「Microsoft Visual Studio 2010」の日本語版の提供を20日に開始すると発表した。マイクロソフトが都内で開催した発表イベント「Visual Studio 2010 Ready Day」の基調講演では、その機能の概要が紹介され、対応表明パートナーによる活用事例が語られた。
4月20日から提供開始するのは日本語版で、MSDNサブスクリプション会員向けの提供だ。英語版はすでに提供を開始している。5月1日からはボリュームライセンスでの提供を、6月18日からは店頭販売を開始する。
製品のバージョンは機能によって、Professional版、Premium版、Ultimate版の3つに分かれる。これまでと異なりStandard版は提供しない。無償のExpress Edtionも、英語版はすでに提供を開始していて、日本語版も4月27日からダウンロード開始予定だ。
また4月13日より、.NETアプリケーションの実行環境の最新版「.NET Framework 4」のダウンロード提供を開始している。マルチOSのRIA実行環境の最新版「Silverlight 4」も4月16日から提供開始予定だ。
●Visual Studio 2010の新機能とは
マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 部長 遠藤敦子氏は、1997年から提供開始しているVisual Studio(以下、VS)の歴史を振り返りつつ、「VS 2010では、コーディング機能、チーム開発を支援する機能、品質を向上させるための機能の3つを強化している」と語った。
遠藤氏によると、VS 2010の大きな特徴をまとめると、「創造力の最大化」「統合による最適化」「確かな品質」の3つだという。マイクロソフト Visual Studioプロダクトマーケティングディレクター マット・カーター氏が、その一部分を紹介した。
「創造力の最大化」とは、モデリング機能やデザイナ機能を活用したアイデアやビジョンの可視化と共有に加え、ツールにより工数を削減し、その分を高度で専門的で創造的な作業に集中できるようにすることだという。
工数を削減するためのツールの新機能として、複数のバージョンの.NET Framework(2.0~4)の対応や、マルチモニタへの対応、「IntelliTrace」機能による全デバッグ履歴の管理がある。またVS 2010は、既存のバージョンと異なりWPFベースで作られていて、その表現力がツールに生かされている。
さらに、Eclipseのようなプラグイン機能を持っていて、サードパーティ製の拡張を適用できる。これにより、開発者に最適な開発環境のカスタマイズが行え、作業効率の向上につながるという。
「統合による最適化」とは、単一の開発環境で既存のスキルを生かしながら、Windows 7/ASP.NET/SharePoint/Silverlight/Windows Azure/Windows Phone 7などさまざまなプラットフォームに対応することを指す。
また、設計からテストに至る開発の一連の流れを統合し、単一のリポジトリからプロジェクトや資産を管理することで、各工程の役割間のスムーズな連携ができるという。
これらを担うのが、チーム開発を支援する「Visual Studio Team Foundation Server 2010」だ。プロジェクト管理やソースコードのバージョン管理、タスク管理、バグ管理、テストログの自動収集、レポーティング、CI(継続的インテグレーション)などが可能。さらに、新製品の「Visual Studio Team Explorer Everywhere 2010」は、Linux/EclipseとTeam Foundation Serverとの連携を可能にするという。
「確かな品質」とは、アーキテクチャ検証や高度な分析、多面的なテストなどで品質を効率的に確保することを指す。また、プロジェクト管理機能で、各工程の状況を的確に把握し、メンバー間で問題の検出・共有・解決ができるという。
「Visual Studio Test Manager 2010」は、その「確かな品質」を確保するための機能を提供する。例えば、テストの管理、静的コード解析、アプリケーションのUIテストの自動化、再現不可能という状態を減らすためのテスト動画の記録などだ。
●Visual Studio 2010に期待すること
また遠藤氏は、VS 2010への対応を表明しているパートナー企業の発表も行った。すでに41社が対応を表明しているという。
対応表明企業の1つ、NECのソフトウェア生産革新部 マネージャー 小林茂憲氏は、次のように話した。「NECが提供する統合開発環境『SystemDirector Enterprise』(以下、SDE)は.NET技術を使った業務システム構築を支援する。VSをベースに生産性・品質を向上させるツールをアドオンしている。本年度は、VS 2010の活用を検証し、Silverlight 3やSaaS(マルチテナント)アプリケーション開発への対応を目指す」
NTTデータ 技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ シニアエキスパート 津阪健司氏は、次のように話した。「.NET開発用の開発環境の整備としてVS 2010の基本機能とともに、拡張機能として『Visual Studio Gallery』などを活用し、また.NET開発の基盤としては、Team Foundation Server 2010を活用するつもりで検証している。中でもIntelliTrace機能やゲートチェックイン機能Test Manager 2010に効果を期待している」
NEC 新日鉄ソリューションズ 技術本部 ソフトウェア開発センター 所長 渡邉俊治氏は、次のように話した。「新日鉄ソリューションズは4月1日より、『NSSDCクラウド』というサービスを提供開始している。その.NET用開発フレームワーク『AmiNavire(アミナヴィール)』を活用したシステム開発の開発環境としてVS 2010を活用するために検証中だ。VS 2010では、Microsoft Projectとの連携機能や設計・テスト支援機能に注目している」
エムオーテックス 取締役執行役員 Product Center マネージャー 中本琢也氏は、次のように話した。「エムオーテックスは自社製品として『LanScope』シリーズや『Cat』を提供している。VS 2010やTeam Foundation Server 2010の活用により、攻めるためのプロジェクト開発への取り組みに生かし、最新版の『Cat7』はSilverlight 4で全面リニューアルを目指している」
