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クラシックの日々~“第5幕”物語

クラシック音楽専門ビデオ撮影会社≪スタジオACT5≫で繰り広げられる日々のお話。

プロとアマチュア。

2006年09月11日 01時07分09秒 | 想い・オーケストラ
ここのところプロの音楽家の演奏を聴いていると、プロとアマチュアについて考えてしまう。
音楽にアマチュアもプロもない、とよくいわれるけれど、音楽の高みを目指すことに
まったくその区別はない。
しかしながら、あえて日本においていうと、音楽に対する真摯な姿勢は
アマチュアのほうが勝っているのではないか、と思わずにはいられない。

アマチュアで音楽を続けている多くの人たちにとって、音楽がライフワークとなっている。
音楽がそれぞれの人生や社会生活に、プラスの要素を加えている。
どうもプロには音楽の核となる輝ける要素を、音楽で表現されていないように感じるのだ。
それが、プロにはないアマチュアのよさである、といってしまえばそれまでだが、
聴衆の側としては、本当に音楽の本質をみて判断できる感覚をもって、
実際の演奏に接したいものだ。
受ける感覚は人それぞれなのだから、もっと素直に音楽に接することができたら、と思う。
いくらプロの演奏でも、よくなかったなぁ、と思えば、それはよくない演奏なのである。
自分で感動できる演奏であれば、大いに拍手をすればいいし、
つまらなかった、と思えば、拍手をする必要はない。
隣の人と違っていても、自分の感性で判断してよいのである。
聴衆も勉強し感性を育み、それが真の文化となる。

権威や名前は度外視して、音楽そのものに相対するべきだ。
そうしなければ、日本の音楽界はどんどん衰退するのではないかと懸念している。



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旧友来たる。しかも仕事の件で。。

2006年09月01日 21時46分12秒 | 想い・オーケストラ
今日、大学オケの同期で、共に血と汗と涙を流した仲間であるN君が
僕の事務所にやってきてくれた。
彼は現在某音楽事務所で、海外アーチストのマネジメントの仕事をしている。
音楽と映像でなにか一緒に面白いことができないか、と以前から考えていたらしい。

こうしてそれぞれ時を経て、一緒に仕事ができるなんて・・・。
これも音楽がつなげてくれた縁であろう。

話をしていると、本当にいいものを皆に紹介していきたい、という熱意が伝わってくる。
彼の音楽事務所で招聘してくる海外のアーチストは、日本では無名だが、
とても良質な音楽を聴かせてくれる。
アーチストと一緒に仕事を続けるについては、その人の人間性をとても重要視しているようだ。
超一流のアーチストというのは、人間性も本当にすばらしいという。
音楽はその人の人間性から生み出される、という根本的なことを思い出させてくれる。
音楽とともにある毎日で原点となる様々なことを、数時間の会話の中で振り返らせてもらえた。

N君も音楽を仕事にし、音楽とともに歩んでいる人生に幸福を感じている様子が
ひしひしと伝わってきて、僕自身もこの仕事の道を歩き続けている幸福感を
再認識することができた。

学生のころと変わらぬ、いやそれ以上の情熱をもって、いかに音楽が人々に大切なものかを
語り合う時間は、実に楽しいものであった。



~ここでお知らせ。。

10月8日(日)サントリーホールにて、知る人ぞ知る
オスモ・ヴァンスカ:指揮 フィンランド・ラハティ交響楽団の演奏会があります。
N君の事務所が招聘しているのだけれど、ぜひ一度聴いてみたいなぁ、と思っていたオーケストラ。
きっとア○ノラの人たちは皆さん行かれるんだろうな。。

抽選でプレゼント! ・・・はできませんが、チケットはまだ手に入るそうですよ。
お問い合わせは
日本交響楽協会 03-5721-4621
まで。
         (土・日・祝日を除く10:00~18:00)

10月4日(水)すみだトリフォニーホールもあります。

サントリーは僕も行こうと思っています。

北欧のシンとした空気。。
美しい森と湖。。
あらゆる感覚を研ぎ澄ませてくれる演奏を、今から楽しみにしています。



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音楽と仕事。

2006年08月17日 18時33分31秒 | 想い・オーケストラ
今日明日とマネージャーTさんが娘さん(9歳)のヴァイオリン合宿の付き添いのため、いない。
まさにオニの居ぬ間の洗濯 

