クラシックの日々~“第5幕”物語

クラシック音楽専門ビデオ撮影会社≪スタジオACT5≫で繰り広げられる日々のお話。

3月からの思い出

2014年06月12日 22時45分36秒 | 撮影日記

やっと少し落ち着いたので、3月からの日々を書き留めておこうかと思います。

 

3月頭に自分の所属するオケの定演が終わり

 

それからは、中学高校吹奏楽部定期演奏会の撮影ラッシュ。

今年は毎年伺う常連のお客様に加え、新たな学校からも多数ご依頼いただき

それのどれもとてもすがすがしく気持ちいい演奏会で、本当に充実した撮影ができました。

 

さわやかで楽しい演奏会や

 

男子高の素朴で実直な演奏会

最後に応援団が登場し全員での校歌斉唱では、同じような伝統校出身の僕は

号泣しながらの撮影でした

 

本番だけでなく、当日のあらゆる風景を収録し

 

 

みんなの思い出に残る少しでもいい製品にしたい、とスタッフ一同毎日を過ごしました。

一連の撮影が終わってから、“あ~撮影終わっちゃったなぁ・・・”と、

本当に寂しくなったのを鮮明に覚えています。

 

4月5月と撮影に加え、3月に撮影したこれらの編集、

さらに所属するオケの練習や室内楽団の合宿&本番、

6月頭にオケの室内楽演奏会本番が終わり、

やっと今はいつも通りの忙しさに戻ったかなぁ、という感じになりました。

オケがなければもっと楽になるんだろうなぁ、とは思うものの、練習に行ったら全身の神経が騒ぎ出すし、

もう音楽やめられないなぁ、と感じながら会社に帰ってまた仕事をするし、

音楽にかかわることはどれもこれも全身全霊でやるぞ、という気持ちになる。

そうせざるを得ない、なにかに動かされている気がするし、

逆に、それで力を与えてもらっているようなそんな毎日です。

もっともっといいものを作りたいし、いい演奏、いい音楽をやりたい!!

 


ある雪の日に・その2

2014年02月16日 00時32分15秒 | 想い・オーケストラ

またまた週末の雪ですが、幸いにも?撮影がなく、事務所仕事の合間に

オペラシティに公演間近の足立オケのチラシ挟み込みに行ってきました。

普段だったら車で行くところ、リュックでチラシ1,000部担いで行くことに。

20年ぶりくらいにリュックを背負った~

こんな日は絶対に事務所に引きこもっていたのだろうけれど、結構いい運動にもなって気持ちよかった。


 

どこのコンサートホールも舞台裏や客席はお馴染みなのだけれど、

ホワイエはなかなかゆっくり行く機会がなくて

早く着いたのでウロウロしていたら、ホワイエにこんなレリーフを見つけた。

できれば、鯨のような優雅で頑健な肉体を持ち、

           西も東もない海を泳ぎたい。  武満徹

この言葉が武満さんらしくて、十代の頃夢中で本を読んだり曲を聴いていた時の感じが

身体の中によみがえってきた。

やっぱり外に出るってのはいいもんだなぁ、などと変に気持ちが高ぶった本日でした。

 

ということで、挟み込んだチラシはこちら

足立シティオーケストラ 第51回定期演奏会 詳細はクリッック

  

2014年3月2日(日) 足立区ギャラクシティ 西新井文化ホール 14:00開演

どうぞよろしくお願いいたします!

