真実を求めて Go Go

今まで、宇宙についての話題を中心に展開してきましたが、今後は科学全般及び精神世界や歴史についても書き込んでいきます。

超科学のための補足

2015年01月11日 | 物理学

ハンネス・アルベーン (Hannes Olof Alfvén)

この物理学者の名前をご存じでしょうか。
1963年にオックスフォード大学よりCosmical Electrodynamics(宇宙電気力学)として
出版された書籍の著者です。
昭和55年に、日本語翻訳本が講談社より、「宇宙電気力学--その基礎原理--」という書名で出版されています。

 今まで、3回にわたって「UFOと超科学」をここのブログにアップしています。
私は、昭和50年に村田正雄氏の本を読んで感銘を受け、前回の最後に書いておりましたように「波動帯」「直射する波動」「円輪波」という言葉が何時までも忘れられずに、数年が過ぎ去ってしまいました。
 なぜなら、その当時の物理学の世界では、絶対的な真理としての量子論、そして相対性理論がもてはやされていた時期です。

 しかし、当時の時空概念ではこの太陽系を行き来するだけでも、ぼう大な年月が掛かってしまい、到底、宇宙空間を自由に往来するような「空飛ぶ円盤(UFO)」の動作方法などの発想はとうてい説明することなど出来ませんでした。

 このようなことを考えていた時に、本屋さんで偶然アルベーンの書籍に出会いました。私は物理の勉強を初めて、あまり経っていませんでしたので、この本の内容は難解すぎて正直あまり分かりませんでした。しかし、UFOの飛行原理を説明するにはこれしかないという思いだけは消し去ることが出来ませんでした。
 アルベーンの宇宙プラズマに関する研究は、電磁気流体力学(MHD)の分野の開発につながりました。電磁気流体として数学的にプラズマをモデル化する。そして、1970年にノーベル物理学賞を獲得した業績の分野がMHDでした。

 その後、宇宙電気力学は多くの宇宙の現象を記述するために、天体物理学者と天文学者によって使われています。しかし、アルベーンは、プラズマの多くの特徴が宇宙プラズマでより重要な役割を演ずることと感じていたのでしょう。
 今では、宇宙電気力学という言葉はあまり使わず、プラズマ宇宙論ということばで表現されています。

 では、プラズマ宇宙論とは、どのような学問なのでしょうか。Wikipediaを参考に書いていきます。


 プラズマ宇宙論とは、宇宙論の一種で、宇宙的スケールの現象は重力だけではなく、宇宙の物質の99.9%を占める電気伝導性の気体プラズマの運動に起因する、巨大な電流と強力な磁場の影響を大きく受けているとする。そして電磁気力と重力の相互作用によって、壮大な現象を説明できると主張する。
 プラズマ宇宙論は、ビッグバン理論と比較して、銀河の回転曲線問題を暗黒物質という仮定の物質を持ち出すことなく簡潔に説明できる。さらに、近年発見されたヘルクレス座・かんむり座グレートウォール、U1.27といった宇宙構造体の成り立ちを説明する際、現行のビックバン宇宙論(から発展した理論も含む)では存在自体が矛盾してしまう程巨大な宇宙の大規模構造も、プラズマ宇宙論では矛盾無く説明できる。
 しかしながら、プラズマ宇宙論は宇宙マイクロ波背景放射の観測事実をうまく説明できていない。そのため、プラズマ宇宙論は現時点では標準的な理論とみなされていない。

 最近の宇宙の観測結果等の研究から、銀河は大規模構造体を形成している事がわかった。その大規模構造は、銀河団の巨大な壁「グレートウォール」と銀河がほとんど存在しない超空洞「ボイド」とが複雑に入り組んだ構造である。その形はプラズマ現象でよく見られるフィラメント構造をしている事が分かっている。
 非常に複雑な形態を見せる惑星状星雲は太陽程度の質量を持つ恒星の最期の姿である。このことは、複雑な形態は重力ではなく磁場が大きな役割を果たしていることを示している。そして、この惑星状星雲もプラズマで形成されており、そこには特徴的なフィラメント構造が多く見られる。これはプラズマの自己組織化によって生み出される形であり、その内部にはビルケランド電流と呼ばれる電流が流れている。
 われわれを照らし出す太陽も同様に巨大なプラズマの塊である。太陽から放出される高速のプラズマは惑星空間を通り抜けて地球に達し、オーロラ、北極光、磁気嵐、電波障害などを引き起こす。一般に真空と言われる宇宙空間だが、このようなプラズマに満ち、プラズマ・ダイナミクスが支配する空間であり、常に休みなく変化を見せている。

