クラシックの日々~“第5幕”物語

クラシック音楽専門ビデオ撮影会社≪スタジオACT5≫で繰り広げられる日々のお話。

再出発。

2006年07月31日 15時49分27秒 | 撮影日記
7月の撮影月間も終わりました・・・。
撮影のことだけに集中することができたここ数日の時間を思い返すと、
様々なことが頭をよぎります。
撮影に関しては反省することばかりです。
やればやるほど新たな課題があらわれてきます。
撮影スタッフ全員の想いが同じ方向を向いていなければ、いい撮影はできないことを
身にしみて感じました。

ここのところ自分にとって想定外のことが続き、ご迷惑をおかけした方々に
心がひきさかれるような想いでいるところです。
いまいちど原点にたちかえり、新たに出発することができれば、と思っています。

『いいものをつくりたい』と僕に向かってきてくれる撮影スタッフが
ひとりひとり増えていってくれていることが、なによりの救いです。
僕の足りないところを補ってくれる事務所スタッフも、支えてくれています。


前に一歩踏み出さなければいけません。



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マーラー再び。

2006年07月26日 23時51分14秒 | 撮影日記
マーラーシリーズ第2弾がどんどんと近づいてきました。
先日の1番に続き、今度は7番です!

今日、一緒に撮影をする信頼すべき撮影スタッフM君と打ち合わせをした。
彼は打楽器奏者で、以前自分が所属しているオケで7番を演奏している。
雲をつかむような思いのするマラ7に、『この曲のどこがいいの??』と尋ねると
『いや~、7番はマーラーの中でいちばんマーラーらしい曲ですよ!』
と眼鏡の奥の瞳を輝かせ答えるM君。

『9番とかは手直しする時間があまりないまま亡くなっちゃったから、
あの曲はまだまだちょっと中身がうすいんですよね』

へえ~、なるほど・・・。そうなのかぁ。。

今度、アバド・ルツェルン祝祭管弦楽団のマラ6を聴きに行くらしい。
チケットとれたんですよ~ と瞳を輝かせうれしそうに語っていた。



僕は高校時代、マーラーと太宰は聴いたり読んだりしたら生きるのがイヤになって
死にたくなるのではないか、と思いずっと敬して遠ざけてきたし、
大学時代は『マーラーはオケをこわす』と御大がのたまい、一切近づかなかったので、
近年あらゆるアマオケでマーラーをやるのをみて、
よくあんな難しい曲をやれるよなぁ、と感心している。




さて、スコアラーのTさんも交え、スコアとCDで撮影箇所をチェックしていく。


 ここだけグロッケンふたりでたたきます。  

        ほおおお!



 ここのカウベルは舞台裏ですけど、こっちはステージ上で鳴らしてます。 
 
        ほおおおお!!



この「ぱたぱたぱたぱた」っていってるのはなんていう楽器?
 『ルーテ』といって木の棒でバスドラのふちをたたいてるんですよっ。 

        ほおおおおお!!!



 この曲はあんまりないですけど、ここでベルアップしてますね。
 ここでコルレーニョ。

  ・・・・・・・



講師M君のおかげで、靄がかかっていた曲がずいぶんと浮かび上がってきた。
あとはバランスと割り振りを考えて創り上げてゆく作業になる。


残された数日を全力で駆け抜けます!
   


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マエストロのオーラ。

2006年07月24日 21時21分56秒 | 撮影日記
マネージャーTさん出演(カッコー)Eフィル演奏会が終わりました・・・。

Tさん宅では、演奏会を見に来た子供たちが
ぐおおおおおお!
と叫びながら、髪を振り乱し指揮をするのが大流行らしいです 

おそらくE区周辺のお子様のいらっしゃるご家庭では、同様の
コバケン症候群が蔓延しているものと思われます。




今回は僕自身、本当にものすごく勉強になりました。
前日GP、当日のリハ、本番とその場に立ち合わせていただけて
本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
神経の研ぎ澄ませ方、音楽に対する姿勢。
あらゆることが、『そうそう、そうなんだ』と心にしみいりました。
自分自身の反省すべき点やいたらない点が、それによってみえてきて
まだまだやらなければならないことは山のようにある、と痛感しました。
それと同時に、僕の音楽と向きあう方向性のとてもよい指針となりました。

