撮影の際にはほとんど雨に遭わず、たとえ台風がやってきていても、機材の運び出しの時には雨があがる“超晴れ男
”の僕なのですが、
撮影の土日に雪の日が重なるというめったにないことで、
演奏会関係者の皆さんはさぞや大変だったのではないかとお察しします。
週の初めから週末は雪、という予報が出ていた時は、まだ、そんな大層なことにはならないだろう、
と思っていたものの
前日には“都心で20年ぶりの大雪”とか、本当に大変なことになりそうな感じになり、
スタッドレスタイヤは入手できず、最新の一番人気のタイヤチェーンを準備し、土曜日を迎えたのでした。









土曜日は夜公演で昼入りにもかかわらず、早朝にはパラパラと雪が舞っていて、
雪慣れしているT村さんの
雪が本格的に降ってくる前にホール入りしたほうがいいですよっ
という有難いお言葉に従い、長靴、軍手、箒という小道具まで装備し、
入館予定2時間以上前に無事にホール到着。
そこから雪も積もってくるような状況になり、箒で車に積もった雪を掃ったり、
帰りの時のために搬入口でチェーンを巻いたりして
それでも、お気楽な僕は“そんなに大層なことにはならないだろう”などと思っていたら

開演前には、それはそれは大層なことになっていて、泣きそうになったのでした・・・











この日の演奏会は、首都圏の大学4年生が集まって編成されているオーケストラで、
卒業を前に皆で一度きりの演奏をやろう! という
大学オケで熱い日々を送った僕にとってはそれはそれは“胸熱な”企画で、
ウチで撮影させてもらっている学生さんからぜひにと依頼され、
そりゃもう熱い青春の1ページをばっちり収めてさしあげますよ
、と
臨んだものでした。

ウチで撮影させてもらっている大学オケが何団体も参加しているので、よく見知った顔があちこちにあって
他人事ではなく、いつにも増して気合が入ったのでした。
若々しく純粋ないい音楽だったと思います。











さて、撤収も終了し、車を出発させたら、いやいやこれは大変だぞ、という状況。
22時過ぎで車がほとんど走っていなくて、チェーンを巻いているもののすべりそうで、
僕が泣きそうに超低速運転をしているのを見かねたT村さんが、
勇んでハンドルを握ってくれたのでした。
「ぶつけても文句言わないでくださいねっ
」というT村さんだったが、
さすが雪慣れしているだけあって、雪道の運転が実に上手い
しかしながら、この状態で事務所まで帰って明日朝ホールまで行くのは、
無事に時間に間に合って到着できるか不安があり、
このまま翌日のホールまで直行することにした。
前日に
「ひょっとしたら撮影に出てそのまま事務所に帰れなくなることがあるから、2日分の撮影の準備をしていったほうがいいですよ
」
というT村さんの言葉に
「・・・そんなひどい状態にはならないだろうよ。。
」などと本気で考えていなかった僕ではあったものの、
その言葉に従い、翌日にも対応できる準備をして出発していて、
車がほとんど走っていない雪明りに照らされた道を実にスムーズに運転しているT村さんを
この日ほど頼もしく感じたことはなかったのでした。。
やはり僕は雪に弱い









夜遅くに無事ホールに到着し、ホール地下の一般駐車場に車を停め、
準備していた長靴を履いて、すぐ近くの24時間営業の定食屋に行って食事をし
かわいい機材たちを車に残して行くわけにはいかないので、
コンビニでカイロや温かい飲み物を買い込み、
始発でT村さんを一旦家に帰して僕はそのまま車で寝ていて、
日曜日の撮影も無事に迎えることができたのでした。
電車で帰った撮影スタッフも大変だったみたいだけれど、当日も無事全員集合。

この日の演奏も実に素晴らしいもので、元々とても上手いオーケストラなのだけれど
いつにも増して団員の皆さんの集中力と熱気が素晴らしく、
これほどの演奏はなかなか聴ける機会はないんじゃないの、というくらい
撮影していてもうなってしまうくらいのものだった。
舞台袖でスイッチングしていてもその演奏の素晴らしさが伝わってきて、
客席で体感したかったなぁ、と思ったものでした。











特異な状況下ではあったものの、いつも通りつつがなく撮影を終えることができてほっとしていると同時に、
この仕事はいいもんだなぁ、とまたしみじみ感じることもあったりして
また頑張ろう、と気持ちを新たに持った2日間でした。