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4月20日から提供開始するのは日本語版で、MSDNサブスクリプション会員向けの提供だ。英語版はすでに提供を開始している。5月1日からはボリュームライセンスでの提供を、6月18日からは店頭販売を開始する。
製品のバージョンは機能によって、Professional版、Premium版、Ultimate版の3つに分かれる。これまでと異なりStandard版は提供しない。無償のExpress Edtionも、英語版はすでに提供を開始していて、日本語版も4月27日からダウンロード開始予定だ。
また4月13日より、.NETアプリケーションの実行環境の最新版「.NET Framework 4」のダウンロード提供を開始している。マルチOSのRIA実行環境の最新版「Silverlight 4」も4月16日から提供開始予定だ。
●Visual Studio 2010の新機能とは
マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 部長 遠藤敦子氏は、1997年から提供開始しているVisual Studio(以下、VS)の歴史を振り返りつつ、「VS 2010では、コーディング機能、チーム開発を支援する機能、品質を向上させるための機能の3つを強化している」と語った。
遠藤氏によると、VS 2010の大きな特徴をまとめると、「創造力の最大化」「統合による最適化」「確かな品質」の3つだという。マイクロソフト Visual Studioプロダクトマーケティングディレクター マット・カーター氏が、その一部分を紹介した。
「創造力の最大化」とは、モデリング機能やデザイナ機能を活用したアイデアやビジョンの可視化と共有に加え、ツールにより工数を削減し、その分を高度で専門的で創造的な作業に集中できるようにすることだという。
工数を削減するためのツールの新機能として、複数のバージョンの.NET Framework(2.0~4)の対応や、マルチモニタへの対応、「IntelliTrace」機能による全デバッグ履歴の管理がある。またVS 2010は、既存のバージョンと異なりWPFベースで作られていて、その表現力がツールに生かされている。
さらに、Eclipseのようなプラグイン機能を持っていて、サードパーティ製の拡張を適用できる。これにより、開発者に最適な開発環境のカスタマイズが行え、作業効率の向上につながるという。
「統合による最適化」とは、単一の開発環境で既存のスキルを生かしながら、Windows 7/ASP.NET/SharePoint/Silverlight/Windows Azure/Windows Phone 7などさまざまなプラットフォームに対応することを指す。
また、設計からテストに至る開発の一連の流れを統合し、単一のリポジトリからプロジェクトや資産を管理することで、各工程の役割間のスムーズな連携ができるという。
これらを担うのが、チーム開発を支援する「Visual Studio Team Foundation Server 2010」だ。プロジェクト管理やソースコードのバージョン管理、タスク管理、バグ管理、テストログの自動収集、レポーティング、CI(継続的インテグレーション)などが可能。さらに、新製品の「Visual Studio Team Explorer Everywhere 2010」は、Linux/EclipseとTeam Foundation Serverとの連携を可能にするという。
「確かな品質」とは、アーキテクチャ検証や高度な分析、多面的なテストなどで品質を効率的に確保することを指す。また、プロジェクト管理機能で、各工程の状況を的確に把握し、メンバー間で問題の検出・共有・解決ができるという。
「Visual Studio Test Manager 2010」は、その「確かな品質」を確保するための機能を提供する。例えば、テストの管理、静的コード解析、アプリケーションのUIテストの自動化、再現不可能という状態を減らすためのテスト動画の記録などだ。
●Visual Studio 2010に期待すること
また遠藤氏は、VS 2010への対応を表明しているパートナー企業の発表も行った。すでに41社が対応を表明しているという。
対応表明企業の1つ、NECのソフトウェア生産革新部 マネージャー 小林茂憲氏は、次のように話した。「NECが提供する統合開発環境『SystemDirector Enterprise』(以下、SDE)は.NET技術を使った業務システム構築を支援する。VSをベースに生産性・品質を向上させるツールをアドオンしている。本年度は、VS 2010の活用を検証し、Silverlight 3やSaaS(マルチテナント)アプリケーション開発への対応を目指す」
NTTデータ 技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ シニアエキスパート 津阪健司氏は、次のように話した。「.NET開発用の開発環境の整備としてVS 2010の基本機能とともに、拡張機能として『Visual Studio Gallery』などを活用し、また.NET開発の基盤としては、Team Foundation Server 2010を活用するつもりで検証している。中でもIntelliTrace機能やゲートチェックイン機能Test Manager 2010に効果を期待している」
NEC 新日鉄ソリューションズ 技術本部 ソフトウェア開発センター 所長 渡邉俊治氏は、次のように話した。「新日鉄ソリューションズは4月1日より、『NSSDCクラウド』というサービスを提供開始している。その.NET用開発フレームワーク『AmiNavire(アミナヴィール)』を活用したシステム開発の開発環境としてVS 2010を活用するために検証中だ。VS 2010では、Microsoft Projectとの連携機能や設計・テスト支援機能に注目している」
エムオーテックス 取締役執行役員 Product Center マネージャー 中本琢也氏は、次のように話した。「エムオーテックスは自社製品として『LanScope』シリーズや『Cat』を提供している。VS 2010やTeam Foundation Server 2010の活用により、攻めるためのプロジェクト開発への取り組みに生かし、最新版の『Cat7』はSilverlight 4で全面リニューアルを目指している」
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