今までたくさんの指揮者で僕自身演奏もしてきたし、
この仕事を始めてからも多くのリハーサルをみてきたけれど、
本当にいい指揮者というのは、多くの人の心の中のものをわきあがらせ、
みえないものを敏感に感じさせてくれるのだ、とあらためてわかりました。
ウィーンフィルの演奏会でいつも感じる、音楽に対するものすごく繊細な、
大事にいつくしむ気持ちと同じ想いを、マエストロの指揮や言葉に感じました。

できることなら、しばらく仕事をほっぽっちゃってマエストロにくっついて歩きたいくらいです。
(やべっ、Tさんがまたオニになる・・・『会社どうするんですかっ!』)


今回、撮影させていただけて、あらゆる方々に感謝しています。
製品で少しでもお礼とさせていただくことになれば幸いです。



このあと、またまたマーラーの難曲がひかえています。
少しでもいいものができれば、と思っています。



皆さんのクリックのおかげで、また書く気力がわいてきました! 
ありがとうございます。

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コバケンGP。

2006年07月23日 10時37分16秒 | 撮影日記
昨日は、EフィルコバケンGPに行ってきました。
本番前日にホールでGPができるオケなので、時間をかけてセッティングもできました。
オケの皆さんのご協力で、ステージ上のコバケンカメラもいい位置に設置でき、
益々やる気がわいてきました。

リハは、ものすごく楽しかった。
マーラーの書きたかった物語やお話しを、言葉のようにスコアから読み取り、
それを音楽に表現しようとしているマエストロ。
必死でくらいついて音にしよう、表現しようとするオーケストラ。

マーラー4時間の練習はあっという間に過ぎていきました。
スコアの読み込み方とか、とても勉強になりました。
音楽ってこんなにおもしろいのか、とあらためて感じました。
昨日のリハをみていて、本当に音楽をやりたくなった。。

これだから音楽はやめられない。


これから本番に行ってきます!
ものすごい演奏会になりそうです。
集中して音楽が求めている映像を残したいと思います。

いってきます。




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さぁ、やるぞ!!

2006年07月20日 21時59分44秒 | 撮影日記
ここのところナカナカ文章を書ける状態ではなく、ずいぶんブログをおこたってしまいました。。

今日でなんとか撮影に関する気になっていた事柄もひと段落し、
落ち着いて仕事に励めます! 



昨日は雨の中、月末に撮影するホールへ、カメラ位置の下見に行ってきました。
初めて撮影するホールで、加えてセッティングに時間もない状況になるので、
特別に見学に伺いました。
ずっと事務所にこもって、頭を悩ませたり考えこんだりしていて、
外に出て、電車に乗って、そのホールに行くまで、いろんなことが気になって
胃が重い状態だったのだけれど
いざ、ホールに入って、ホールのスタッフの方と話をしたり、客席や舞台上をウロウロして
どこから撮るのがいいかなぁ・・・と考えていたら、すっかりご機嫌になりました。
なんのプレッシャーもなくステージに立てることはまずないので、
こんなに気楽にホールに行けて、少し気分もかわりました。


7月末まで気が抜けない日々が続きますが、
出来ることを懸命にやっていくことしか僕の進む道はありません。
あらためて気を引き締め仕事をしてゆく所存でございます。




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「海」と「ヴァイオリン」の思い出。

2006年07月15日 22時51分47秒 | 想い・オーケストラ
なにかすごい雷があったらしく、これで梅雨明けかなぁと思われる今日この頃。
外に出ると、いつの間にかとてつもなく暑い気候になっているので、ちょっとびっくりしています。

「夏」といえば「海」ですが、「海」と「ヴァイオリン」にまつわる思い出をひとつ書いておきます。

注意:良い子のヴァイオリン弾きの皆様は、決してマネをしないように!