ということでSさんと男ふたり好き勝手にできるぞ と思ったが、
そこはマジメな男ふたり、いつも以上に仕事がはかどった。。ふふふ

ネットやブログばかり見てないで、編集ちゃんとやってくださいねっ 
と釘をさされていたが、どんなもんだい

       うれしくていつもより絵文字多用・・・。




今日は、先日のTさん出演Eフィルの仕上げ編集をやっていたが、
コバケンの指揮振りといい、オケの気合いといい、
この間見に行った某プロオケの演奏とは『引き込まれ度』が全然違う。
あえていわせていただくが、マエストロも絶対こっちのほうが集中してるし力が入っているし、
気迫が格段に違うようにみえる。
そういえば打ち上げで、エキストラでのっていた某プロオケの団員の方が、コバケンに
『いつもこんなふうに指揮してください!』と言って皆を笑わせていた。

昨日Tさんがオケの映像と右下に小さく指揮の映像を重ねた画像(ピクチャー・イン・ピクチャー)
を観ていたのだが、涙をポロポロ流しながら見入ってしまっていた。
これは僕の映像が感動させたのではなく、明らかにオケの演奏とマエストロの指揮の気迫に
よるものである。
こんな演奏を経験できたことは、オーケストラ・プレーヤーとして最高の幸せだろう。
どんな世界の超一流のホールで演奏しようと、ここまでの感動はなかなか味わえるものではない。
僕自身、アマチュアでは世界で最も恵まれた環境にあるオケのひとつであろう団体で
演奏していたが、自分が感動できる演奏会なんてまずなかった。

ウィーン・フィルを聴きにいくと、『他のオケはいらないんじゃないか』といつも思うのだが、
アマオケでここまでしびれる演奏をやってしまうと、プロオケの存在意義って・・・
と思わずにはいられない。
仕事になってしまうといわゆる『ルーティン・ワーク』になってしまって、
ひとつひとつの音楽に対する思い入れよりも、音符を再現することのみに終始してしまって
本当に伝えなければならないことがおざなりになってしまうのだろうなぁと
傍からみると感じてしまう。
オケを運営していくためには演奏会を沢山やらなければならないし、
致し方ないのはよくわかるのであるが。
でも、そういうことを続けていくと本当に聴いて欲しい聴衆は離れていくと思う。
僕がヨーロッパで演奏して一番感じたことは、聴衆のクオリティの高さである。
日本では、あまり良くなかったな、という演奏でも「ブラボー!」と大きな拍手がくるが
ヨーロッパのお客さまは、演奏がつまらないとさっさと帰ってしまうし、
おざなりの拍手はしない。
これは僕はものすごくうれしかった。
やっとちゃんとわかってくれる人たちと出会った、という喜びにあふれた。
ここでこのお客さまたちを満足させる演奏をしよう! と、あらためて決意した。
『あぁ今日の演奏、集中してないなぁ』と感じながら演奏している時に、
ステージの上から帰っていくお客さまを見た時、
嵐のようなスタンディング・オベイションと同じくらい、僕はうれしかった。
良いも悪いもきちんとわかってくれることは、このうえなくうれしいことだ。
良い聴衆を創ることもプロオケに課せられた使命だと思う。





僕自身も形は違えど音楽が仕事になっていて、ゆずれない部分は今後も失わずに
こだわり続けていくつもりである。
幸か不幸か今は仕事自体そんなに多くないので、ひとつひとつの仕事に愛着を持ち
関わっていける。
今はこのことがとても幸せに思えるのである。


本当だったら今の倍の数の撮影をしなければならないのであるが、そうなったら
この文章を読み返して初心を想い返すようにしようと思う。



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「海」と「ヴァイオリン」の思い出。

2006年07月15日 22時51分47秒 | 想い・オーケストラ
なにかすごい雷があったらしく、これで梅雨明けかなぁと思われる今日この頃。
外に出ると、いつの間にかとてつもなく暑い気候になっているので、ちょっとびっくりしています。

「夏」といえば「海」ですが、「海」と「ヴァイオリン」にまつわる思い出をひとつ書いておきます。

注意:良い子のヴァイオリン弾きの皆様は、決してマネをしないように!







