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【ワールド・トレンド】海外事例に見るWiMAXのアドバンテージとは

2010-04-16 15:00:21 | 日記
 いつでもどこでも高速通信を実現できるWiMAXは、ビジネス・シーンで活用できるネットワークとしても注目されている。本稿では世界に目を向けてみよう。米国では現在、スマート・グリッド(次世代送電網)技術の実現に向けたパイロット・プログラムに、WiMAXネットワークが利用されている。数あるネットワーク技術の中から、なぜWiMAXが選ばれたのだろうか――。

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 米国General Electric(GE)は2010年3月末、米国ClearwireのWiMAXネットワークを使用し、電力会社とその顧客にデータを提供するスマート・グリッド技術のパイロット・プログラムを開始したと発表した。

 GEによると、電力/ガス会社である米国Consumers Energyと協力し、WiMAXベースのグリッド・センサーと電力メーターを、ミシガン州の600万人以上に上る顧客の住宅や施設に設置するという。

 GEはこのスマート・グリッド・パイロット・プログラムの実施について、「住宅内の電力メーターと電力会社のネットワーク管理/制御システム間をWiMAXを利用したリアルタイム通信を行うことで、効率と信頼性がどのように向上するかを実証するのが目的だ」と説明している。

 第4世代(4G)のネットワークには、LTE(Long Term Evolution)も存在する。なぜGEは同プログラムのネットワークに、LTEではなくWiMAXを選んだのか――。その理由を求め、GE Energyのスマート・グリッド部門でコマーシャル・リーダーを務めるマーク・フラ(Mark Hura)氏に話を聞いた。

■同プログラムのネットワークにWiMAXを採用した理由を教えてほしい。

フラ氏 WiMAX技術は、業界ですでに使われている標準規格をベースにしており、固有の帯域幅と遅延が規定されている通信規格だ。電力会社がこの規格を使用して自社ネットワークで運用できることは、電力使用量の測定の自動化や、測定対象機器との通信だけでなく、さまざまなことが実現できる。

 例えば、再生可能エネルギー発電による電力を、グリッドで活用することが可能だ。さらに、電力会社のネットワークに、コミュニティ(地域)レベルで導入される代替エネルギー発電とその蓄電を行うこともできる。つまりWiMAXを使ったグリッドは、既存のインフラよりも機能が豊富なのだ。

 また、(WiMAXを利用した)スマート・グリッドによって電力会社は、適切なセキュリティ・プロトコルを含む標準的な通信プラットフォームを確保できるという利点もある

■WiMAXを使ったスマート・グリッド技術で、一般消費者と企業はどのようなメリットを享受できるのか。

フラ氏 WiMAXを使ったスマート・グリッド技術は、電力の使用状況をリアルタイムで把握することができ、電力消費の効果的な管理方法を理解する機会を提供してくれる。

 4G技術ベースの通信プラットフォームを確保することで、電力会社は顧客の住宅や施設から収集する電力使用データをリアルタイムに顧客にフィードバックできる。一方、一般消費者は、特定時点での電力使用量を知ることが可能だ。

 こうした情報は、特定日(時間)の電力使用量を見積もるのに役立つ。例えば、1日のさまざまな時間帯に応じて各種の電力源をどのように使えばよいかといったことや、消費電力が多い作業を行う機器を電力需要のオフピーク時にのみ稼働させることもできる。これにより(電力)コストを削減すべく、機器に最適なプログラミングを施すといったことが可能になる。

■最後に、LTEではなくWiMAXを選んだ理由を教えてほしい。

フラ氏 WiMAXは全世界規模の巨大なエコシステムが構築されていることだ。将来的には1つの機器でWiMAXとLTEの両方が利用できるようになる日が来るだろう。しかし、現時点ではWiMAXのほうが既存のネットワーク技術を生かし、消費者と企業の両方の利益に貢献する良い機会が提供できると考えている。

(Brad Reed/Network World米国版)


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