 


ある雪の日の撮影

2014年02月10日 20時34分54秒 | 撮影日記

 

撮影の際にはほとんど雨に遭わず、たとえ台風がやってきていても、機材の運び出しの時には雨があがる“超晴れ男の僕なのですが、

撮影の土日に雪の日が重なるというめったにないことで、

演奏会関係者の皆さんはさぞや大変だったのではないかとお察しします。

 

週の初めから週末は雪、という予報が出ていた時は、まだ、そんな大層なことにはならないだろう、

と思っていたものの

前日には“都心で20年ぶりの大雪”とか、本当に大変なことになりそうな感じになり、

スタッドレスタイヤは入手できず、最新の一番人気のタイヤチェーンを準備し、土曜日を迎えたのでした。

 

 

土曜日は夜公演で昼入りにもかかわらず、早朝にはパラパラと雪が舞っていて、

雪慣れしているT村さんの

雪が本格的に降ってくる前にホール入りしたほうがいいですよっ 

という有難いお言葉に従い、長靴、軍手、箒という小道具まで装備し、

入館予定2時間以上前に無事にホール到着。

そこから雪も積もってくるような状況になり、箒で車に積もった雪を掃ったり、

帰りの時のために搬入口でチェーンを巻いたりして

それでも、お気楽な僕は“そんなに大層なことにはならないだろう”などと思っていたら

 

開演前には、それはそれは大層なことになっていて、泣きそうになったのでした・・・

 

 

この日の演奏会は、首都圏の大学4年生が集まって編成されているオーケストラで、

卒業を前に皆で一度きりの演奏をやろう! という

大学オケで熱い日々を送った僕にとってはそれはそれは“胸熱な”企画で、

ウチで撮影させてもらっている学生さんからぜひにと依頼され、

そりゃもう熱い青春の1ページをばっちり収めてさしあげますよ、と

臨んだものでした。

        

ウチで撮影させてもらっている大学オケが何団体も参加しているので、よく見知った顔があちこちにあって

他人事ではなく、いつにも増して気合が入ったのでした。

若々しく純粋ないい音楽だったと思います。

        

 

 

さて、撤収も終了し、車を出発させたら、いやいやこれは大変だぞ、という状況。

22時過ぎで車がほとんど走っていなくて、チェーンを巻いているもののすべりそうで、

僕が泣きそうに超低速運転をしているのを見かねたT村さんが、

勇んでハンドルを握ってくれたのでした。

「ぶつけても文句言わないでくださいねっ」というT村さんだったが、

さすが雪慣れしているだけあって、雪道の運転が実に上手い

しかしながら、この状態で事務所まで帰って明日朝ホールまで行くのは、

無事に時間に間に合って到着できるか不安があり、

このまま翌日のホールまで直行することにした。

前日に

「ひょっとしたら撮影に出てそのまま事務所に帰れなくなることがあるから、2日分の撮影の準備をしていったほうがいいですよ

というT村さんの言葉に

「・・・そんなひどい状態にはならないだろうよ。。」などと本気で考えていなかった僕ではあったものの、

その言葉に従い、翌日にも対応できる準備をして出発していて、

車がほとんど走っていない雪明りに照らされた道を実にスムーズに運転しているT村さんを

この日ほど頼もしく感じたことはなかったのでした。。

 

やはり僕は雪に弱い

 

 

夜遅くに無事ホールに到着し、ホール地下の一般駐車場に車を停め、

準備していた長靴を履いて、すぐ近くの24時間営業の定食屋に行って食事をし

かわいい機材たちを車に残して行くわけにはいかないので、

コンビニでカイロや温かい飲み物を買い込み、

始発でT村さんを一旦家に帰して僕はそのまま車で寝ていて、

日曜日の撮影も無事に迎えることができたのでした。

電車で帰った撮影スタッフも大変だったみたいだけれど、当日も無事全員集合。

 

この日の演奏も実に素晴らしいもので、元々とても上手いオーケストラなのだけれど

いつにも増して団員の皆さんの集中力と熱気が素晴らしく、

これほどの演奏はなかなか聴ける機会はないんじゃないの、というくらい

撮影していてもうなってしまうくらいのものだった。

舞台袖でスイッチングしていてもその演奏の素晴らしさが伝わってきて、

客席で体感したかったなぁ、と思ったものでした。

 

 

特異な状況下ではあったものの、いつも通りつつがなく撮影を終えることができてほっとしていると同時に、

この仕事はいいもんだなぁ、とまたしみじみ感じることもあったりして

また頑張ろう、と気持ちを新たに持った2日間でした。

 


