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クラシックの日々~“第5幕”物語

クラシック音楽専門ビデオ撮影会社≪スタジオACT5≫で繰り広げられる日々のお話。

「撮影」と「演奏すること」

2008年05月02日 20時28分59秒 | 撮影日記
「撮影」は「演奏すること」にとてもよく似ている。
表現するためには技術は絶対的に必要で、最近さらに別のことを感じたことがある。

まずは、『アンサンブル』
『アンサンブル』とは、ただ合わせることではない。
お互いに自分の持ち味を発揮し、それぞれの持ち味を生かすよう
お互いの【画】・【音】を見て聴いて、自分の役割を表現する。
オケでは、各楽器にはその楽器でなければ出せない「音」や「空気感」があって
それぞれが重なり合ってハーモニーを生み出す。
3カメ・4カメの撮影でも同じように、カメラ位置によって役割は異なる。
そのカメラ位置でなければ撮れない(表現できない)映像があって、
さらに、それぞれのカメラマンの持ち味も加わり、それらを組み立て映像を作り出す。

次に『ミス』に関して。
細かいミスがあっても、それを遥かに超えるものを表現できることがある。
細かいミスを恐れず、もっと大きなものを表現することこそ本質だと思う。
(ミスはないに越したことはないのだけれど・・・)
大事にいくより、大胆に思い切って表現したほうが、ずっとよい結果になることがある。



フル編成のオケで演奏しているとなかなか気がつきにくいものなのだけれど、
音泉のようなところで演奏していると、実にいろんなことを感じさせてくれる。
ちょっと気になることがあって、東京公演の「ジュピター」DVDを見返してみると
松本公演にはない、「勢い」というか「熱」があって、かなり驚いた。
以前はわからなかった。。
松本公演のDVDを「いい演奏だなぁ・・・」とそればかり見ていたあとで
あの響きのないホールでの必死の東京公演を見ると、はっとする。
どういうことなのだろう・・・。

松本はものすごく響きがよくて、それに寄りかかってしまっていたのだろうか。
僕自身、東京公演よりも丁寧に、アンサンブルを乱すことなく弾こう、と思っていて
なんだかそれは違っていたのかもしれない。

先日のある撮影した映像で、僕のカメラの場面でゆったりと丁寧に表現したのだけれど
マネージャーTさんに「もっとグワァ~っと勢いよくいったほうがよかった」と言われた箇所がある。
ホールの広さ、空間の拡がり、音の拡がり・・・いろんなことをそこに表現したかったのだが、
もっと大胆にいってもよかったみたいだ。


もっといい映像をみんなと生み出していきたいし、
ヴァイオリンももっと弾けるようになって、みんなといい音楽をつくっていきたい。
しかしながら悲しいことに、仕事が忙しくなればなるほど、さらう時間は減っていく・・・




G.W.へ向けて

2008年04月24日 05時33分16秒 | 撮影日記
世間様がお休みの時に仕事をしなければならない業種ゆえ、G.W.は撮影目白押し。
しかも、結構規模の大きなものが続き、刻々と近づく日々に緊張気味です・・・
合間に編集も進めないといけないし。。

最近、特に疲れが激しい気がするのは、『緊張と緩和』の落差があまりに激しいからなのか。。

いい仕事をすることでしか、この苦しみから逃れられないというのは、
一種の『業』なのだろうなぁ。。

『人生』は『修行』である。
ぶつかっていくしかない!


連日同じ曲の撮影で。

2008年02月24日 07時03分47秒 | 撮影日記
先日撮影した演奏会のピックアップ配信の編集をすませ、ただいま変換中。

実は、連日同じホールで同じ曲を撮影したのだけれど、あまりに面白いので
立て続けに編集をすませたら夜が明けた。。

同じカメラ台数で撮ったのだけれど、それぞれのオケの特長を考えて、
映像のコンセプトをかえ、カメラ位置をかえて撮影した。

映像も音楽を演奏するのと同様、表現に“正解”というものがない。
こうも撮れるし、ああも撮れるし。
現場で撮影しているときと、事務所で観ているときでも感じ方が違うし。
こっちのオケでは、全景をいれ、その後指揮者の画をいれよう、と感じる場面でも
もう一方のオケでは、そのまま画を拡げていって、全景はもうちょっとあとだなぁ、
などと感じたり。