あれは、大学1年の夏のこと・・・。


土曜日、オケの練習が終わって、いつも一緒に帰っている仲間のひとりが、突然

「・・・夜明けの海がみたい。。」

と言い出した。


僕たちは一瞬驚いたものの、これはおもしろい!と話にのった。

言いだしっぺの友人Tは車を持っていたので、まず一旦彼のマンションに行き、
しばらく時間をつぶすことに。
夜中12時ころ、じゃあ、そろそろ行こうか、と総勢5人車に乗り込んだ。
かばんは部屋に置いてきたが、さすがヴァイオリン弾き、楽器だけは手に手に持って車に乗った。

どこに行く?
「海」といえばやっぱ「湘南」だろう!!

ということで、いざ江ノ島方面へ!

かなり遠いだろうと思っていたのだが、3時には着いてしまった。
みんな一睡もしていなかったので、とりあえず仮眠・・・







少しあたりが明るくなる頃、みんな車から出た。





目の前に広がる海・・・


波の音・・・


潮の香り・・・


そこに太陽がのぼる・・・







その時、みんな同じ事を思った














よおし! 海にむかってヴァイオリンを弾くぞ!!ザッブ~ン







Tをはじめ3人は、3歳くらいからヴァイオリンを習っている凄腕の連中。


それでもその時僕たち1年生に渡されていた楽譜は『大学校歌』1曲。
僕たち全員がそろって弾ける曲『校歌』を、5人砂浜に並んで
のぼりゆく太陽に向かい、大海原へとヴァイオリンを高々と弾きまくったのだった。





ふたたび注意!!
潮風にあたると楽器は傷みます。良い子のみんなは絶対にマネをしないように!!









このときの5人のうち自宅から通うひとりをのぞき、僕やTを含む4人は
それからおよそ1年後、同じ沿線の隣り合う駅にそれぞれ部屋を借りた。

4年生の最後の練習日まで、僕たち4人はオケの練習後一緒に帰り、
同じレストランで遅い晩御飯を食べ、そのお店が閉店時間になるまで、
音楽やオケのことやいろんな話をした。





「海」をみると思い出す、あのときのみんなの笑い声とヴァイオリンの音・・・。





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セル/クリーヴランド管弦楽団。

2006年06月19日 19時23分21秒 | 想い・オーケストラ
今度シューマンの交響曲4番の撮影がある。
実はシューマンにはあまり縁がなく、4番のCDを持っていなかったので、先日早速購入。
数あるCDの中で、ベーム/ウィーンフィルにするか、セル/クリーヴランドにするか
迷ったが、結局セルにした。

ドヴォルザークのスラブ舞曲集を聴いてから、すっかりセルのファンになった。
セルの音楽を聴いていると、本当に心が洗われるようだ。
1970年の初来日での東京公演のライブ盤は泣いた
どんな人間性であれば、ここまで清らかな音楽ができるのか。。

シューマン4番のCDにはウェーバーの「オベロン」序曲も入っていて、
これがまた、いい!
「オベロン」は高校生のころ、ワルベルク/N響の演奏会に行ったときのアンコールで演奏されて
とても印象に残った曲で、それ以来どの演奏を聴いても物足りなかったのだが、
セルの「オベロン」はいいですねぇ・・・


仕事以外で“好きだから聴く”という行為がなかなかできなくなってきているが、
セルの音楽は、仕事抜きでゆっくり鑑賞したいもののひとつです。



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モーツァルト:交響曲「ハフナー」。

2006年06月17日 12時55分27秒 | 想い・オーケストラ
明日の撮影のために、スコアラーTさんと最終的な打ち合わせをやったのだが、
このモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」は聴くたびにすごい曲だと思う。

モーツァルト自身もとても気に入っていたらしいが、天才の明るい笑い声が聞こえてきそうだ。
“ニ長調”という弦が鳴りやすい調性ということもあるが、
40番でみる、とてつもない悲しさ淋しさは感じられない。
うなってしまうような展開も随所に盛り込まれてあり、
まさに天から降ってきた贈り物という感じ。

今日のような穏やかな天気の日にはピッタリではなかろうか。。
このまま昼寝でもしたいところだが、まだまだこれから一仕事します



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ヒンデミット:交響曲『画家マティス』。

2006年06月16日 20時43分13秒 | 想い・オーケストラ
自分がかつて演奏した曲で、ぜひ撮ってみたいなぁと思っている曲がいくつかある。

なかなかアマチュアオーケストラの演奏会で出会わない曲のひとつに、
ヒンデミット作曲『画家マティス』がある。

この曲は、僕の大学オケでの初乗りの曲である。
2年生の5月にあった「スプリングコンサート」で、2年生メンツの曲として用意された。
(前プロは2年生、中プロは3年生、メインは4年生主体のオケとなる)

