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そよかぜノート

読書と詩の記録

「水は答えを知っている」

2006年01月28日 | book その他


■「水は答えを知っている」 江本勝/著  サンマーク出版

《story》

「その結晶にこめられたメッセージ」

波動測定という方法で水に関する研究をおこなってきた。水を氷結させてその結晶写真を撮り、写真集を出版。自費出版からのスタートだったが、そこから得られる感動が口コミで広がり、世界的なベストセラーとなる。水は物質の中でも特異なもので、さまざまなものを溶かすことができる。混ざり合い、包み込み、記憶していく。地表に降った雨は地中にしみこみ、何十年もかけて地中を流れ、再び地表に現れる。そして、見た目は同じ水でも、いろいろなものを抱え込む。もしかしたら、生物の、地球の、宇宙のすべての記憶を持っているのかもしれない。水はまるで生きているかのように、回りの波に呼応する。またその波も抱え込んでいる物が何であるかによってちがう。それを目に見えるようにしたのものが水の結晶である。きれいな水はきれいな結晶をつくる。塩素をたくさん含んだような水、汚れた水は、壊れた結晶になったり、全く結晶を作ることができなかったりする。また、言葉の波動、音楽の波動など、水は美しいもの優しいものに呼応し、きれいな結晶を作る。私たち人間の体は約70%が水でできている。それ故に、さまざまな水の呼応と同じように、いいものにはいい呼応となり、汚い言動に対しては歪んだ呼応となっていく。水が生物や地球や宇宙の基盤になっているように、私たちの体も水が基盤であり、美しい波動を得ることで私たちの心は生き生きしてくる。

◎ええ、そんなことがあるのか、と最初思った。「ありがとう」といい続けた水の結晶はきれいな形となり、「バカ」といい続けた水の結晶は崩れたり、結晶にならなかったりする。私たち人間の体は70%以上が水でできているから、これらの言葉で、体の中で同じような変化を起こしている。水はすべての基盤を成しているもの。美しい波動には美しいく反応する。そう言われると納得できる。もともと人間はいい言葉や美しいものに惹かれる性善説もその通りだと言える。
偶然だけど、自宅で還元水を作る機器を購入した。浄水だけでなく、電気分解して活性水素を作る機器だ。この本に載っているフランスのルルドの水と同じ成分らしい。
雲を消す実験もしてみた。雲は水でできているから、念じれば反応する。「雲が消えた」と念じたら、数分で消えてしまった。驚きだった。
水というものを科学的にとらえながら、心への作用を語っていて、素直に受け止めることができる。水の結晶の写真集を生協で頼むことにした。

◎瓶にご飯を入れたものを3つ用意する。一つ目は毎日「ありがとう」と声をかける。二つ目は毎日「バカ」と声をかける。三つ目は無視する。1ヶ月やり続けたら、3種類とも違った変化がおきた。一番早く腐っていったのは無視したもの。次が「バカ」と声をかけたもの。「ありがとう」は、なかなかくさらなかった。こんな実験をしてみると、言葉で人間が受ける影響がわかる。ごはんも水でできているから、美しい言葉汚い言葉に反応しているようだ。『無視』は汚い言葉を言われるよりもつらいことだということがよくわかる。

◎科学的に証明されているのでしょうか。気持ちはよくわかります。ある雑誌では、科学的に根拠がない、学校の道徳で扱うのはおかしいと批判がありました。凡人の私にはよくわかりません。

 


「心に残る感動の物語」

2006年01月21日 | book その他

■「心に残る感動の物語」 李 昌祐(リ・チャンウ)編  洪 和美(ホン・カズミ)訳  日本文芸社

《story》
「4000万人が泣いた 人生・夢・家族・恋人・・・心あたたまる幸せのストーリー」
「名も無き物語35篇の感動」


2004年、韓国で『ハッピー・ウイルス』の原題で刊行された単行本。編者の李 昌祐さんが主催するウェブサイトで一般募集された「感動する話」の中から好評だった作品を選んでまとめたものである。 ◎「最後のゲーム」アメリカンフットボールが好きで、子どものころからチームに入り、練習してきたが、1度も試合に出してもらったことがない。でも試合があるたびに父親は応援に来ていた。大学に入っても、チームに入り、さぼりこともなく真面目に練習に参加してきたが、試合には一度も出してもらえなかった。でも、父親は試合のたびに応援に来た。そして父親はなくなった。家に帰るようにすすめられたが、彼はこの試合だけは出してほしいと監督に願い出た。今まで試合に出させてもらえなくても、一度も不平をもらしたことはないのに。

