エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

綿羊(めんよう)の思い出

2021-04-02 08:18:34 | 日記
私が子供の頃、我が家に一匹の “ヒツジ” がいました。 当時、ヒツジを 綿羊(めんよう)と呼ぶのが一般的でした。 何故なら、羊毛(ウール)を取る為に飼っていたからです。 冬になると保温力がある、毛糸の セーター や 股引・手袋・靴下 が必要になります。 そこで ヒツジを、生活の為に家族で育てていたのです。(笑) 今では考えられない 昭和の風景だと思います。 「必要な衣類は 原料から作る」 そんな時代が、確かにあったのです!

ヒツジの餌は、家の周辺の 雑草と牧草 でした。 冬場は 何を与えていたか? 多分、秋に保存した牧草だったと思います。 首輪を付けて連れ回しましたが、なぜか 可愛がった記憶はありません。(子供心に あの日を 忘れたかったのか?)
 
冬から夏にかけて伸びた羊毛を、父が鋏で刈り取ります。 その後は、母が羊毛を綺麗に洗い干します。 乾くと、毛をほぐして手動の糸取り機で 毛糸にします。 出来上がった毛糸を、染粉を入れた鍋で煮て染色します。 カラフルになった毛糸を乾かし、一応 完成です。

秋になると、母が編針を使ってセーターを編み始めます。 一匹の羊から取った毛糸ですから、家族全員の衣類を作る事は出来ません。 「今年は お前のセーターを編んで遣る」と言われると嬉しかったものです。 体に合わせ、数本の編針で三日ほど編めば完成です。 手作りのセーターは、暖かく 誇らしくもありました。
 
◎ 七輪が 似合う「ジンギスカン鍋」
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ある日 小学校から帰ると、“ヒツジ” がいません。 父に聞くと「売ってしまった」と言葉を濁しました。 すると、夕飯は “ジンギスカン鍋” でした。 我が家の ヒツジ なのか? 一瞬 疑問を抱きましたが、空腹には勝てません! 新鮮なので、美味しく 腹いっぱい食べてしまいました。(残酷) それが、“食” の育児教育だったのでしょう? 羊の飼育は、それが最後でした! その後は、市販の毛糸(アクリル繊維)と 手動の編み機 を使って、母に セーター  や カーディガン を編んで貰いました。 懐かしい! 
 
◎ 北海道の風景「ヒツジ牧場」


近年、北海道の ‟ヒツジ” は 激減しています。 牛 や 豚 の飼育が盛んになり、羊 に手が回らなくなったと思います。 それとも、羊 では採算(儲け)が取れないのか? ‟北海道名物・ジンギスカン” と謳いながら、羊肉(マトン・ラム)は「オーストラリア」を始めとする輸入肉ですから、看板に偽りありです! 確かに ‟輸入冷凍肉” は、お世辞にも美味しいと言えません。

道北の羽幌町沖(西 25キロ)に、周囲 12キロ程の「焼尻島」があります。 そこで飼育されている「サホーク羊」は、東京の 高級レストラン や 料亭 で大人気の様です。 残念ながら(高価な為)、地元では食べられません。 今後、全道的に “ヒツジ” の大量飼育を 目指して欲しいと願っています!  

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