
とってもスローな『ジムノペティ』
春ってやっぱり
メンタル不安定になりがちなのかな。
と思って、
不安定なのは春に限ったことじゃないかーと
がーっくりする桐花でございます。
エリック・サティの
アンニュイなピアノ曲は
柔らかく繊細で、ちょっと風変わり。
「ゆっくりと、痛ましげに、悲しげに、厳粛に」 奏される『ジムノペディ』
そして『グノシェンヌ』も
物憂げな春によく似合う気がする。
桜の花びらが降ったりすれば
なおのこと。

庭では
八重桜が咲きました。
ほかの花ではそんなことはないのに
八重桜が咲くと
どういうわけかお酒に花を
浮かべたくなります。
焼酎に
塩漬けにした葉っぱや花を入れる方が
桜の風味がするけれど
それよりも
枝から摘んできたばかりの
生のきれいな花を入れたいのです。
ワインにふんわり、浮かべたくなるのです。



ワインに氷を入れて
八重桜を一房。
あまりやる人はいないと思いますが
ワインに氷、です。
前にもブログに書いたことのある
アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』に
こんな記述があって。
「レストランのネーグル・ド・トゥールーズで、私と妻はクォーター、ハーフ、もしくはフル・カラフで上等なカオール・ワインを、たいていは3分の1ほど水で薄めて飲んだ。木工所の二階の我が家には、名高いわりに安価なコルシカ・ワインが用意してあった。それはいかにもコルシカらしいワインで、水で半分に薄めても、なお本来の持ち味を楽しむことができた。あの頃のパリでは、ほとんど無一文でも楽しい暮らしができたのだ」
ワインを水で割る…!
はじめて読んだとき
なにかが弾けたように驚いて、
試してみた。
「薄まった感」は、意外なほどなくて
また驚いたのでした。
お酒に詳しくも
味にうるさくもないから、
かもしれませんが。
それでも以来、ときどき
ワインを(水割りではなく)ロックで飲みます。
そして
八重桜が咲くと、
ワインに氷を入れて
花を浮かべる。
桜のワインってお店にもあるけれど
桜のワインってお店にもあるけれど
それではなくて
赤ワインに
氷を入れて八重桜を浮かべただけの
わたしの桜ワイン。
ワインをロゼや白にしたり
花をバラにしても、ステキかもしれません。
