鉄人 須藤 將のホームページ

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Webマーケティングその46

2009-09-01 05:29:17 | Webマーケティング
理想的な生産は受注生産である。受注生産が可能になれば、在庫をもつ必要がなく、生産から販売までの時間が短くなり、資金の回転率が向上する。また、モデルチェンジによる旧型在庫の処分といった問題もなくなる。
その一方で、ユーザーニーズはパーソナライズ化が進み、自分仕様の商品を短時間で入手することを求めるようになってきた。

こうした、理想的な受注生産方式とパーソナライズ化したユーザーニーズを両立させたのがデルコンピュータである。
この両立は、ネットワークによる情報の共有化がキーになっている。
デルコンピュータのパソコンの受注生産では、デルコンピュータのウェブサイトでユーザーがパソコンを発注すると、その受注情報は受注コード番号が付けられて、デルコンピュータ社の受注業務システムに送られ、即座にマレーシアの工場に対し受注業務システムの工程管理による生産準備の指示が出され、部品発注ファイルに掲示される。

同時に、フェデラルエックスプレスの物流システムと直結した統合システムにもその受注情報が送られ、発送準備および成田の通関手続きに入る(サードパーティロジスティクス)。

マレーシアの工場に納入する部品会社は、部品発注ファイルに掲示された内容にしたがって製造し、指定された時間に納品。
マレーシアの工場は、受注業務システムの工程管理のタイムスケジュールにしたがって納入された部品を組み立て、パソコンの出荷まで3日で完了。

フェデラルエックスプレスが発送および成田の通関を行い、パソコンの動作チェック(アウトソーシング)を行い、ユーザーの手許に届け、ユーザーは5日で自分の欲しい内容のパソコンを入手できる。

この一連の流れの中で、ネックポイントはマレーシアの工場に納入する部品会社が部品発注ファイルに掲示された内容にしたがって製造し、指定された時間に納品できるかどうかである。
実際にモノを生産するには原材料の仕入れ計画から始まり、生産の段取り、生産、検査、出荷とどうしても短縮できない時間がある。
こうした問題を解決するには、見込み生産を行って発注情報が入る前に生産を終えておくしか方法がない。
見込みで生産しておいたものを発注情報に基づいて出荷、納品するのである。
この見込み生産のコントロールが受注生産方式のカギを握っている。

受注すると、一見、仕様がバラバラで見込み生産のやりようがないと思われがちだが、部品単位の受注に直しおてみると、約80%は共通の部品である。
したがって、この共通の部品は販売総量の予測さえつけば(トレンド分析で簡単に出せる)生産量の確定はすぐにできる。
ようは残りの不確定な20%分をどうするかである。これは確率論を駆使した見込み生産と、多少の在庫で対応することになる。
このように部品会社では見込み生産を行うのであるが、ネットワークによる情報の共有化でリアルタイムの生産計画の修正が可能になり、ずいぶん見込み生産の精度が上がってきている。(出典:日経BP)

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