あれは、大学1年の夏のこと・・・。


土曜日、オケの練習が終わって、いつも一緒に帰っている仲間のひとりが、突然

「・・・夜明けの海がみたい。。」

と言い出した。


僕たちは一瞬驚いたものの、これはおもしろい!と話にのった。

言いだしっぺの友人Tは車を持っていたので、まず一旦彼のマンションに行き、
しばらく時間をつぶすことに。
夜中12時ころ、じゃあ、そろそろ行こうか、と総勢5人車に乗り込んだ。
かばんは部屋に置いてきたが、さすがヴァイオリン弾き、楽器だけは手に手に持って車に乗った。

どこに行く?
「海」といえばやっぱ「湘南」だろう!!

ということで、いざ江ノ島方面へ!

かなり遠いだろうと思っていたのだが、3時には着いてしまった。
みんな一睡もしていなかったので、とりあえず仮眠・・・







少しあたりが明るくなる頃、みんな車から出た。





目の前に広がる海・・・


波の音・・・


潮の香り・・・


そこに太陽がのぼる・・・







その時、みんな同じ事を思った














よおし! 海にむかってヴァイオリンを弾くぞ!!ザッブ~ン







Tをはじめ3人は、3歳くらいからヴァイオリンを習っている凄腕の連中。


それでもその時僕たち1年生に渡されていた楽譜は『大学校歌』1曲。
僕たち全員がそろって弾ける曲『校歌』を、5人砂浜に並んで
のぼりゆく太陽に向かい、大海原へとヴァイオリンを高々と弾きまくったのだった。





ふたたび注意!!
潮風にあたると楽器は傷みます。良い子のみんなは絶対にマネをしないように!!









このときの5人のうち自宅から通うひとりをのぞき、僕やTを含む4人は
それからおよそ1年後、同じ沿線の隣り合う駅にそれぞれ部屋を借りた。

4年生の最後の練習日まで、僕たち4人はオケの練習後一緒に帰り、
同じレストランで遅い晩御飯を食べ、そのお店が閉店時間になるまで、
音楽やオケのことやいろんな話をした。





「海」をみると思い出す、あのときのみんなの笑い声とヴァイオリンの音・・・。





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『コバケン・モード』です。

2006年07月13日 23時08分14秒 | 撮影日記
敏腕マネージャー(おに) Tさんの内部情報により、
「マーラー・コバケンヴァージョン」が徐々に明らかに。



「ここは、ヴァイオリンの皆さん、5度前傾します!」

おお!!



「立つのはここではなく、こっちです!」

おおお!!




「紅茶花伝じゃないとダメみたいです!」

おおおお!!! 午後ティーじゃダメなんだぁ~~!






ホルンの旋律がクラへとうつる箇所で、
「ここはクラ1番」とスコアにチェックしていたら、
「ここはワタシ映さないでぇ」などとザレゴトを言い出す始末。
6小節後は絶対クラ1番なので、じゃあ、わかったよ、しょうがないなぁ、とのやりとりもあり
「バスクラ、ここくらいしか出番がないので、ここは映してあげて!」という
クラ吹きならではの指摘あり、団員かエキストラかでどっちを映すか、等
スコア上ではわからない、オケ事情にそった細かなスコアチェック作業をしていった。



4楽章、スモークの中から金管を先頭にオケ全体があらわれてくる映像が思い浮かび
きっとマエストロ・コバケンはこんな表情で振るだろうなぁ、などと考えながら
画を頭の中でつくっていくとニコニコうれしくなってくる。

