倒れかかった電柱
2011-04-15 21:21:33投稿
東日本大震災による液状化被害に建築現場が遭遇。復旧工事を終えて。
震災から一ヶ月余りが過ぎました。完成間近の引渡し前の現場が、液状化の被害を受け復活まで奔走した日々を書きとめます。
震災時は事務所にいました。今までにない縦横無尽な大きな揺れを感じ、地割れでもするのではないかのような不安を掻きたてられました。
即、社員に声を掛け事務所の外に退避しました。揺れは収まり回りの無被害を確認してから、頭の中は完成間近の現場が気になり足を向けました。
今月末には完成して見学会を企画していた現場です。
現場近くまでは震災の被害らしきものは視線に入って来ませんでしたが、現場近くの様相が唐突に変わり別世界でした。
現場の前も漏水
道路は波を打ったようにうねり、水道管が破裂して噴出している箇所が随所で見受けられました。
また、電柱は運動会の棒倒しで倒れる寸前のような光景が目に入ってきました。
道路は冠水して、水道局の職員らしき人が足早に行き交い、また警察官は交通整理に追われていました。回り道をしてやっと到着しました。
現場一帯は目を覆いたくなるような光景が入ってきました。これが液状化と思うのにと思うのには時間がかかりました。
電柱は傾き、水道管は随所で破裂して噴水していました。下水道の桝は浮力で頭を出し道路のアスファルトは波を打ったように割れ、アスファルト同士が合掌のように突き出た個所もありました。
建物も道路面と一階の床が同じ高さだったり、右左に傾き無様な生き地獄でした。
引渡し現場を見た第一印象は、構造計算された通りに施工したので基礎の強度、構造材、金物工事にも自信があったので損傷は見えず、流石に良くできた建物だと自分なりに感心しました。
安堵するもつかの間良く見ると建物が傾いているのに気が付きました。
アララ、どうしよう、これは一大事だ。それから即事務所に戻り、建物を直す方法を考え、ネットで調べ、何社かの業者に電話をしましたが当日は繋がりませんでした。
12日の朝やっとH社と電話連絡が取れ、次の日にアポにこぎ付けました。建物の図面、地質調査の報告書を要求どおりファックスで送り、翌13日には現場で打合せをしました。
一日でも早く入れる職人の手配までお願いし、14日には職人の入る日を確約しました。御施主様には日程を確約してからお伺いする予定でしたが心配され事務所に見えました。
震災当日には挨拶にお伺いしていましたので、当日は復旧の工法、工事期間を納得して頂き、引渡しの覚書まで交わしました。
復旧工事には3週間から一ヶ月の工期が掛かるそうです。運よく一週間後に入っていただき先週には終わり、今は内装の仕上げ工事中です。来週には見学会も予定しています。
地盤改良工事
事業は継続なりですが住宅は罹災証明が出ますが事業者には出ません。
見舞金も無し、何たる不平等な事か!
新建ハウジング様にも復旧工事が"http://www.s-housing.jp/archives/375"紹介されました。