京都が好き 写真が大好き by たにんこ

長く写真をやってると 
聞こえないものまで 
聞こえてくるんだな

ちょび旅行

2006年03月30日 05時47分23秒 | Weblog
写真は「奈良~氷室神社」

一昨日は「八坂の塔~清水寺~高台寺~東寺」を廻ってたんだ。
いやぁ~疲れたびぃ。
にも懲りず 昨日は「奈良~東大寺」まで足を運んじゃった。
一緒に居る「おんちゃん」は どう言う関係かと言うと 以前は「弟子」だったんだ。
それが何時の間にか 勝手に居ついちゃった。
でも撮影の時には 荷物を運んでくれる 貴重な奴なんだ。
それと 以外にも案外相談に乗ってくれたりしてな。
以前住んでた所では 多い時には3~4人の 住み込みの弟子が居た。
当然付き合いの長い おれの事を知っている「おんちゃん」がリーダーになる訳だ。
東京で撮影があると ぞろぞろと おれの後ろを金魚の糞よろしく着いて来る。
その東京で 八重洲北口に降り立った時だ。
おれは直ぐ後ろに居る「おんちゃんに」 
「??……???…おい…お前ら ずいぶん身軽だけど 三脚は?」と聞いたんだ。
「おんちゃん」は 後ろに居る奴に「おい!〇♂♀●☆#£!!!」と 分の分からない言葉で怒鳴ってる。
怒鳴られた奴は 又直ぐ後ろの奴に「おい@☆●◎℃¢!」と これまた怒鳴ってる。
最後に怒鳴られた奴は 泣きそうな顔で「何言ってんだか わかんねぇ~」と 小さい声で言うんだ。

忘れて来たのは 一目瞭然だ。
これ以上怒鳴っても仕方が無いから その当時八重洲口に有ったカメラ屋仁寄り 三脚を二台買う羽目になった。
店の外では 東北訛りの独特の声で 三人で大声出して責任の擦り合いだ。
歩く人 店の買い物客 店員 みんな見ている。
買い物を終わったおれは 順番に「や!」「め!」「ろ!」と言いながら 買ったばかりの三脚で殴るわけだ。
丁度三人だし やめろ の言葉も三文字だから都合が良い。
「よし行くか 助さん 格さん 弥七」と冗談で言うと 後ろで「誰が助さんだ?」と お馬鹿な事を言ってる。
「ちょび旅行」の意味は その後になる。

仕事が片付いて家に帰り 4~5日経ってから皆を順番に一人ずつ呼び出して
近くの温泉に泊まりに行く。
まずは一番新しい奴を連れて行き 最後が「おんちゃん」だ。
だから おれだけが3泊するんだ。
一人ずつ 東京で暇を見つけては撮影した写真を見てやるんだ。
そしてアドバイスをして「お疲れさん」と乾杯して 好きな物を腹一杯食わせる。
最後の「おんちゃん」は 必ず最初に「申し訳ありませんでした」と謝るんだ。
それが今まで一緒に居る 理由の一つなんだよ。
毎回そこに行くわけじゃあない。
近くで一泊出来る場所に行く。
ちょっとした旅行…だから「ちょび旅行」なんだ。

一昨日「八坂神社や清水寺 高台寺」に行った時に 大分歩き回った。
考えてみれば「おんちゃん」とは そんなに長い時間 一緒に居る事は ごく最近では稀だった。
よほど楽しかったんだろうな。
家に着いてから「楽しかった!」の連発だった。
最後に奴は 神妙な顔をしてこう言った。
「おれの家は貧乏だったから 修学旅行にもいけなかったんだ。たにんこさんと出会ってから
色々な所に行けて 本当に良かった。おれが後悔しているのは 親父 お袋を 
何処にも連れて行けなかったことなんだよね。」と ぽつりと寂しそうに言う。
おれはアドバイスしてやった。
「お前な 親父お袋の位牌に書いてある「戒名」を紙に書いて 懐に入れて何時も持ち歩け」と言った。
そう言う事は 気持ちの問題だ。

昨日は「奈良」に行った。
これを見ている あなた達は もう分かっただろう?
一昨日から「修学旅行」の 定番中の定番を おれが連れて行ってやった分けだ。
「奈良の大仏」を見に行く途中も 名物の「鹿」を見て感激していた。
「大仏」を見た「おんちゃん」は それはもう大感動した。
帰りの特急電車の中で おれと「おんちゃん」は 缶ビールを飲んだ。
「おんちゃん」が 胸のポケットから財布を出してこう言った。
「見て!たにんこさん。親父とお袋も一緒に連れて来たんだよ」
その紙には 汚い字で 親父 お袋の戒名が書いてあった。
おれは「そっか」と一言だけしか言わなかった。
それ以上言うと 目から汗が出てきそうだったからな。