朝一の目的。

午前中、長町のTHE MALLに行った。

MALLに着いた。

下腹部に違和感を覚えた。

尿意だ。

トイレに行った。

もちろん♂の方に入った。

奇怪な音が鳴っていた。

手を乾かすマシーンに、ずっと手を突っ込んでる奴がいた。

手を乾かすのが目的ではなく、そのマシーンに手を突っ込むのが彼の目的だ。

トイレを出た。

そこにある本屋に向かった。

キャップを被った若い男とすれ違う。

僕は本の棚を眺めた。

さっきすれ違った同じ通りを同じキャップの男がまた歩いていた。

本が目的じゃなく、同じところを何度も歩くのが彼の目的だ。

本屋の隣にある、カットのみ1000円の床屋が見えた。

すでに満席だ。

髪を切るのが彼らの目的だ。

少し安堵した。

モールの朝一は奇妙だった。

僕の目的は何だったのか。

別に、ない。