聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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指導医徒然日記  ~医学生にもプロ意識を~

2008-01-20 22:31:11 | 指導医日記
聖マリアンナ医科大学には父兄会があります
ブログの読者はすでにご存知でしょうが
大学の高等教育でありながらなぜPTAのようなものがあるのか
その議論はおいといて
そのご父兄を目の前に臨床研修についてお話をしたことがあります

医学教育における成人学習理論をもとに
臨床研修の仕組みやその目的・研修内容・評価などについて話したわけです
もちろんマッチングの話も
皆さんそれはそれはかなり真剣でした

だって医を生業としていない家庭の子どももいるわけで
まったく知らない世界に飛び出そうとしている我が子を案じることは普通です

さ~て今宵の問題は高い志をもって入学してきたはずの期待の新人たちの話

おそらくこのブログなどあまり見てもいない読んでもいない
臨床研修などはるかまだ遠い世界の話題としかとらえていない若者の話

臨床指導医の多くは入学試験の面接官であったり試験監督であったりしています
だって医学教育について臨床研修を通じて学んだ優秀な指導医ですから
人を見る目は日頃から外来で鍛えられています
いろんな角度から患者さんを見るように
入学試験その日には鋭い目で彼らを見つめていたわけです

その期待の新人たる医学生諸君はこう面接官である我々に語ったわけです
聖マリアンナ医科大学で医師になりたいんです!とね


それが今はどうでしょう
1年が経ち2年が経ち大学にも慣れてくるとその姿は入学式のころのそれとは・・・・・・

以前このブログでも尋ねたことがあります

あなた方はオトナですか?コドモですか?って

先日3年生の講義でも堂々と宣言してきました

あなた方が修得すべき知識量は膨大であり限りがある
一方でこの授業でボクが教える知識には限りがある
ある程度基礎知識がなければ今後ますますその修得は困難を極めるだろう
だから
ボクは授業の最初と最後に小テストをする
もちろん成績には関係ない!
この成績とは進級判定のためのものだけでありボクはそこにゴールを設定していない
自分の行った授業でどれだけの学生が理解をして覚えたのかそれが知りたい
そしてその次の授業では速やかに修正して必ず必要最低限の知識を修得させたい
授業に出たくないものは出なくて良い
せめて授業を受けている学生の邪魔をするな!
そして試験で基準点が取れないものは素直に留年して勉強し直しなさい
君たちのなりたい医師になるためには留年することが大切なんです

覚えてますか?

何度解説しても答えられない問題ってあるもんです
よ~くわかりましたヨ
でも
授業のあとに何人もの学生が車座にしゃがみ込んで一緒に錐体路の走行を覚えようと必死になってた
廊下ではどんな教科書がいいのかって真顔で聞いてきた

すげ~嬉しかったゾ~

決して怒ったり呆れたりしてはいけません
今ごろ何言ってんの?ではないんです
ここは大学で自分たちで自分にあったものを購入し自己復習するのです
それが成人学習だって1年のときから繰り返し繰り返し伝えていくべきだった
最近はそう反省もしている

確かに
医学生と呑みながら話すと個人個人は素晴らしい素質がある
例え茶髪で今どきの格好であっても医師なりたいその志は消えてはいないことがわかる
臨床指導医たちはいつも彼らに素質があると思っている
なぜなら自分たちが選んだから
でも一方で5年生で病棟実習が始まり6年生として国家試験を目の前にすると
自己学習法を身に付けていないために陥る不幸を彼ら医学生の自己責任にする傾向がある
これはとんでもない間違い

臨床研修ではその点を重視して
初期臨床研修ではより一層自己問題解決能力を修得し
医を生業とするプロに育てるためのツールや環境を整えた
これは評価されていると思ってます

今は成績を見て互いに落第点を笑っている医学生もいるかも知れない
でも医師を養成していく責務を担っているボクたちはこんなにも真剣だと知って欲しい
必要があれば研修を延長させてでも臨床研修を修了させようって大学だぜここは

わかってるのかな?そこんとこ

今年も非常にたくさんの受験生が受験するみたい
嬉しいことです
誇らしいことです
だからこそますます真剣に医学生にもプロ意識をって思うのですヨ

研修医の先生たちにもお願い
自分たちの部活の後輩たちとまず語りましょう
そして自分たちがどれだけ何も知らずに苦労したか
どうすればよかったかを自分の言葉で語ってください

ボクも授業は試行錯誤です
でも面白いことに小テストをやったら
出席も増えたし授業中の私語なんてないです

だから今こそ医学生にもプロ意識を!です
な!