でも、そんなふうにいろいろ感じられるのも、いい演奏があればこそ。
最近、社会人オケはホント上手いなぁ。。とつくづく感心してしまう。

僕も撮影はもちろんのこと、いい演奏がしたいなぁ、と思う。


もうすぐ、『第九』本番。。


あ、そういえば、Gフィル演奏会の客席にマエストロSioがいて、びっくり 
挨拶にいったら、いつも通りにこにこして握手してくれた。
なんとかしてあの人を演奏で喜ばせたいものだ。


『こころのふるさと』にて。

2007年10月22日 04時36分34秒 | 撮影日記

記念会堂での大学創立125周年記念演奏会の撮影が、終わりました。

たぶん、僕の人生のひとつの大きな道筋がつくられたであろうところでの撮影、ということで

かなりの緊張で臨みました。

普段の音楽ホールとは勝手が違うし、オケや合唱団がどういう角度で撮れるかも、

セッティングされてみないと、ちょっとわからなかったし・・・。

(下見で決めたカミテ側のカメラ位置からは、コンミスが指揮者にかぶって

完全にかくれてしまうので場所を変更したりとか、

照明もホールとは違うのでシャッタースピードを調整したりとか・・・)

 

でも、まわりの人たちのおかげで、終わってみれば本当に楽しいと思える撮影になりました。

オケの担当窓口のA君や録音で入ったK君は、同じオケで育ったという点もあって、

かわいい後輩であり仲間でもあるし、撮影スタッフのみんなにもどれほど助けられたか。。

 

実はこの撮影が、我社2年目最後の撮影となるものでした。

   祝・2周年

こういう仕事ができて、僕は幸せ者です。

みんな、ありがとう。

この場をかりて、(こんな場所ですみません・・・)つながっているすべての人に感謝します。

もっともっといい仕事をしていきたいなぁ。。

音楽は無限です。

 


久々、『こころのふるさと我らが母校・・・』

2007年10月20日 07時31分04秒 | 撮影日記

 

日曜日に撮影する『第九』の演奏会のため、会場の下見に行ってきた。

大学創立125周年の記念演奏会で『第九』をやる。

実は、僕が現役のころ、この記念会堂で『第九』の演奏をやったことがあって、

まさか、またここに、こんな形で自分が帰ってくるとは思ってもいなかった。

キャンパスの中を少しうろうろしたけど、建て替えも進んだ上、なんだか建物も多くなって

空間自体が狭められて、ずいぶん小さくなったなぁ。。という感じ。

とても開放的で広い空間が好きだったんだけど・・・。

大学はのどかで自由なのがいいと思うんだけど、どうもそういう時代じゃないらしい・・・。

 


区切りの撮影が終わって。。

2007年09月29日 16時38分38秒 | 撮影日記
指揮者は若い頃から自分の頭の中で鳴っている音楽を表現するため、
何年も何十年もキャリアを積み、そこに到達していくもののようだ。


頭の中で思い描いている映像を実現するため、あせらず一歩一歩進めばいいのかな。
それを実現するために、何をしてどんな準備をしていくべきか。
きちんとやるべきことをやり、謙虚に立ち向かっていけばいいのかな。

大切なのは、自分の頭の中にある夢の映像をあきらめないこと。

撮影本番が終わって力がぬけたときに、ふっと頭に思い浮かぶ映像もあって
『あ、あの場面はこんな画作りもあったなぁ。。』などと感じたり・・・。
そのことだけにグウッと集中してても、いいものは浮かんでこなかったりするもののようだ。

まだまだ先は遥かかなただなぁ。。


連日撮影中!

