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06年11月5日の中級からのテーマ~小さい連続Uターン切り返しのの走り方(1)

2006年11月08日 | 上級テクニック
06年11月5日の中級からのテーマ~小さい連続Uターン切り返しのの走り方(1)
06年11月5日中級~小さい連続Uターンの切り返しの走り方(2)
小さい連続Uターンの切り返しの走り方(3)
小さい連続Uターンの切り返しの走り方(4)
小さい連続Uターンの切り返しの走り方(5)
小さい連続Uターンの切り返しの走り方(6)
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 2006年11月5日の中級は、イントラM本さん担当のセッションでした。上図のコースレイアウトを見ればわかるように、連続したUターンがテンコ盛りで、普通に考えれば、Uターンの練習がテーマであるように思えます。
 しかし、M本さんの表現では、「アクセルとブレーキの練習」なのだそうです。一日終わって、その後感じたことを含めて、M本さんが伝えたかったことがどういうテーマだったのか、段々わかってきたような気がします。

 その日の様子を先にレポートしましょう。

 午前中の最初のコース練習が上図のレイアウトで、①~⑦までの数字で示したように、約900メートルのコースに7つの連続切り返しUターン(もしくはそれに順ずるパターン)が設定されています。練習の基本となるセットは①と②の部分であろうと思われます。③は二つのパイロンの間隔が狭まっているパターン、④⑤は道幅が広く、間隔は小さくというパターン、⑥⑦は片方のUターンが複合コーナーに崩れているパターンということになります。①②③はオフセットパイロンの設定なので周辺が広く開いていて、大きく回れば回れないこともないというセーフティ付きのレイアウトになっています。

 中級参加が初めてとか、あるいはまだ不慣れな人にとっては、結構厳しいコースレイアウトだったろうと思いますが、それでも一日、このコンセプトを崩さずに実施できたのは、ほとんどのコーナー・セットで大回りをしても回れるようにイントラさんがきちんと配慮してくれたおかげだと思います。

 しばし走った後で、M本さんからの指導は次の2点です。

1)①および②の連続Uターンのセットでの回り方です。それは、Uターンの後半で膨らませないようにする。1本目のパイロンを回り終わったところで、きちんとパイロンの内側に付けて、次の進路を向き、バイクをそのまま止めても良いくらい直立させるところまでちゃんとバイクを起こしましょう。そのためには、旋回中に後ブレーキをしっかり使って最後小さくバイクを回しこみましょう、ということです。ですから、ここでのテーマは後半を小さく回るように「後ブレーキを使うこと」とそこから「アクセルをしっかり開けるように」とのアドバイスでした。

2)別のセクションですが、上図の網掛けの部分で、すごく緩いオフセットパイロンになっているのです。そこをパイロンに向ってガァーと加速してパイロンでブレーキを掛けて向き替え、またそこから加速という、直線的なラインで大きく加減速をして、パイロンで小さく回るという走り方をしている人がいます。そこはスピードを定速を維持して身体を使った切り返しでスムーズに抜けることをやってみましょう、というアドバイスです。これはつまり高速で回れるのに「アクセルを必要以上に戻しすぎない」ようにというテーマと言えるでしょう。






 これをふまえて午後のセッションに入ります。
 この図が午後に2番のエリアで設定されたコースレイアウトです。やはりテーマはUターンで、今度はバリエーションとしてZターンが加えられています。
 実はこのコースのコース案内の時に珍しいことが起こりました。コース案内の一周目に何と先導のイントラさんが二つ目のZターンで転倒したのです。この出来事の意味がわかった人は充実した練習ができただろうと思います。
 このイントラさんの名誉のために説明しておきます。一般的に桶川ではメインとサブのイントラさん2名でスクールが進められます。メインのイントラさんがコースの設定を行い、サブのイントラさんは朝の体操やコース案内の先導などを受け持ちます。サブのイントラさんは、実はコース案内の時までそのコースは実走していない場合が多く、ウォームアップの時にコースを横目で見ながらレイアウトを把握し、コース案内に入ってからコースを確認しているのです。

 M本さんが作ったこのコース、今回も連続ターンの切り返しがテーマであることに間違いはありません。ということで直パイから折り返して最初のセットがUターンの切り返しでそれが二組シンメトリーに置いてあります。ですから、その次に現れたZターンのセットについても二組のZターンがシンメトリーに置いてあると考えるのが普通じゃないですか!!
 ところがそこにM本さんのワナがあったのです。実は赤い網掛けの部分のZターンの二つ目は、1メートルほどオフセットされていたのです。一つ目と同じ並列のZターンだと思ってパイロンを回ったサブのイントラさんはひとたまりもありません。回り切れず撃沈したのでありました。

 Zターンについて言うと一つ目は直角というのか、並列にパイロンが並べてあってその幅が6メートル見当ですから、バイクを立てて、ハンドルの切り返しだけでもこなせるZターンだったのです。ところが二つ目は、1メートルずれていることで1本目のパイロンを完全なUターンのイメージで回り込まないと二本目に向うラインが作れないのです。
 さすが、M本さんのことですから、回りきれない人のために、ちゃんと芝生の切れ目をセーフティゾーンとして用意してあって、大回りしても安全なように配慮してありました。
 サブのイントラさんがメインのイントラさんの用意したワナにしっかりと陥ったという面白いケースでした。

