欧州宇宙機関(以下ESA)によって、地球磁気圏の観測をおこなっている3基の人工衛星SWARM(以下スウォーム)から送られてきた最新の高解像度のデータにより、私たちの地球を保護している地球磁場の最近の変化が明らかになりました。
スウォームは2013年11月から運用されており、宇宙線の衝突や荷電粒子から地球上の私たちを保護してくれている地球磁場の複雑な仕組みに対して前例のないデータを提供してくれています。
地球の磁場の構造は、図1のような不安定な構造になっています(左側が太陽方向)。
図1:地球の磁場
そして、2014年6月の地球の磁場の様子は図2のようになっています。
図2:2014年6月の地球の磁場
スウォームから送られてきた最新の高解像度のデータによると、過去6ヶ月の間におこなわれた観測から、磁場は地球の西側(図の左側)で劇的に減少しており、全般的にも地磁気が弱くなっていることを示しています。他方、たとえばインド洋南部などでは、磁場は今年1月以来強くなっています(図3参照)。
図3:地球の磁場の変化
また、最新の測定で、北の磁極(N極)がシベリアの方向に向けて移動していることも確認され、これらの変化は地球の核に由来する磁気の影響に基づいています。科学者達は、他の情報源(マントル・地殻・海洋、あるいは電離圏や磁気圏)等からの磁気の影響を解明するために、今後数ヶ月にわたってデータを分析するとのことです。
これらの情報は、地球内部で発生する自然現象のプロセスが、太陽活動によるものだとする新しい考えを提供するのかもしれません。同様に、地球の磁場が弱まっている原因解明のきっかけとなるのかもしれません(詳しくは以下のサイトより)。
Swarm reveals Earth’s changing magnetism ESA(欧州宇宙機関)2014.06.19
http://www.esa.int/Our_Activities/Observing_the_Earth/Swarm/Swarm_reveals_Earth_s_changing_
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