行ってきました、サントリーホール。
オスモ・ヴァンスカ指揮 フィンランド・ラハティ交響楽団。
今日はCDもあらかじめ聴き、シベ5のスコアも持参で参上いたしました。
1曲目シベリウス「タピオラ」は、前回すみだトリフォニーで聴いたのと同じ曲?
という感じで進んでいきました。
僕の勉強不足のせいもあるのか、席の位置関係もあるのか、あの時感じたシベリウス・トーンを
感じることができなかった。
しかし、このオーケストラの人たちはとても普通に演奏して、フィンランドの寒々とした
透明な世界を表現してしまう。
あぁ、雪が降ってるなぁ、とか、氷の上だなぁ、とか、森の中に吹雪が舞っているなぁ、とか
別世界に誘ってくれる。
2曲目はグリーグ:ピアノ協奏曲。ピアノ独奏はユホ・ポホヨネン。
この演奏を聴いて、ピアノって雪国の世界を表現するのに結構適している楽器なんだな、と思った。
冷たく張りつめた雪と氷の世界、って感じだった。
ポホヨネンさんはまだ若くて身体は子供のようなのだが、なにしろ手が大きい。
お辞儀するとき、手を前に置くのだが、うわ、手、でかっ! と驚いた。
やはりピアニストになる人というのは、生まれながらに特別なものを与えられているもののようだ。
ピアノのアンコールを2曲もやってくれた。
グリーグの抒情小品集第5集 作品54より第4番「夜想曲」と
同じくグリーグの抒情小品集第3集 作品43より第6番「春に寄す」
とてもピュアな演奏だった。
北欧の世界というのは、そこに生まれ育っていないとなかなか素直には表現できそうにない。
さて、3曲目メインはシベリウス:交響曲第5番。
この曲も気負うことなく、とても普通に演奏していた。
第1楽章のラストに向かう盛り上がりは
おおぅという感じだったが、
とにかくうねらない。
怒涛の弦による大海のうねり、を期待していたのだが、そんなに思い入れるものではなく
ただ、素直に演奏している。
北欧というのはこういう気質なのだろうなぁ。。
ウィーン・フィルだとまったく違う演奏になりそう。。
なんだかあくせくせず、なにがあろうと、たとえ飛び出そうとも、とてものびやか。
(最後終わって、ティンパニの人がトランペットの人に苦笑いしていた・・・

)
これもありかな、と思ってしまう。
アンコール、まずはシベリウスのミランダ。
おっ、これはトリフォニーで聴いたぞ。
次は、ある情景のための音楽。
おっ、チェロの人が譜面の準備してるから、まだやるかも。
そして、悲しきワルツ。
おおっ、まだやるか!
最後に、ミュゼット。
曲が終わり、ヴァンスカさんお辞儀したと同時にコンマスと握手して
そのままその手をひっぱり、団員退場。
皆、抱き合ったり、握手したり、なかなかいい退場風景だった。
全員起立のままの登場シーンといい、このサッと退く退場シーンといい、ニヤリとさせられる。
拍手は鳴り止まず、ヴァンスカさん再登場。
爽やかな印象を残し、すべて終了。
このオケはいい意味でプロっぽさを感じない。
完璧さを追い求め、しかめっ面をして演奏するより、こういう自然体でのびやかに
演奏するのもいいな、と思わせてくれる。
それにしても、チラシにあるキャッチコピー
世界一美しいピアニッシモ・・・・・・
は、たしかに素晴らしかった。
きれいな純粋な想いで演奏しないと、なかなかあんな音は出ない。
やっぱり環境は重要ですね。
今日はアイ○ラの方々にもご挨拶をすることができ、よかったです。
終演後のOさんの幸せそうな顔を見ただけで、こちらも幸せな気分になりました。
聴いた人を幸せにできる音楽って、やっぱりすごいです。
オーケストラってやっぱりいいな、と思わせてくれた一日でした。
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ありがとうございました。