 もちろん2周目からはサブのイントラさんは至ってスムーズに走りこなしたことは言うまでもありません。M本さんからは「コースの先は、(思い込みに依らずに)しっかり見ましょう!」というアドバイス(誰への?)がありました。

 この二つ目のZターンについては、M本さんも特別の意図があって、あえてズラしたようです。

 しばし走った後のアドバイスは、一つ目のパイロンを回った後、アクセルをブォッと開けて次のパイロンでブレーキを掛けて回るというやり方もありますが、(それは決して否定しませんが)アクセルをもっと微妙に開けて二つ目のパイロンにアプローチするという方法がありますよ。その時にはアクセルでバイクを起こすのではなくてハンドルを反対方向に切れ込ませるためにライダーが上体を使ってハンドルを切り返すように仕事をしないといけません。そういうやり方を試してみてはいかがでしょうか!!!
 ということでした。

 それをわかってもらいたくてM本イントラはZターンの二つ目のセットにズレを作ったのです。そんなことは事前に聞いていなかったサブのイントラさんは、こうしてワナにハマったのでした。


この稿は長くなったので、一旦切ります。

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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良いな~ (TNA)
2006-11-09 07:43:32
レイアウト図を見ているだけでアドレナリンが噴出しますね(笑)!!思い切り突っ込んでみたい!!

・・・仕事の都合で残念ながら次回は25日なのです。
禁断症状が・・。
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なるほど。 (光Ginji)
2006-11-09 08:02:58
@sushi さん、この日の記事、お待ちしておりました。(^^) なるほどYFさんコケの状況はこれでしたか。よく読むと、「M本さんは芝生の切れ目をセーフティーゾーンとして用意した」のにYFさんが沈没したのは興味深いですが(笑)、それはともかく、やはり、初めてのコース、では
「早めの視線送り、ライン取りの決断」
が必要、ということをあらためて教えられますね。

この手のスラローム走行では、どちらかというと「直線を長く取り、減速して一気に向き変え」(ガァー、クルン)のみ追いかけがちになりますが(ぼくがその典型ですね)、M本さん(やK島さん)は良く、「それも良いですが、『丸ぁるく旋回をつなぐライン』で速度を維持してみてはいかがですか?」とアドバイスいただきます。
そういう「別の走り方への切り替え」が柔軟にできるようなってはじめて、さらなる『匠への道』を歩めるんですよね。ともに頑張りましょう!
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リアブレーキが踏めません・・・ (serenade)
2006-11-09 12:55:42
私が今一番苦手意識を感じている要素がこれでもかと入っているコースで、見ただけでバイクがふらっと傾いていく感覚を想像して足がすくみました・・・まだまだ中級無理だ・・・


イントラさんの後ろに乗せてもらったのですが、くるりと回っているその瞬間のスピードは、自分がアイドリングでよっこらせと向きを変えているときよりもあきらかにゆっくりで、さらに深く傾いているのにすごく安定しています。


自分は、後ろブレーキをこれ以上踏むと倒れてしまうと思ってターン前半でブレーキをリリースしてしまい、ターンする前からバイクが直立した状態で回っているのですが、なぜイントラさんのバイクはリアブレーキ踏みっぱなしで私よりも遅い速度なのに倒れないのでしょう。


直前までスピードを出していて急減速するから回転数が落ちきっていないために速度が遅くなっても倒れないのかなとおもったのですが、2速で走ってもらって、そんなにスピード出していないし、タンデムシートの私が前のめりになるほどの急減速もしていないのに、安定しているんです。


なぜだーなぜだー
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こんにちは (光Ginji)
2006-11-09 13:50:51
serenadeさん、みなさんこんにちは。
イントラさんとて物理法則には勝てませんので、遅い速度ではバイクは倒れようとしているんですが、こう考えたらどうでしょう。イントラさんの場合は、バイクが倒れようとする方向が、バイクが向きを変えようとしている動きにプラスに働いている、と。
(実際は、「倒れまい」とするセルフステア作用でハンドルが切れることが向き変えにつながるのですが。)
10/26のserenadeさんの「うだうだと考えて…」とあわせて、思いを馳せてみてください。ぼくはハンドルを切って曲がるタイプの志向性ですので、一連のコメントの意図をつかんでいただけるか、と思います。
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>TNAさん (@sushi)
2006-11-09 16:41:00
TNAさん、こんにちは。

>レイアウト図を見ているだけでアドレナリンが噴出しますね(笑)!!思い切り突っ込んでみたい!!

確かに午前のコースの①や②(特に②)、それから午後のコースのUターンのセットなどはかなりスピードが乗ったところから、どーんと回る豪快なUターンですね。もっともM本さんのテーマは、最初のUターンではなく、その次のUターンにうまくアプローチすることだったのですが(笑)

私がM本さんが好きなのは、その日の参加者に曲がれない人がいてもコースを甘くしないところです。(そりゃそうだ、曲がれないから練習するんだ!!)