 惑星、太陽系、銀河系、星間ガス、星雲、銀河団、彗星などなど、宇宙にあるすべての物質はプラズマの影響を受けている。その豊富にあるプラズマが宇宙の広い範囲にわたって重要な役割を果たしている。
 アルベーンは次のように述べている。
「宇宙についての理論は、われわれが観測や実験で確かめた事実の延長上に打ち立てられなければならない。われわれは(ビッグバン理論のように、最初に宇宙誕生の姿を想像して、そこから現在の宇宙に進化するまでを推測して理論にするのではなく)、まず今の宇宙の姿を調べ、それを元にしてより遠い過去へ、より不明瞭な時代へと遡っていくべきである」

 これは、プラズマ宇宙論の基本的な考え方はビッグバン理論とは対極であるといえる。プラズマ宇宙論は、厳密な意味で定常宇宙論とは大きく異なる。プラズマの特性上それは必然と言える。つまりプラズマは一つの場所にとどまるということはしない。常に反発や引き合い、衝突などを繰り返し変化し続けている。それが積み重なり大きなスケールの変化が起き始め大規模な構造を作り出すと考えられている。その大規模構造はビッグバン理論が重視する重力ではなくプラズマの中を流れる電気と、それがつくりだす磁場によって形成される。このことは、現在ビッグバン宇宙論では説明の難しい「グレートウォール」などの大規模構造を解明する糸口になる可能性がある。
 プラズマの長さが1万光年から10万光年にも達するほど集まった場合、その中を巨大な電気が流れ出し、それが非常に大きな磁場を発生させる。次に電気と磁場の相互作用によってプラズマの形はさまざまな変化を見せる。隣接したプラズマのガスの柱どうしは引き付け合い、絡み合うことにより複雑な構造を作り出す。

 現在、プラズマ宇宙論は非主流派の理論である。しかし、成熟した体系である電磁流体力学 (MHD)を基盤とし、ともに発展してきたこの理論は非常に多くの成果を収めている。太陽のプロミネンス、渦巻銀河、宇宙の大規模構造に至るまで、他にも様々なスケールの問題に関して説明をしている。これからの観測技術の向上に伴い、今後の発展が期待される分野であると言える。

 銀河形成のシミュレーションに成功し、天文学最大の謎、銀河の回転曲線問題も解決。

ロスアラモス国立研究所の物理学者であった、アンソニー・ペラットは、パルス発電機でX線放射の実験を行っていた。発生したプラズマ・フィラメントはお互いの磁場で引き寄せられ、集合したプラズマは合体して螺旋を形成し、螺旋は強力なX線を放ち、銀河の螺旋構造と同じだったのである。この絡み合うフィラメントの中を流れる電流は、ビルケランド電流と呼ばれ、プラズマ宇宙論では重要な役割を果たす。
 かつてプラズマ宇宙論の創始者ハンネス・アルベーンの下で研究していたペラットは、この螺旋が銀河の渦巻構造を解明する手がかりとなると考えるにいたった。彼は当時最先端のプラズマ・シミュレーション・プログラム「SPLASH」を使い、プラズマの動態をシミュレーションし、多くの特徴的な銀河の渦巻が、完全に磁場の中を漂うプラズマ・フィラメントで再現できる事を発見した。
 これによって銀河における大きな謎であった銀河の回転曲線問題まで、解明する事ができた。
 この問題は銀河が重力によって支配されていると仮定すると、中心から外側に行くにつれて渦巻きの腕の速度が遅くなるはずである。しかし実際は外側も同じ一定の速度なのである。この矛盾を解決するために多くの研究者達は苦慮し天文学の大きな謎の1つとされ、見えない物質である暗黒物質が銀河を取り囲んでいると仮定し、この問題を解こうとしてきた。

