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私たちの住む宇宙はホワイトホールから誕生した?

2011年12月12日 | 宇宙
ブラックホールは“別の宇宙”への扉?

National Geographic News April 13, 2010

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100413002&expand#title

 宇宙はロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になっているのかもしれない。最新の研究によると、私たちの住む宇宙は、別の大きな宇宙のブラックホール内部に埋め込まれている可能性があるという。同様に、私たちの宇宙のブラックホールも、極小サイズから大質量のものまですべて“別世界”につながる出入り口の可能性がある。

 非常に衝撃的なこの新理論によれば、ブラックホールは宇宙と宇宙の間をつなぐトンネル、すなわち時空を高速で移動できるワームホールの一種ということになる。また、ブラックホールに引き寄せられた物質はブラックホールの中心(特異点)で押しつぶされるというのが通説だが、ブラックホールの裏側に“ホワイトホール”を想定してそこからあふれ出ていくと考えている(「Physics Letters B」誌4月12日号掲載)。

 この研究を行ったインディアナ大学の物理学者ニコデム・ポプラウスキー氏は、「ブラックホールに落ちていく物質の螺旋運動に関して新しい数学モデルを提示した」と説明。アルベルト・アインシュタインがブラックホールの中心にあると予測した「時空特異点」に代わる存在として、同氏の方程式が示すワームホールは十分にあり得るという。

 アインシュタインの一般相対性理論方程式によれば、ある領域内の物質が極めて高い密度を持つようになると常にそのような特異点(あらゆる物理量が無限大になってしまう点)が生まれるとされており、ブラックホールの超高密度の中心部がよく言及される。

 アインシュタイン理論では、特異点はゼロの体積で、逆にエネルギーと物質の密度は無限大になるとされている。この概念はさまざまな方面から得られた間接的な証拠によって支持されているが、このパラドックスは現在の科学者を悩ませる最大の難問だ。

 しかしポプラウスキー氏の考えが正しければ、こうした特異点説を受け入れる必要はなくなる。新方程式によると、ブラックホールに吸い込まれ破壊されるかのように思われる物質は、実は吐き出されて、別の現実世界の銀河や恒星、惑星の構成成分となっているという。

「ブラックホールをワームホールと考えることで、現在の宇宙論の謎をいくつか解明できる可能性がある」とポプラウスキー氏は話す。例えば、ビッグバン理論によると、この宇宙はある特異点から始まった。しかし、「そのような特異点がどのように形成されたのか」という点について満足のいく説明を提示できる専門家はいない。

 ポプラウスキー氏は、「私たちの住む宇宙が特異点ではなくホワイトホールから誕生したとすれば、ブラックホールやビッグバンの特異点に関する問題も同時に解明される」と話す。

 また、「ガンマ線バースト」と呼ばれる現象についても説明できる可能性がある。この宇宙でビッグバンに次ぐ強力な爆発現象であるガンマ線バーストは、発生原因が依然として謎に包まれているが、別宇宙からワームホールを通過して来た物質の放電と解釈できる。

 ポプラウスキー氏の理論は検証可能か否か。同氏は方法が少なくとも1つあるという。ブラックホールには回転しているタイプがある。この宇宙自体が回転するブラックホール内部で生まれたと仮定すると、我々も“親”の回転を継承していると考えてもおかしくない。

「将来、私たちの住む宇宙が予測可能な向きで回転しているとわかれば、ワームホール説を支持する間接的な証拠となる」とポプラウスキー氏は話す。

 さらに、ワームホール説は「なぜこの宇宙は物理学理論の予想と食い違うのか」という点についても解明の手掛かりになると考えられる。

 標準的な物理学モデルに基づくと、ビッグバン以降、この宇宙の曲率は時間の経過とともに増大しているはずである。つまり、大きさは有限だが果てはない。137億年が経過したいまでは、私たちがいる場所は閉じた球形の面を持つ宇宙ということになる。 しかし、これまでの観測結果によると、この宇宙はどの方向を見てもかなり平らなようだ。この謎はビッグバン理論において「平坦性(へいたんせい)問題」と呼ばれている。