2007年03月27日 21時49分51秒 | 撮影日記
3月後半に怒涛の撮影ウィークとなり、連日撮影の日々です。
久々にブログの編集画面を見たら、いままで見たこともないような画面になっていて
一瞬焦った。。

のぞいてくださる皆様すみません。
撮影が終わっても、時間があれば次の日の撮影の曲の勉強や打ち合わせをやりたくて
なかなかブログアップできない状態です。
きっと「ちぇっ、またアップしてないやっ」って思ってたでしょう・・・

今日は間に撮影を入れない日をおいて、また明日から続く撮影のための準備をしています。
やたらめったら撮影を入れて、準備不足でクオリティを下げるのはイヤなので、
睡眠時間を削ってでも(でもちゃんと眠らないと集中力に影響するのでこれまた加減が難しい)
曲の勉強をしています。

皮肉なもので、忙しくなるとブログネタはたくさんあるのですよ。
会社の車・ACT5号にETCやっとつけたし。。
ETCは会社設立当初につけようと思えばつけられたのだけれど、
初めはそんなに撮影もなかったし、高速道路使わないし、とりあえず後回しで、となって
自分達が儲けたお金でつけよう と決めていたら、この時期になってしまいました。
3月はかなりあっちこっちからお呼びがかかり、高速道路乗りまくりなので、
ETC大活躍です。
今、助成金が出てるので考えていた金額の半額くらいでつけられたし、とっても便利ですね。
・・・なんてネタやら、高校の吹奏楽ネタやら、弟が送ってくれた美味しいおかきネタやら
満載ですわ。あっはっはっ。

4月になればなったでTさん家は引越しするし、相変わらずバタバタと
でもとても楽しく過ごしています。

とりあえず今日はこのへんで。
ではまた。


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    ありがとうございました。
   
 

バーンスタイン 最後のメッセージ

2007年02月07日 20時21分55秒 | 撮影日記
今週末、シューマンの交響曲第2番の撮影があるのだが、この曲、
スコアを一通り見ただけでは、なんともとらえどころのないとても難しいもの。

いつもなら曲を聴くと頭の中に映像が浮かぶのだが、この曲に関しては
いろんなところにいろんなものがあって、ひとつの画におさめることがとても難しい。
どこをおさえて、どう組み立てて映像をつくるか、結構悩む。
譜面づらだけおさえていては手に負えず、かなり深いところまで掘り下げていき
自分の中できちんとしたこの曲に対する考察を持っていないと
うすっぺらな映像になってしまいそう。

う~む。。と考えていたらマネージャーTさんが、知り合いのGAOさんのブログから

バーンスタイン 最後のメッセージ

というDVDの存在を探してきた。

PMFのドキュメンタリー映像で、シューマンの2番を取り上げている。

『撮影前に絶対に観ておきたい!』とTさんも絶賛し、早速ご購入。

朝のうちにリハーサル部分だけ観たのであるが、もう。。すごい。。バーンスタイン。。

まさに命を懸けたメッセージ。

この3ヶ月半後に亡くなってしまうなんて。


シューマン、どう撮ろう。。なんていうのはふっとんで、音楽そのもの、いや、
人間そのものの偉大さを感じてしまう。

これからじっくりと本番部分を観ます。
感想は上手く書けないかも・・・。


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    ありがとうございました。
   
 

なつかしいオケとの再会。

2007年01月22日 22時58分02秒 | 撮影日記
先日、僕の出身大学オーケストラの撮影にいってきた。

ここのオケの内情はよ~くわかっているつもりなので、撮影に呼ばれるなんて
正直なところ夢にも思っていなかった。
お問い合わせがきたときは、ひっくりかえるほど驚いた 

年代は違えど、僕が目指しているもの、やりたいと思っているものに共感を覚えてくれる
後輩がいてくれたことが、とてもうれしかった。


数年振りに実際の演奏を聴いたが、笑っちゃうくらい僕たちのころと音が同じ。。
大学オケは一年で人が入れ替わり、その代ごとで微妙に特徴があるにせよ
土台はまるで変わらない。
これがまさしく伝統というやつ。(いい意味でも悪い意味でも)
同じことを同じように伝えているんだろうなぁ・・・というのが
手に取るようにわかる。

