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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「ゲームの名は誘拐」 東野圭吾

2006-01-21 02:38:10 | 讀書録(ミステリ)
ゲームの名は誘拐

光文社

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お薦め度:☆☆☆☆


人生はゲームだといふ信条を持っている男が、ひよんなことから狂言誘拐を企んだ。
誘拐されたことになつたのは、大手自動車メーカーの副社長の娘。
この副社長は豪腕の経営者で、主人公のクライアントにあたる。
主人公の進めていたプロジェクトにストップをかけ、主人公をプロジェクトリーダーから降ろした男だ。
この副社長の鼻をあかしたいと考えた主人公にとつて、娘の誘拐はまさにゲームであつた。

一方、娘のはうはといへば、どうやら家出したいやうなのだ。
二人の利害が一致したところで、この「誘拐」ゲームはスタートした。
果たして、首尾よくゲームを終えることが出来るのか。

身代金の受け渡しについては、さしたる工夫はない。
被害者が共犯者でもあるといふ特殊な事情ならでは。
ただし、家族(副社長)への連絡手段は面白かった。
ひと昔前なら考えられない。

全體の4分の3ほどのところで、「誘拐」ゲームは終了したかに見える。
では、殘りの4分の1は?
まるで「騙し繪」のやうな・・・
見る角度を變へると、ひとつのストーリーが裏かへつて、まつたく違ふ樣相を呈する。

テンポのよいストーリー展開と、犯人&被害者の共犯關係が面白い。
そして、もちろん最後のどんでん返しも!


2006年1月20日讀了

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