 また、非常に初期の宇宙で誕生した光を解析したデータにより、ビッグバン直後の物質はすべてがかなり均質な温度だったことがわかっている。「宇宙の地平線」の両端にあり相互に作用したはずのない天体が、なぜ一様の性質を持つのか。この謎は「地平線問題」と呼ばれている。

 このような矛盾点を説明するため、「宇宙のインフレーション」という概念が考案された。インフレーション理論では、宇宙の誕生直後、指数関数的に光よりも速い速度で膨張したと考えられている。インフレーションが進み、宇宙は原子より小さなサイズから1秒もたたないうちに天文学的な大きさに広がっていった。そして、この理論が宇宙の地平線問題と平坦さの問題を一挙に解決した。

 しかし、インフレーションが実際にあったとしても、そのきっかけについて専門家たちはいつも説明に苦しんでいる。そこで、新しいワームホール説の登場だ。

 一部のインフレーション理論では、通常の物質とは異なる理論上の「エキゾチック物質」を想定している。重量に応じて引きつけるより、むしろ退ける負の性質を帯びている。

 ポプラウスキー氏は、「エキゾチック物質の誕生、それは初の大質量星の一部が崩壊してワームホールになった時と私の方程式は示している」と話す。「ワームホールを形成するエキゾチック物質とインフレーションの引き金となったエキゾチック物質の間には、なんらかの関係があるとみている」。

「ブラックホールの内部に別の宇宙が存在する」という説を唱えたのは、ポプラウスキー氏が初めてではない。以前、その可能性を指摘していたアリゾナ州立大学の理論物理学者ダミアン・イーサン氏は次のように話す。

「私たちの研究では解が存在する可能性を示しただけだったが、ポプラウスキー氏は一般相対性理論の枠内の方程式でブラックホールが宇宙間の出入り口となる現実解を発見している」。

「ただし」とイーサン氏は続ける。「あくまで理論上のアイデアだが。素粒子レベルを扱う量子重力の研究が今後進めば、この方程式も洗練され、ワームホール説が支持できるか棄却されるか判断できるだろう」。

 カリフォルニア大学デービス校の物理学者アンドレアス・アルブレヒト氏も次のように話す。「全体的に、ワームホール説は興味深いが、私たちの宇宙の起源を説明できる画期的な解答ではない」。

 もし別の親宇宙の物質があふれ出たとしても、起源という問題に関しては、謎を別の現実世界に転嫁しただけではないのか。その親宇宙のほうは一体どうなるのだろう。

「ただ、宇宙をつなぐワームホールというアイデアは、ブラックホールの特異点というアイデアと比べて特に突飛な話ということでもない。新説が珍妙に聞こえるとしても退けてしまうには惜しい。この分野で扱う事象はすべて、かなり風変わりなのだ」。

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19 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宇宙誕生 (鈴木行次)
2015-07-06 20:50:44
私はハッブルの法則から自分で作った式をいじっているとこの宇宙はホワイトホールから誕生したことになってしまいました。びっくり! この式で計算すると宇宙誕生の時の大きさを計算することもできます。式に代入する値(現在の宇宙の大きさ、年齢)によって求めることができます。最初は宇宙誕生の時の大きさを知りたくて式を作ったのですが。私の計算ではおよそ8.6×10のマイナス12乗(cm)です。
鈴木行次 (その木に成って55)
2015-07-07 20:15:31
鈴木行次さん、コメント有り難うございます。

10のマイナス12乗(cm)ということは、ホワイトホールの吹き出し口の大きさは、ヘリウム原子と同じ位の大きさということですね。プランク長に比べると10の23乗も大きな特異点ですね。4600億光年の大きさとして計算するとどのくらいの値になるのでしょうか?
宇宙誕生 (鈴木行次)
2015-07-07 21:56:03
すみません誤記入です。マイナスを削除してください。8.6×10の12乗(cm)です。太陽系の大きさと比較するとどれくらいになるでしょうか?
4600億光年の場合はあとで計算してコメントします。でもその場合は宇宙年齢とハッブル定数はどうすればよいのでしょうか?
鈴木行次さんへ (その木に成って55)
2015-07-08 10:38:24
 ハッブルの法則は、天体が我々から遠ざかる速さとその距離が正比例することを前提とした法則ですね。