どんな結末なんでしょうか。この「最後のゲーム」だけでなく、多くの話が最後にあっと言わせるような展開になっている。そして胸がしめつけられるような、それでいて心の底から暖かさがふつふつと湧いてくるような、何ともいえない穏やかな気持ちになる。実際にあった話かどうかわからないが、そんなことはどうでもよく、純粋に人の善を受け入れられる。

「かぎりなくやしい花々」

2006年01月08日 | book 児童書 絵本

■「かぎりなくやしい花々」 著/星野富弘  偕成社文庫

《story》
これは児童生徒向けに書かれた、星野富弘さんの自伝である。星野富弘さんは1946年群馬県勢多郡東村に生まれる。中学校体育教師となるが、体操演技の見本を見せていて落下。頸椎を損傷し、首から下が動かなくなる。入院中、生きる望みをなくしていたが、同じ病院に入院していた重い病気の中学生に、帽子に励ましの直筆を頼まれる。そのとき口にペンを加えて書いたことがきっかけとなり、詩や花の絵を描くようになる。その後、キリスト教の影響を受け、生きることへの希望を見いだす。良き理解者となる妻や星野さんの絵を広める機会となった人々出会う。

◎「つらいなあ、死んでしまいたい」と思ったことはだれでもあると思う。私がそう感じるときと星野さんが経験したことは、雲泥の差があるだろう。星野さんは、決して初めから強い人間ではなかった。動かなくなった体にイライラして、気が狂わんばかりの日々を送った。しかし、強くなっていった。生きる喜びを得ていった。どうやって。3つのことが考えられると思う。1つは、彼を支えた人々との出会い。お母さん、中学生の子、渡辺さんや病院の看護士や医者、さまざまな人が彼に関わってきた。もう一つは彼の人の心を感じる力。彼を支えてきた人の心を感じることができたこと。そして最後に聖書だと思う。いろいろ本を読んできたが、聖書で生きる希望を得たという人は多い。私はまだ読んだことはないが、それほどの何かがきっとあるのだろう。

(1)あなたはつらいなあ、死んでしまいたいなあと思ったことがありますか。  (事前に聞いておく)

(2)ここに書かれてある字は何才くらいの人が書いたものだと思いますか。どんな人が書いたと思いますか。

(3)星野富弘さんの紹介をする。星野さんが生きていく希望を見いだしたいきさつ。 
1母の看護 2中学生との出会い 3多くの人の支え 
4星野さんの人の心を感じる力 
5自分の力を限らないで、可能性を広げて行く努力 
6後ろ向きにならないで、積極的に進もうとすること 
7だれをも責めない、人を愛することを説いた聖書

(4)みなさんも口にペンをくわえて字を書いてみよう。 
・星野富弘さんの詩画集を見て、これは努力してできたものだということを知ろう。 
・私たちが口にペンをくわえても、そう簡単には字や絵は描けない。星野さんも同じだった。でも、積極的に生きる希望を見いだし、少しずつ努力した。その結果なのだ。 
・ペンをくわえさせてくれる人。絵の具の色を作ってくれる人がいること。

(5)感想

「あなたが世界を変える日」

2006年01月06日 | book 児童書 絵本


■「あなたが世界を変える日」   セヴァン・カリス=スズキ/著 ナマケモノ倶楽部/編・訳 学陽書房
■ 「12歳の少女が 環境サミットで語った伝説のスピーチ」  
   「1992年6月11日。
   ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開かれた  
   国連の地球環境サミット。  
   カナダ人の12歳の少女が、  
   いならぶ世界各国のリーダーたちを前に  
   わずか6分間のスピーチをした。   
   そのことばは、  
   人々の強い感動を呼び、世界中をかけめぐり、  
   いつしか「リオの伝説のスピーチ」と呼ばれるようになった。    
   「私たちひとりひとりの力が世界を変えていける」  
   ということを、  
   いまも世界中に伝えつづけている少女の言葉を、  
   あなたに届けます。」


