olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

魚から世事を学ぶ

2020-08-11 | 中2
少し前、息子は
雄雌ペアのベタを買ってきました。

雄のベタと雌のベタを同じ水槽に入れると
雄は盛んにあぶくを出し、
雌が卵を産む準備を始めます。
雄が雌を追いかけまわしたりもします。

が、何日か経つと、
そうした行動は見られなくなり、
かといってケンカすることもなく、
平和に暮らし始めました。

めでたしめでたし。


なんですが、
繁殖させたい息子は不満。


「最初はあんなに張り切ってたのにさ、
もう全然卵を産もうとしなくなったんだよ。
この2匹は、ウキウキの恋人じゃなくて、
お互いにそこにいるのが当たり前の家族になったんだね。

しばらく隔離したらいいかなーと思って、
でも、
いきなり一人になったら寂しいかなーと思って、
水槽の中に透明の仕切りをいれたんだけど、
ダメだった。

そもそも、相手に近付きたいとかいう
気持ちもなくなってたから、
姿が見えていたら
仕切りがあっても無くても一緒みたい。

先生に訊いたら、
完全にお互いが見えないような
別々の場所に移すのがコツなんだって。
忘れた頃に引き合わせたら、
また相手が新鮮に思えて
産卵しはじめるかもしれないんだって。」


人間の恋愛感情も
ベタの恋愛感情と同じなのかな。

人間って、そんなに進化してないんだなぁ。



とかなんとかやっている間に
ある日突然、ベタの雄が死に、
その後、一週間ほどは元気だった雌も
ある日、死んでしまいました。
悪環境にも耐える強い魚らしいのですが。

なんでだろうね?
と問うと、息子は、

「雄は、雌と会えない寂しさのあまり
死んだんだと思うよ
雌は、最初は一人でも全然平気だったけど、
だんだん死んだ雄の大切さに
気付いてきたんだよ。
それで胸がつぶれるくらい寂しくなって
死んだんだよ。」


…えーー???


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ところで、うちに来た魚たちは、
日に日にブクブクと太っていきます
食べる姿が可愛いからと
せっせと餌やりする人間(息子)がいるからです。

まるで無責任に孫にオヤツを与える祖父母のようです。

特に貪欲な個体がいて、
仲間を押しのけて食べるので、
そいつは目を疑うデブ度に。
デブ過ぎて、バランスが取れなくなって
泳ぐとき、斜めになるんですよね…



先日、久々に魚達を買ったショップに行った時、
店にいる仲間(同期生)を見て愕然としました。

うちにいるアイツと、全然フォルムが違う。
まるで別種。

お店の魚は細くて小さくて
新体操が似合いそうなキュートさだけど、
うちのは相撲部屋を目指しそうな
どすこい系…

ねぇ、ここまで太ったら
健康に悪そうだよね。
魚のダイエットって、どうすればいいんだろう?

エサをやるのを控えたら
このデブ以外の魚たちが飢えそうだし、
他の魚たちに食べてもらいたくて
エサをやると、
このデブが率先して食べに来ちゃうし・・・。

仕方ない。隔離してダイエットさせようかな。

と息子が言うのを聞いて、
お父さんが遠い目をして言いました。

「ああ、断食道場だな。
伊豆にあるんだよな。
お偉いさんたちが、
続々と秘書に連れてこられるんだよ。
高い金払ってんだから
設備はいいんだけど、
要は断食なんだよなー。
魚も一緒なのか…」

魚には全く興味を示さなかったお父さんが、
以後、
通りがかりに
ほんのり哀れみの目を
向けるようになったのでした。


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さて、先日、
某コンクール予選を通過した息子は、
「頑張った自分へのご褒美!」
と言い張って、フグを1匹買いました。


完全淡水の小さなフグです。

攻撃的なので、1匹飼いが基本だそうです。
でも、息子はフグと同じくらいの大きさの
エビを投入しました。
たぶん、大丈夫、と。


エビも写っているのですが、
さて、どこにいるでしょう?!

ここにまた、静かなドラマが始まる…のか…?


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