 鈴木さんは、このハッブルの法則から自分で作った式をいじっていると、この宇宙はホワイトホールから誕生したことになってしまったのですね。そして、この式で計算すると宇宙誕生の時の大きさが約8.6×10の12乗(cm)になったのです。この数値は太陽から金星までの距離10.8×10の12乗(cm)になっています。

 我々の太陽系全体の質量は、太陽の質量より少しだけ重いんですが、この質量全体がブラックホールになったとすると、直径10Kmくらいの球体になります。

 そこで、今度は鈴木さんの考えられた式でホワイトホールが10Km、時間を4600億年とすると、ハッブル定数が大きく変わってくるのではないでしょうか?

 「光速一定」とか、定常宇宙あるいは膨張宇宙などとは異なった展開が開けてくるかも知れませんね。
宇宙誕生 (鈴木行次)
2015-07-08 11:23:08
式をいじっているといっても、私は素人で専門家でないので良く解らないことが多いのですが、貴方の提案のように現在の宇宙の大きさを4600億光年、宇宙年齢を4600億年として計算して見るのも面白いですね。計算が難しいので多少時間がかかるかもしれません。私の考えでは宇宙誕生の時の大きさはホワイトホールのエネルギー、物質の吐き出し口の大きさということになりますが、それが10㎞という結果にはなりませんでした。貴方の提案の数値によって計算すると10㎞になるとよいですね。
なおホワイトホールはその先がワームホールと繋がっていると思いますが私の式ではその中に特異点が存在するようです。ただしその特異点はワームホールの無限の過去に存在することになっています。これをどのように解釈してよいか私には良く解りません。
宇宙誕生 (鈴木行次)
2015-07-10 09:25:46
計算が終了しました。およそ3.7×10の9乗(cm)です。相当小さくなっています。結果について考察をお願いします。
宇宙モデルとハッブル定数 (鈴木行次)
2015-10-06 09:27:30
今度は宇宙モデルについて考えてみました。私の考えた宇宙モデルは4次元宇宙(4次元空間球)です。このモデルを使ってハッブル定数を計算してみました。計算値は約72(㎞毎秒/MPC)でした。最新のハッブル定数は67.15(㎞毎秒|MPC)ですからそれと私の計算値は近いものです。果たしてどちらが正しい値でしょうか? 驚いたことに我々の宇宙の後退速度が光速になる天体までの距離と我々と4次元宇宙の中心(宇宙誕生の時点)までの距離が等しくなりました。これは偶然でしょうか?それとも何か意味があるのでしょうか?
宇宙の大きさ (鈴木行次)
2016-02-18 10:45:48
宇宙モデルで宇宙の大きさを計算しました。44ケタの数値になりました。最初の3桁だけ計算しました。8.16×10の44乗㎞です。この値は正しいでしょうか?誰か判定してください。
プランクサイズのエネルギー(Ep) (鈴木行次)
2016-02-19 11:12:01
EPを不確定性関係から求めました。5×10の16乗erg
になりました。 これはエネルギー量子の式とゼロ点エネルギーの式からも求めることができます。計算したらそれぞれ5×10の16乗と6×10の16乗になりました。ゼロ点エネルギーの式の計算において2分の3の平方根を1にすると
全部等しい値になります。それでゼロ点振動は3次元振動ではなくて2次元振動ではないかとおもいます。
4次元宇宙と相対せん理論 (鈴木行次)
2016-03-02 13:46:37
私の考えた4次元宇宙モデルは大きさは計算しましたが、今度はこのモデルと相対性理論、ブラッツクホールとの関係を考察したいのですがこの理論は誰でも理解できない難しい理論なので困っています。質量のある物体によって4次元宇宙の表面が重力によって凹むのではないかと思っていますが重力の強さと凹み具合がどうなるのか?その時空間、時間の伸縮はどうなるのか?これはEinsteinの重力方程式で計算できるのではないのかと思っていますがどうでしょうか?またモデルを考察するとき一番不可解なのは時間です。時間の正体や位置付けなどよくわかりません。

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