当時僕はセカンドヴァイオリンで、臨時記号のオンパレードを、しかもとてつもない
ハイポジションで弾きまくるファーストヴァイオリンのテクニシャンの友人たちを
唖然とみていたものだ。

でも、なぜかこの曲は異常に惹かれるものがあり、なんだかんだいっても団員の皆好きだった。

3楽章の最後のほうに、ヴァイオリンだけ臨時記号つきまくりの16分音符がでてくる。
必死でさらって弾いても、同じところで金管がロウロウと気持ちよく吹くものだから、
全部かき消されてしまう。
木管はトリルをやっているし、スコアを見るとみんな白いのに僕たちのところだけ
やたら濃く黒い。

とにかく難曲の印象がずっとあったのだが、今、あらためて冷静にスコアを見てみると
この曲って、難しいのはヴァイオリンだけだったりするのか 
管楽器の難しさはよくわからないからなんともいえないけれど・・・


何はともあれ、あれ以来、実際に聴く機会もなかった曲なのだが、ついに来た!

毎回、撮影させていただいているオーケストラの、来年のプログラムに予定されているじゃ
ないですかっ

やるとしたらこのオケくらいだろう・・・とふんでいたが、ついに登場した。。

また依頼していただけるよう、さらに力をつけ日々をすごそうと思う。



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『管弦楽のためのラプソディー』。

2006年06月14日 22時44分05秒 | 想い・オーケストラ
亡くなった岩城宏之先生を偲び、もう少し書きこませていただきます。


とにかく岩城先生は日本モノに関しての表現力は抜群だった。
とても日本人くさく表現された。

外山雄三の『管弦楽のためのラプソディー』では、日本人にしかできない表現を教わった。
冒頭の締太鼓?(正式名称がよくわからない・・・)の
タランタランタンタンタン・・・
のリズムは譜面通りではなく微妙にずらして叩くよう執拗に繰り返していた。
たしかにそれで、日本の土着のリズムが立ち上がってくる。

トランペットの<あんたがたどこさ>も譜割りを楽譜通りにするな、と言われていた。
これは日本人にしかできないリズムなんだ! と。

ラスト<八木節>の猛烈なクレッシェンドも、これはヨーロッパ人にはできないんだよ、と微笑まれ
スビトピアノから再び始まる旋律は、地面からわきあがる高揚感を与えた。


どんな指揮者でもそうなのだが、音楽の流れの中で、棒を振らない瞬間がとてもカッコよかった。


きっと天国でたくさんの仲間たちと、
顔をしわくちゃにしながら笑っていらっしゃることだろう。。


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春の祭典。

2006年06月08日 22時04分38秒 | 想い・オーケストラ
今日一日『火の鳥』漬けで吐き気もおさまった。。ふぅ、やれやれ。。
なんとか、映像として頭の中でまとまってきた。

来日した際、ストラヴィンスキーがN響を指揮した映像を観たことがあるが、
自分がつくった曲でもスコアを見ながら指揮をして、首をかしげていたのが印象的だった。
何度も書き直して、それでもまだ気に入らないらしいのだ。
芸術に完成はない、ということなのだろう。



ストラヴィンスキーといえば、やはり『春の祭典』。
僕がいたオケは『○○オケといえばハルサイ』といわれているくらい
ハルサイを十八番としていたオケだった。
ただ、僕が入団したころはハルサイは封印されていて、
おそらく誰もが、またハルサイやるなんて考えもしていなかったのではないだろうか。


僕たちが出演していた深夜のテレビ番組で『マエストロ』(西村雅彦主演)という
音楽番組があった。
この番組は各回でひとり作曲家をとりあげ、芝居をからめて曲を紹介するという
内容のもの。
あるときストラヴィンスキーがとりあげられた。
演奏する曲はもちろん『春の祭典』。
ほんの一部だったが、みんな異様な熱のいれようで練習し曲を演奏した。
(この番組では、僕たちが普段絶対演奏しないマーラーなんかもとりあげられて
マーラー2番のほんの冒頭を演奏しただけで、
みんなうおおおお!と異常に盛り上がっていたものだ)

ハルサイがオンエアーされ、御大(どど~~ん!)にずいぶんおしかりをうけた。
曰く、ハルサイはあんな、なまやさしいものじゃない。
云々・・・

やっぱ、ハルサイたいへんだよね。復活させるのは難しいよ。。
と思っていたが、僕たちが4年になったとき、首席奏者会は大英断をくだした。
2月の定期演奏会でハルサイ復活!