■ 「どうやって直すかのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」 

12才の彼女が言うことが、確かにうらもおもてもない、事実であることに、私たち大人は衝撃を受けるのです。頭の中でわかっていても、仕方ないんだ、難しい問題ですぐには答えは出ないんだ、理想と現実はちがうんだ、私たちはこう言いながら、先延ばしにしたり、そこから逃げているんだと思う。

■ 「家もなにもないひとりの子どもが、わかちあうことを考えているというのに、すべて  を持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう。」 

私は物欲からは抜け出せない。あれもほしい、これもほしいといつも思っている。だれかに、すべてを投げ出して、環境のことを考えられるかと言われたら、下を向いてしまうだろう。車だってディーゼルエンジン、大好きな車だから、排気ガスが環境に悪いと言われても、捨てることはできない。偉そうなことは言えないけど、彼女が言っていることは最もだと思う。たぶん私が変われば世界が変わるよ、と彼女は言うだろう。 ひとつだけできることがある。彼女が言っているように、私自身もやっていることがある。それは争いをしないこと、なくすこと。話し合って解決をすること。けんかはいや、怒鳴り声もいや、やさしく冷静に問題を解決したい。


「裏庭」

2006年01月03日 | book 児童書 絵本


■『裏庭』 梨木香歩 新潮文庫

《story》 
丘のふもとのバーンズ屋敷。戦前には、英国の家族が暮らしていた。そこにはレイチェルとレベッカの姉妹がいた。レベッカは裏庭を自由に行き来出来た。戦争が激しくなり、バーンズ一家は帰国を余儀なくされた。そして数十年という長い年月が流れた。このバーンズ屋敷に庭は、高い塀に囲まれていたものの、通り抜ける場所があり、近所の子ども達の遊び場になっていた。照美と純の双子の姉弟も遊びにでかけたが、弟の純は池に落ち死んでしまう。しかし、不思議と母や父は悲しみを表さず、照美は違和感を感じていた。そんな中、バーンズ屋敷のことを話してくれていた友だちにおじいちゃんが病気になる。照美はそれをきっかけに、バーンズ屋敷に入り込むことになる。屋敷の中にあった鏡。それが裏庭に通じる入り口だった。

■頭の悪い私には難しい内容だった。キーワードは「裏庭」「双子」「きょうだい」だと思った。「裏庭」はあってはならない場所、心傷ついた人が逃げ込む場所、そんな気がした。行きたいと思うとき、それは表の場所(表の庭)から逃げ出したいと思っているとき。最後のエピローグでこんなことが書かれてあった。

「日本ではねえ、マーサ。家庭って、家の庭って書くんだよ。フラット暮らしの庭のない家でも、日本の家庭はそれぞれ、その名の中に庭を持っている。さしずめ、その家の主婦が庭師ってとこかねえ」「なるほどねえ・・・・・。庭は植物一つ一つが造る、生活は家族の一人一人が造るってことですかねえ。深い、重みのあることばです」 

照美が求めていたものは「家庭」・・それを取り戻すための旅だったのだと思う。心の傷を癒すだけではだめ。逃げていてはだめ。自分から進んでつかまなくては。照美の冒険と同時に、照美の母もまた、その祖母も似たような傷をかかえていた。続く傷。今のままでは、まだまだこれからも続く。新しい庭造り、それが新しい生きる大地となる。本当は裏庭なんかいらないんだ。真正面から家族が向き合うことで、素晴らしい庭ができるんだ。だからこそ、ファンタジーとはいえ、この異次元の世界はどろどろしたもので、ここから抜け出すことが新しい庭造りにつながっていくのだと思った。