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地名アラカルト

各地の難読地名や珍しい地名についての由来やエピソードなどについて調べてみたいと思います。

東北のアイヌ語由来とみられる駅名(宮城県・秋田県)(2)

2014年08月15日 21時28分15秒 | Weblog
愛子 あやし JR仙山(せんざん)線。宮城県仙台市青葉区愛子中央一丁目。 
aya’siはaya-usiの音韻転訛した短縮形。アヤ(木目),ウシ(多い所)「木目のような筋のある岩が,沢山ある所」の意。北方8キロの大倉村に屋料岩(ざいもくいわ)があるという。

川渡温泉 かわたびおんせん JR陸羽東線。宮城県大崎市鳴子温泉田中。
川渡はアイヌ語のカパタピ(kapa-ta-pi,そこ<タ>には,泥だらけ<カパ>の円礫<ピ>が広がっている)の意で,潟沼(火口湖)の大爆発で大量の泥流が流失した際,命名されたのではないかという。

小牛田 こごた JR東北本線。宮城県遠田郡美里町藤ケ崎町。
ko’ko’taは「kop-kot-ta」(コプ・コツ・タ)の音韻転訛の短縮形。コプ(灌木の生えた小丘),コツ(所有するーあるの意),タ(そこに)で「灌木の生えた小丘がある,そこに)の意。

女川 おながわ JR石巻線。宮城県牡鹿郡女川町(ちょう)女川浜。
アイヌ語のオンナ(onna,内部)の転訛で,女川湾の内部にある港の意。

曽波神 そばのかみ JR石巻線。宮城県石巻市鹿又字曽波神前。
ソウパsopaはソウ(岩)パ(頭)で,「頭状の岩山」の義。

野蒜 のびる JR仙石線。宮城県東松島市野蒜。
鳴瀬川の河口に位置。ノビルはヌプリの訛り。nu-puriのヌ(豊富)ピリ(渦)「沢山の渦が巻く」の意。鳴瀬川が洪水の時,海潮と会して渦が巻くの意。

亘理 わたり ワタリwatariは,watara-iが音韻転訛した短縮形。watara(岩の削壁即ちクリッフ),イi(所)「岩の削壁がそば立っている所」の意。aとiの母音が続くので,aが脱落して,watariになった。

笑内 おかしない 秋田内陸縦貫鉄道。秋田県北秋田市阿仁(あに)笑内。
アイヌ語「オ・カシ・ナイ」(o-kashi-nay,川下に仮小屋のある川)の音訳という。oは川尻。kashiは仮小屋。nayは川。

鹿渡 かど JR奥羽本線。秋田県山本郡三(み)種(たね)町鹿渡。
kadoはheroki(ニシン)の古語とみられ,この地でニシンが獲れたことの意か。

象潟 きさかた JR羽越本線。秋田県にかほ市象潟町(まち)家の後(うしろ)。
kisa-ka-taのキサカkisa-kaは「オヒョウ楡の皮から採った糸」であり,タtaは「そこに」で,「オヒョウ楡の皮から採った糸がそこにある」の意という。

米内沢 よないざわ 秋田内陸縦貫鉄道。秋田県北秋田市米内沢。
アイヌ語「イオナイ,i-o-nay」で「蛇の多い沢」の意。イ・オ(あるいはオッ)・ナイ(それ・ごちゃごちゃいる・沢)とみられる。イ(それ)は恐ろしいもの,この場合は蛇とみられる。アイヌでは蛇が特に恐ろしいものとされていた。なお,イを熊とみる説もある。

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