今回、『コバケン・カメラ』は別撮りするので、あとでそれだけ観るのがむちゃくちゃ楽しみです。

きっと、オケの皆さんも熱気あふれる演奏になるのではないかと、
実はマーラーあまり好きではなかった僕ですが、だんだん楽しみになってきました。

演奏が終わったあとの「ブラボー!」の大喝采が聴こえてきます。
僕も魂は熱く、頭はクールに音楽に没入し撮影していきます。



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涼しさを皆様にご紹介。

2006年07月12日 21時32分38秒 | Weblog
暑い日が続き、しかも月末までま~ら~の日々で
“喜び半分、胃が痛い半分”の日々を過ごしております。

そんな中、涼しげなブログを皆様にご紹介。
最近、懇意にしていただいている『うつわ屋』さんのブログです。

読んでいるととても気持ちが落ち着き、世紀末『ま~ら~』にも
よしっ!と気合いも新たに立ち向かえます。
『うつわ』の世界は、クラシック好きの方々にも通じるところがあるのではないかと感じます。
いろいろと書き込みたいのですが、ここは皆様見て感じてくださったほうがよろしいかと・・・。



では、鬼マネージャーTさんをうならせるべく、また『ま~ら~』に戻ります。
では。




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『マーラー・モード』です。

2006年07月11日 20時35分59秒 | 撮影日記
今度、事務所のTさんが出演する演奏会の撮影がある。

指揮は、あの・・・



炎のコバケン!!




先週の練習では、団員の皆さんがかなり気合いが入ってきた様子で
なかなか『マーラー・モード』にならない僕に、ついにTさんは・・・

「やる気あるんですかっ!!」




音楽に関して『やる気あるのか』と言われたのは、生まれて初めてだったので、
ちょっとショック 



そのあとも撮影で難曲が続くので、いま胃が痛いデス・・・



ということなので、ブログもそこそこに、これから勉強いたします!!




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映画を観て。

2006年07月10日 22時47分22秒 | Weblog
昨日は久しぶりにまる一日オフ。
ずっと行きたかった映画『ダ・ヴィンチ・コード』を観てきました!
(いまさらですが・・・




いや~、これほどとは思いもよらなかった。
想像以上のつまらなさ。。


この映画は原作を読んでいないとわけがわからないだろうし、
原作を読んできたらきたで、とてもつまらなく感じる、
ものすごくジレンマをはらんだものになってしまった。

「映画」とはどういうものなのか、「映画」の真髄とはなんなのか、いろいろと考えさせられた。


やっぱり時間的にうわっつらだけしか追えない、というのが最大の難点なのかなぁ。
『間(ま)』がないんだよなぁ。
原作であれだけ練って考えられていたものが、とても軽く扱われている。

ルーヴルでの謎解きは、追われている身での緊迫感がもっとあってもいいし、
謎解き自体にもっと『間』をつくってもいいのではなかったのか。

ソフィーを小学校で寄宿舎に入れていたら、ソニエールのソフィーに対する愛情は感じられないし、
育むこともできないし、そもそもあの映画では、ソニエールがどれだけソフィーに愛情を注いでいたかがまったく描ききれていない。


この原作は結局、映像化する意味がなかったのかなぁ。


それにしても、本編が始まる前のいろんな予告を観ていたら、やたら
どおおおおおん! どば~ん!!
CGで~す! という映画ばかりでうんざりした。


映画ってこういうものか?!


現実の世界で観れないものを表現するのが映画だとして、でも、そっちの方向じゃないだろう。

ふっと、足元が浮かび上がるような、観おわってやさしくなれるような、
立ち居振る舞いが上品になるような、そんな映画がもっとあってもいいんじゃないのかなぁ。

ほんの一瞬の画でも本物でないとそのシーン全体が生きてこない(『晩春』の壷のシーン)とか
なんだか、映画が本来持つ力がどんどん失われていることが悲しい。

ビジネスがからんでくると、芸術はどんどん衰退する。

人の心を豊かにするのは、『芸術』の力なのに・・・。
純粋に『芸術』を感じる感性だけは失いたくない。



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