愛すべき巨匠

2013年06月30日 19時35分55秒 | 撮影日記

先日の、まさに“生きる伝説”の撮影。

いま編集中なのだが、あまりにも演奏やその場の雰囲気が素晴らしいので、

映像からちょっと画像を抜き出して、少しでもこの悦びを皆様と分かち合えればと思います。

とにかく、どこを撮っても画になる。

 

【小品集】は、とてもなごやかで

おしゃべりしながら

乗りのある曲は、立ち上がって弾いたり

いまの時代、なかなか聴けないまさに巨匠の演奏!

とてもチャーミングで自由気ままで、

本当に愛すべき巨匠だった。

僕は、舞台袖でスイッチングをしていたので、客席内では実際の演奏は聴くことができなかったのだけれど

脈々と流れるクラシックの真髄に触れられたような気がして、映像に残せて本当によかったと思っている。

 

 


今日の撮影

2013年06月10日 02時51分01秒 | 撮影日記

毎日毎日、仕事とオケ活動で忙しくて、なかなかブログを書けないのだけれど、

今日はちょっとまた格別な思いだったので、書き留めておこうと思う。

 

今日の撮影は、初めて依頼をいただいたオーケストラ。

なんでも創立40周年を迎えての第40回定期演奏会という特別な演奏会で、

記念に映像を残したいということで弊社をお選びいただいた。

非常に光栄なことである。

ということで、山梨まで行ってきた。

        

 指揮は北原幸男先生、コンサートマスターにN響の永峰高志先生をお迎えしての

「未完成」&「英雄の生涯」。(ちなみに「英雄の生涯」の作品番号も40)

 

ホールもオケも初めて行くところというのは、少々不安もあるのだけれど、

永峰先生がコンマスをされたN響の“凄腕”チェンバーオケを何度か撮影させていただいたこともあり

今回「英雄の生涯」のソロも非常に楽しみで、気持ち的にはワクワクのほうが強かった。

渋滞して遅れてはまずいので早目に出発したら、予定時間よりも1時間早く着いて、

他の撮影スタッフが来る前にホール舞台スタッフさんやオケの担当者様ともお話しができ、

余裕を持って、セッティングを終わらせることができた。

         

北原先生と永峰先生へのインタヴューも収録してほしいとご要望があり、

撮影させていただいた。

北原先生はN響の指揮研究員をされているときからお名前は知っていたけれど

今回初めてお会いできて、あんなに気さくな方とは意外だった。

永峰先生にもご挨拶でき、お二人の先生方の雰囲気やオケの空気感から

こりゃすごくいい撮影ができるな、と感じた。

いいものが撮れるときっていうのは、自分のコンディションや曲の勉強具合云々を越えて

その場の空気感がものすごく影響する。

先生方お二人ともおっしゃっていたことなのだが、このオケは運営がすごくきちんとしているらしい。

それは、たしかに随所に感じ取れた。

僕たちのような裏方の撮影業者にも皆さん非常に温かく迎えてくださって、

とても気持ち良く仕事をさせていただくことができた。

 

本番の演奏は、実に懐が深く、ギスギスしていない、やわらかな、本当にいい演奏会だった。

東京のアマオケではなかなか聴けない、ここならではの穏やかさ、音楽の大きさがあって、

心に染み入るような感銘を受けた。

やっぱりその土地の風土とオケは相通じるのだなぁ、とあらためて思った。

当然のごとく、撮影はいいものが残せたと思う。

ウチのスタッフは、皆演奏している連中だからだろうけれど、いい演奏の時は格別に画が違う。

完全に音楽に映像が乗っていて、縦横無尽に動く3台の有人カメラと、舞台上のリモートカメラで

撮っている最中に思わず「かっこいい・・・」とか「素晴らしい・・・」とかつぶやいちゃって

久しぶりに撮っている映像を観て、泣いた

 

というわけで、久々に超ご機嫌で山梨から帰ってきたのでした。