 ペラットとジム・グリーンは、シミュレーションを繰り返すことによって暗黒物質を仮定せずにこの問題を解決したのである。
 プラズマによって支配されている銀河の渦巻きの腕は、例えると中心から伸びたバネのようなものである。このようなバネは全長にわたって同じ回転速度をもつことになる。それによってプラズマの圧縮が一定の曲線を作り出すことを示し回転曲線問題を磁場によって解決したのである。
 そのとき、曲線にうねりが見られたが、実際にそれは渦巻きの腕が回る際に行なうローリング運動として観測と一致したのである。
 これらの実験室で作られたミニチュア銀河はプラズマの特性の一つであるスケーラビリティーによって実験室レベルから太陽、銀河そして宇宙論レベルまで時間軸などの変数をかえるだけで広げる事が出来るのである。

宇宙構造体の成り立ち

 現在、銀河、銀河団、超銀河団などの宇宙構造体の形成に関して次の2つの説が考えられている。
1:銀河が最初に生まれ、それらの重力が銀河群や銀河団を形成させる。そしてその集合体が、さらに集まり超銀河団や宇宙の大規模構造ができたという説、
ボトムアップ説:銀河系→銀河団→超銀河団→宇宙の大規模構造
2:大規模構造となる巨大なガスのかたまりが最初に生まれ、その次に超銀河団のもととなる塊が分裂する。そして徐々に銀河団から銀河群が分かれ、それが分裂し銀河になる。つまりスケールダウンしていき順に小さい構造が形成されたという説、
トップダウン説:宇宙の大規模構造→超銀河団→銀河団→銀河。
 プラズマ宇宙論では、2番目のトップダウン説によって宇宙の構造体の起源を説明している。

 プラズマは一般に揺らぎに対して不安定であり、最初の揺らぎは微小なフィラメントもしくは、渦の形成である。これらの渦は、同じ方向に動いているほかの渦を引き寄せながら、成長していく。
 膨大な時間をかけて、プラズマは、より大きなフィラメント的な渦を発達させていく。エネルギーの流れは次第に大きくなって行くが、フィラメントの成長は、ほぼ1000キロメートルの特性速度によって限界付けられている。渦が大きくなるにつれて、成長速度は低下していく。渦の成長と電流の大部分を運んでいた陽子のシンクロトン放射によりエネルギーの損失は均衡し渦は成長を止める。
 そのとき最大のフィラメントは直径100億光年に成長している。大きなエネルギーの流れが平衡から遠ざかるにつれて、重力的不安定性が生じる。フィラメントの、わずかな重力的収縮がその重力を増大させ、さらなる収縮を促す。このような収縮は新たなフィラメントのシステムを誘導し、収縮する物体の中心に向かって電流を引き寄せる。
 収縮によって生じた重力的エネルギーは部分的に電気的エネルギーに転換される。磁気のエネルギーは収縮する他の天体のプラズマと相互作用する事により、新たなフィラメント・システムを生み出し、それが増大する角運動量を分布させ、プラズマを圧縮し、より大きな重力エネルギーの解放を可能にする。

 ここで、不安定性の新たなサイクルが生まれた事になる。宇宙は巨大な送電網になり重力エネルギーを電気に転換する。それが、動力を供給し、より多くの物質を圧縮して、より多くのエネルギーを解放する。
 この新しい揺らぎのサイクルは、宇宙大規模構造、超銀河団、銀河団、銀河、星、などの階層を作り出す。
 収縮の各段階には固有の自然な限界がある。軌道速度がある幅の中に収まるような集中した天体を生みだす。それぞれの天体は順に部分に分裂する。その1つ1つは固有のフィラメント電流を持ち、それ自身の子孫を生む。

 重力エネルギー解放の1つのサイクルの「廃棄物」が、次のサイクルの「原料」になっているのである。


 ここまで読み進めてくると、在ることに気づく人が顕れてくることでしょう。

 このブログで、プラズマ宇宙論を取り上げた理由は、前回まで書き進めてきた「UFOと超科学」の中で、宇宙人と称された方々が説明されていました、「波動や振動」に関しての昭和50年当時の科学者にも理解出来そうな内容です。人類の皆さんにも解って戴きたいという思いを多くのひとに伝えたかったのでしょう。

 今回のテーマは「超科学のための補足」としました。



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