いはゆる内定なんだけど・・・

１年振りの「再就職記」。

再就職支援會社から求人案件を２件紹介された。
２月６日にＳ社の人事課長職、２月１０日に某法人Ｋの庶務課長職。
Ｓ社は正社員で、某法人Ｋは３年間の契約社員。
職務内容はＳ社のはうがこれまでのキャリアを十分に活かせる。
年收も、どつちもどつちとは云へ、提示されてゐる上限はＳ社のはうが高い。
ただし、某法人Ｋは通勤時間が３０分は短いし、日々の殘業はほとんどなく、のんびりと餘生を（？）過せさう。

２月１６日、再就職支援會社から面接の案内が屆いた。
２月２０日に某法人Ｋ、２月２４日にＳ社。
この時點では、どちらか先に内定を出してくれたはうに決めやうと思つてゐた。

２０日、某法人Ｋの面接を受けた。
人事のキャリアはあまり活かせさうになかつたが、自分に出來ることは何でもやらうと思つた。
ただ、氣になつたのは、この法人、財務的にはかなり嚴しいといふこと。
面接してくれた人がさう云ふくらゐだから、間違ひないだらう。

２３日、某法人Ｋの、今度は理事長の面接。
理事長の豫定が變更になり、面接はわづか１０分足らずだつたが、その日のうちに内定となつた。
その瞬間は嬉しかつたし、ここで働かうと思ひ、そのやうに答へたのだつたが・・・
その後、事務局長が耳を疑ふやうなことを云ひ出した。
「２年あまりも仕事についてゐなかつたわけだし、時間はあるでせうから、３月から來て貰へますか？」
「はい、大丈夫です」
「契約は４月からになりますが、３月は交通費とベントウ代程度は拂ひますので都合がつく日に來て下さい」
はあ？
何、それ。
要するに、４月の契約より前に仕事に慣れて欲しいといふことらしい。
それは理解出來るが、いくら財務的に苦しいと云つても、給與を支給しないといふのは・・・。
こんな非常識なことを平氣で口にするやうな組織なんだと思ふと、一氣に氣持ちが萎えてしまつた。

２０日の面接の時に、２４日には他社の面接を受けると話しておいたのだが、そのことを聞かれた。
「あしたの面接は受けるのですか？」
もともと、一度受けると決めて先方に傳へてゐたので、内定を頂いても面接だけは受けるつもりだつた。
「はい、受けます」
「キャンセルすることは出來ないのですか？」
「出來ないことはないでせうが、キャンセルするつもりはありません。前日のキャンセルは先方に失禮になりますので」
タダ働きの話さへなければ、もしかしたらキャンセルしたかもしれない。
でも、あんな話を聞いてしまつては、Ｓ社の面接を受ける意欲が高まるばかり。
３月の件は、とりあへず答へを保留して、歸宅した。

かうなつたら、何とかＳ社から内定を勝ち取らなくては。