僕たちのオケでは、「譜読み」と称し次に演奏する曲を試し弾きをする日がある。
1週間前に譜面を渡され、練習し、皆で合わせる。
初めて合わせても、どんな曲でもなんなく通ってしまうのだが
(ベルリオーズの『幻想』なんかも、なんなく最後まで通った)
ハルサイだけはアンサンブルが合わず、途中で止まった。

全曲やるには、こりゃ、たいへんな曲だぞ。できるのかな。。
と不安になった。

実はハルサイには代々受け継がれた秘伝の数え方が存在する。

<しぶや・しんじゅく・いけぶくろ・たかだのばば>とかは皆さんよくご存知だろう。

変拍子もすべて数える。
3、13・・・

楽器を持っての練習より、ウタレンのほうがずっと重要だった。
とにかく、歌えればあの曲はできるようになる。

僕もスコアでものすごく勉強し、ノーミスで演奏できるようになった。
かつてはひとり弾きをさせられ、全員がノーミスで演奏するまで
延々と繰り返した、という話を聞いたことがある。



後輩たちがそれ以後も弾き継いでくれ、
ついにハルサイ初演の場で演奏したようだ。

感慨もひとしおである。





いつの日か、今度はハルサイを撮影する日が訪れるといいなぁ。。




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ブルックナー第8番。

2006年06月05日 21時44分05秒 | 想い・オーケストラ
昨日は僕のウチの最寄り駅「久我山」で開催された
『久我山ホタル祭り』に散歩がてら行ってきた。

駅の近くの神田川と玉川上水にホタルを放す。

そんなに多くのホタルを見ることはできなかったが、
ホタルの仄かな光はやわらかく、心をやさしくなでてくれるようだ。
川の水もきれいとはいいがたいし、少しかわいそうではあるけれど。。


ホタルといえば、宮本輝の『螢川』であるが、ああいう情景に出会うには
やはり空気と水のきれいな田舎に行くしかない。
機会があれば、そんなホタルの乱舞を見てみたいものだ。

家への帰り道、小さな女の子が
ほ~ほ~ほぉたるこいっ
とかわいらしく歌っていた。




*********




さて、ウチに帰るとNHKの『新日曜美術館』で
建築家・丹下健三の特集をやっているではないか
かぶりついて見た。なかなかいい切り口で話がすすんで、実に堪能した。

途中、黒川紀章さんのコメントとか入って、ミーハーな妻は大喜びで見ていた。
「キショウさん、素敵
と言い、やっぱりアンドウさんとは品がちがうわ、と元も子もないことを言い出す始末。。

ちなみに妻は、建築家では黒川さんと鈴木エドワードさん

ミーハー恐るべし




*********





その後、N響アワーでスクロヴァチェフスキーのブルックナー8番をやるというので
引き続きチャンネルはN・H・K。

ブルックナー8番は僕が独立してはじめての撮影で演奏された曲。
実に思い出深い曲でもある。

まだ小学生か中学生のころ、日曜日の朝10時くらいの番組のオープニングで
「ベーム/ウィーンフィル」でブルックナー8番の4楽章冒頭が使われていて
なんて、かっこいい曲なんだ!としびれていたものだ。

僕はギターでロックやヘヴィメタも演奏したけど、
やっぱりクラシックほどかっこいい曲はないと思っている。


さて、そのN響アワーであるが、弦の響きが分厚く、こりゃ現場で聴いてたら
鳥肌モンじゃないか? と思って観ていた。

それに加え、この指揮者カメラ、人が入ってないけどリモコン操作できるんだな、
とか、ここでこういくかぁ、とか、
K田先生髪うすくなったなぁ、とか、T渕先生は全然おかわりないなぁ、とか、
S賀先生焼けてるなぁ、とか、久々テレビでN響を観て楽しんでいた。

いい演奏であったが、僕の中でN響のブルックナー8番といえば
なんといっても『マタチッチ』。

テレビで観た演奏で唯一涙を流した演奏だった。
マタチッチ、よかったなぁ。ブラームスの1番もよかったけど。






横で観ていた妻は、オーボエが出てきたら
「削るやつね」
ティンパニーが映れば
「お友達になってくださいっ! どーーん!!」
と言いながら、きゃっきゃと楽しそうにしていた。
(『のだめ』読んだことある人限定)

『のだめ』恐るべし



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