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お薦め度:☆☆☆+α
村上春樹がそれぞれの短篇をどのやうに讀んだかを知ることにより、村上春樹といふ作家のものの見方や考へ方の一端に觸れることが出來る。
この本は、さういふ意味でも貴重だと思ふ。
安岡章太郎「ガラスの靴」をとりあげてゐる章では、村上春樹の小説作法の一端を垣間見ることができる。(文庫のP100~101)
ファンタジーによるリアリティの獲得、現實以上に現實的で切實なものを表現することこそが物語の力だといふこと。
いくぶん抽象的な表現ではあるが、なるほどと感心した。
私にとつては、この部分だけでも、この本を讀んだ價値があつた。
2005年11月17日讀了
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