またお会いしましょう!

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びっくり (yasu)
2006-11-09 16:41:52
いつも愛読させていただいてます。
と言っても、いつも記事の解説されている内容を半分も理解出来ていませんが・・・。(汗)

この日の中級、私も参加させていただいておりました。
完熟走行時、イントラさんが転倒されたのはびっくりしましたが、その後、イントラさんが転倒されたところの次のパイロン出口で転倒したのは私です。完熟走行の流れを止めてしまいました。(汗)
失速して堪えきれずにエンストし、ガクッって倒れちゃいました。

まさかご一緒してるなど思わず、この記事を見てびっくりしました。

この問題のZターン、イントラさんからは「アクセル少し開けながらリヤブレーキで調整しながら回ったほうが良いですよ」なんて言われましたが、どうしてもうまくできずに、ほぼ通過するだけのターンになってしまいました。
先頭辺りを走行されていた方々は上手く回られていましたね。さすがです。

後半の解説を楽しみにしております。
返信する
>光Ginjiさん (@sushi)
2006-11-09 16:53:38
こんにちは!
コメントありがとうございます。

>。(^^) なるほどYFさんコケの状況はこれでしたか。よく読むと、「M本さんは芝生の切れ目をセーフティーゾーンとして用意した」のにYFさんが沈没したのは興味深いですが(笑)

YFさんは、Zターンの一本目のパイロンを回って切り返そうとバイクを起こしたところで、二本目のパイロンが真正面にあることに初めて気が付いたんだと思います。そこで右への切り返し動作を中断してもう一度左に倒し直したがすでに失速していてコケちゃったんですね。ですからすぐ後に続いていた私も一本目のパイロンを回った瞬間にストップしたのですが、YFさんのラインをなぞっていたので、まさしく真正面に二本目のパイロンがある位置で、そのままでは二本目を回れず、手前から右に抜けました。この場合、二本目の奥にあるセーフティゾーンは役に立たないですね(笑)

>初めてのコース、では
「早めの視線送り、ライン取りの決断」
が必要、

まったくその通りですね。ついでに
「先読みは大事、でも思い込みは厳禁!」
遠くから見たときにZターンの連続のセットと先読みし、一つ目のZターンと同じコーナーだと無意識に思い込んでしまった訳ですね。やっぱりちゃんと実物を確認しないといけないです。
もう一つ、前の人が(例えイントラさんで、例え二速低速のコース案内でも)いつコケテモ良いように常に油断は禁物です(笑)
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>serenadeさん (@sushi)
2006-11-09 17:29:33
こんにちは。

>なぜだーなぜだー

大分、お悩みですねぇ。
操縦の仕方については、光Ginjiさんが色々とアドバイスをされているので、そちらを参考にしてください。違うことを言われると却ってわからなくなりますからね。

謎解きのヒントをいくつか‥‥‥‥

1)イントラさんがUターンするときの車速がアイドリングより低いということは、多分ありえないと思います。操作がスムーズなのでそう感じるだけだと思います。私がイントラさんに先導してもらうと特に旋回の後半で遅れたり、もしくはスピードが同じでもイントラさんの方がもっと小さく回っていることがわかります。

2)スピードが遅くても旋回半径が小さければ遠心力は大きくなりますから、バンクを深くできます。バンクを深くするとその分ハンドルが切れますから、旋回半径を小さくできます。傾けた分ハンドルが切れれば遠心力が増すので、安定して傾けられることになります。serenadeさんの車速と同じスピードでも半径二分の一で旋回すれば、概ね二倍バンク角が取れることになります。(See⇒「バイクが倒れようとする方向が、バイクが向きを変えようとしている動きにプラスに働いている」by光Ginjiさん)

3)本当に小さく回ろうとする時には、さらに強く後ブレーキを使って後輪のスピードを落とし、前輪を回しこむ(人によっては「差し込む」と表現したりします)こともあると思います。もしかしたらアイドリングまで速度が落ちているかもしれません。しかし後輪のスピードが遅くても、前輪がしっかり走って旋回していればそれなりに遠心力が発生するのでバンクしていても安定しています。(ただし長い時間回り続けることは無理ですが‥‥‥‥)

4)タンデムに乗って、後輪の上で旋回しているときのスピード感と、フロントフォークの延長線上に頭を置いて前輪の上で旋回するときのスピード感はかなり違っていると思われます。


謎解きのヒントになりましたでしょうか?

返信する
>serenadeさん (@sushi)
2006-11-09 17:36:05
>足がすくみました・・・まだまだ中級無理だ・・・

いや、ですから、Uターンを練習するためには中級に参加しなければ‥‥‥‥


(まあ、もう少し練習してからね
返信する
>yasuさん (@sushi)
2006-11-09 17:39:12
こんにちは。

>完熟走行時、イントラさんが転倒されたのはびっくりしましたが、その後、イントラさんが転倒されたところの次のパイロン出口で転倒したのは私です。

えーと、列の半ばにいたCB750に乗られていた方でしょうか。ケガが無かったらよろしいのですが。
こういう細かいコースは経験と練習あるのみですからね。頑張ってください!!

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