その場にいてあらためて、“僕はここで育ったんだなぁ”としみじみ思った。
なにより、ものすごく居心地がいい。
昔の自分の家に帰ってきたみたいなのだ。
学生たちも本当に礼儀正しく、きちんとしつけられていて、全体集合や練習をみていても
『そうそう・・・』と頷いてしまうことばかり。

リハーサルの最初に指揮者が指揮台に上ると、皆立ち上がって挨拶するのだが、
客席にいる降り番の子たちも、全員立ち上がって頭を下げる。
実は仕事をしている今でも、僕はずっとこの習慣はぬけることがなくて、
リハ始まりで指揮者が登場して団員の皆さんが挨拶する時には、
客席でセッティングの途中でも、必ず立ち上がり頭を下げて
『よろしくお願いします』とつぶやく。
リハ終わりも同じ。


まるで面識がない後輩たちにも、会った瞬間共通のものを感じるから不思議だ。
おそらくオケを続けるにあたって、同じ疑問を持ち、同じように悩み苦しみ
それでもやめることなく続けている。
皆それぞれ、なにかに悩み苦しんでいる。
時代が変わっても、大きくかわることはない。
組織が巨大になればなるだけ、悩みも大きい。

でも、学生オケを卒団してからの音楽人生のほうが、ずっと長いし
ある意味本当にやりたい音楽を追求することができるのだ。

僕は今頃になってやっとわかったのだけれどね・・・。



とてもきちんとしているオケに、ウチの『自由人』マネージャーTさんは、
本当に窮屈だったようだ 
僕はとても楽しかったのだけれど。。 
『本当にここで弾いてたんですかっ』などと、
さも僕がきちんとしていないかのように聞いてきた。(し、失礼なっ )

『あの、○や○さん(僕の大学オケの同期の男。現在、社会人アマオケでバリバリ弾いている)
も、いたなんて信じられない』 (○や○、すまない。。) 
あのねぇ。。まったく・・・。
でも、振り返ると僕たちの代は濃かったねぇ。 

いやあ、僕もずいぶん柔らかくなったものだ。。
などと思いつつ、何事もきちんとすべきところはきちんとしなくちゃね、と
また、思いも新たにしたのでした。


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    ありがとうございました。
   

『新潟撮影日記』 ~番外編~

2006年12月30日 18時46分51秒 | 撮影日記

新潟“りゅーとぴあ”での撮影の翌日・・・。

 

ずっと雨が降る中、

お土産を買うため、一路新潟駅へ。

 

ローカル線をみていると、旅情がかきたてられますなぁ。。

 

駅ビルの中をウロウロし、お土産を買い、ふと横を見ると・・・

 

 

 

 

 

おお なんだこれは

忠犬タマ公

 

なんでも、なだれに遭難した飼い主を2度にわたり助けたらしい。

 

その忠犬ぶりは、

『タマ公物語』という歌になり、

 

         ・・・そしてさらに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    『タマ公讃歌』

 

うお~、どんな曲なんだろう・・・。。

できれば譜面もボードにしておいてもらいたかった。

この歌詞を読んでみると、新潟駅とハチ公の渋谷駅は姉妹駅とある。

はじめて知ったぁ~

 

新潟の人は、子供の時からタマ公の話を聞いて大きくなるのだろうか。。

それにしても、犬が命をかけて飼い主を助ける、というのはなかなかできることじゃない。

う~む。忠犬タマ公、おそるべし。

 

今度新潟に来るときは、みんなの集合場所は決まった

       タマ公前だっ

 

 

 

 

すべて無事終了し、帰路へ・・・。

 

新潟への撮影旅行はたいへんだったけれど、雪が降ることもなく

とても暖かく、終わってみれば楽しい思い出になりました。

 

また、どこか遠出の撮影ないかなぁ。。

 

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今年一年、ここに遊びにきてくださり、ありがとうございました。
来年もさらに楽しく、面白い内容にしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

                    それでは、良いお年を・・・