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そよかぜノート

読書と詩の記録

「バッテリー」Ⅰ~Ⅵ

2006年02月24日 | book 児童書 絵本


■「バッテリー」 著/あさのあつこ 角川文庫
■原田巧・青波・真紀子・広  井岡洋三 永倉豪
 
《story》
岡山から県北の広島との県境にある新田に引っ越す一家。病弱な青波や仕事で体を壊した広のことを考えての事だった。巧は4月からその地元の新田中学校に通うことになる。今までともに野球をしてきた仲間と別れてのことだった。巧は決して自分のペースを崩さない。自分一人で進む力と自信があった。そしてプライドがあった。みんなで肩を組み和を重んじた野球をやってきたわけではない。それを望んでいるわけではない。ただ、自分の球をしっかり捕球してしてくれる捕手は必要だった。そして、この街でその捕手にふさわしい豪に出会うのだった。

◎この主人公は好きになれない。嫌悪感さえ感じてしまう。しかし、読み進めてしまう。不思議な魅力のある作品だ。これが児童書だから、なおさら不思議だ。ある意味こんなだれとも交わらない孤独な戦うボクサーのような雰囲気を持つ。気怠い心の中に、大きな自分だけの夢を持ち、まっしぐらに進もうとする。自分中心なわがままな巧。もっと青波たちに優しくしてやれよ、言いたくなってくる。とことんそうなのか、ただ不器用なのかわからない。ただ、一人で進んでいるようで、多くの人の支えがあるからこそだということは言える。



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