こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
判断能力が低下もしくはなくなってしまったときのための制度としては成年後見制度や家族信託、通常の代理契約など様々なものがありますが、その中でも公的な機関による監督があるのは成年後見制度だけです。成年後見制度以外は代理人が適切に業務をこなしているかを監督する人はいません。
成年後見制度の場合は、後見人の他に後見監督人が選任されることもありますし、後見監督人が選任されなかったとしても裁判所への定期的な報告義務があります。どちらにしろ裁判所が直接、間接の違いはあれど後見人の仕事ぶりをチェックしてくれます。
例えば自分の財産を他人に管理してもらうときのことを考えてみてください。もちろん、信頼できる人を選ぶのはもちろんですが、信頼していた人が自分の財産を横領してしまうという可能性がないとはいえません。認知症や知的障害などのある方が財産管理が適切かどうかをチェックするのは困難であると言えます。
そのようなときに、成年後見制度であれば利用と同時に必ず公的な機関が適切な財産管理をしているかをチェックしてもらえます。逆に言えば成年後見制度以外の場合は自分が財産管理を頼んだ人の良心に期待することしかできないということです。
どのようなケースでも常に成年後見制度が適切というわけではありませんが、成年後見制度のメリットについて知っておく必要はあるでしょう。状況に合わせて適切な方法を選んでもらうのがベストです。