【1979年】(浪人)
H、上京
河合塾一次摸試 成績表返却 47位!
駿台一次摸試 答案返却
木曜日。
H上京、喫茶「穗高」で逢ふ。
8月29日の「Hショック」 以來、私は眞劍に受驗勉強に打ちこんだ。
そのお蔭か、この日、目に見える成果に接することが出來た。
といふのは、11月3、4日に受けた河合塾の共通一次摸試の結果が豫想以上に良かつたのだ。
なんと、志望大學の受驗者の中で47位といふ好成績!
文學部、法學部などの志望學部單位の順位ではなく、その大學を志望する受驗者すべてのなかでの順位だといふのが凄い。
嬉しくてHに報告。
Hに、凄いね、と襃めて貰ひ、私は子供のやうに喜んだ。
好きな人に評價して貰へると、ますますやる氣が出てくるものだ。
浪人時代、かうして月に一度Hに逢へたのは、私のその後の人生に大きな影響を與へてくれた。
もし、Hと逢ふことがなかつたら、私は受驗勉強に正面から向き合ふことが出來なかつたかもしれない。
この日、11月18日に受けた駿台の共通一次摸試の答案が返された。
得點は870點。
前年の共通一次でHが取つた點數と一緒だ。
駿台の摸試は受驗者のレベルも高く、問題も難しいと云はれてゐる。
なので、この點數が全受驗者の中でどの程度の位置付けになるのか、豫想もつかなかつた。
それがわかるのは、12月11日、個人表が返される時。
樂しみなやうな、怖いやうな・・・
【1980年】(1囘生)
バイト(15時まで) ¥2,520
大フィル 18:30 豐中市民會館大ホール
朝比奈隆指揮。 「ローマの贖肉祭」、チャイコ「Vn協奏曲」、「第5」
土曜日。
この日は、阪急曾根驛前にある豐中市民會館大ホールまでコンサートを聽きに行くことにしてゐた。
18時半からなので、鞍馬でのバイトは15時までで切上げた。
バイト代が¥2,520だつたといふことは、¥420×6時間、10時からバイトを始めたのだと思はれる。
コンサートは朝比奈隆指揮の大フィル。
演奏曲目は、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」、チャイコフスキー「Vn協奏曲」、ベートーヴェン「第5」。
チャイコの「Vn協奏曲」のソリストは 辻久子 。
朝比奈隆 と辻久子といへば、關西のみならず日本の誇る音樂家だ。
期待するなといふはうが無理だらう。
しかし、コンサートは慘怛たるものだつた。
別に演奏家が惡いのではない。
問題は聽衆だ。
このコンサートは、「○○○名曲の夕べ」だつた。
○○○のところには、確か「母と子の」とかそんな言葉があつたと思ふ。
つまり、聽衆には子供が多かつたのだ。
さすがに騷ぎ出すガキはゐなかつたが、曲の最中に「もう歸りたい」とささやく子供が隣に座つたのが第一の不幸だつた。
さらに酷かつたのが、ドリンクの罐。
子供の飮んだ罐だと思ふが、それが演奏の最中に轉がり落ちたのだ。
それが靜かな曲調の時だつたからたまらない。
朝比奈さんの背中がびくりと動いたのが、私のところからも判つたほど。
當時72歳の朝比奈さんだけに、心臟發作でも起こさないかと心配になつた。
辻久子さんは殘念だつた。
音に輝きがなく、のびやかさもない。
當時まだ54歳だつたのに、ヴァイオリニストはピアニストや指揮者と違つて衰へが早いのだらうか。
【1983年】(4囘生)
リヒテル平均律全集、買ひ損ねる
火曜日。
私のもつとも好きなピアニスト、リヒテル。
そのリヒテルの數ある録音のなかでも名演と譽れ高いレコードが、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」。
買はうと思つてゐたのはわかるが、買ひ損ねるといふのがわからない。
誰かに先に買はれてしまつたのかな?
H、上京
河合塾一次摸試 成績表返却 47位!
駿台一次摸試 答案返却
木曜日。
H上京、喫茶「穗高」で逢ふ。
8月29日の「Hショック」 以來、私は眞劍に受驗勉強に打ちこんだ。
そのお蔭か、この日、目に見える成果に接することが出來た。
といふのは、11月3、4日に受けた河合塾の共通一次摸試の結果が豫想以上に良かつたのだ。
なんと、志望大學の受驗者の中で47位といふ好成績!
文學部、法學部などの志望學部單位の順位ではなく、その大學を志望する受驗者すべてのなかでの順位だといふのが凄い。
嬉しくてHに報告。
Hに、凄いね、と襃めて貰ひ、私は子供のやうに喜んだ。
好きな人に評價して貰へると、ますますやる氣が出てくるものだ。
浪人時代、かうして月に一度Hに逢へたのは、私のその後の人生に大きな影響を與へてくれた。
もし、Hと逢ふことがなかつたら、私は受驗勉強に正面から向き合ふことが出來なかつたかもしれない。
この日、11月18日に受けた駿台の共通一次摸試の答案が返された。
得點は870點。
前年の共通一次でHが取つた點數と一緒だ。
駿台の摸試は受驗者のレベルも高く、問題も難しいと云はれてゐる。
なので、この點數が全受驗者の中でどの程度の位置付けになるのか、豫想もつかなかつた。
それがわかるのは、12月11日、個人表が返される時。
樂しみなやうな、怖いやうな・・・
【1980年】(1囘生)
バイト(15時まで) ¥2,520
大フィル 18:30 豐中市民會館大ホール
朝比奈隆指揮。 「ローマの贖肉祭」、チャイコ「Vn協奏曲」、「第5」
土曜日。
この日は、阪急曾根驛前にある豐中市民會館大ホールまでコンサートを聽きに行くことにしてゐた。
18時半からなので、鞍馬でのバイトは15時までで切上げた。
バイト代が¥2,520だつたといふことは、¥420×6時間、10時からバイトを始めたのだと思はれる。
コンサートは朝比奈隆指揮の大フィル。
演奏曲目は、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」、チャイコフスキー「Vn協奏曲」、ベートーヴェン「第5」。
チャイコの「Vn協奏曲」のソリストは 辻久子 。
朝比奈隆 と辻久子といへば、關西のみならず日本の誇る音樂家だ。
期待するなといふはうが無理だらう。
しかし、コンサートは慘怛たるものだつた。
別に演奏家が惡いのではない。
問題は聽衆だ。
このコンサートは、「○○○名曲の夕べ」だつた。
○○○のところには、確か「母と子の」とかそんな言葉があつたと思ふ。
つまり、聽衆には子供が多かつたのだ。
さすがに騷ぎ出すガキはゐなかつたが、曲の最中に「もう歸りたい」とささやく子供が隣に座つたのが第一の不幸だつた。
さらに酷かつたのが、ドリンクの罐。
子供の飮んだ罐だと思ふが、それが演奏の最中に轉がり落ちたのだ。
それが靜かな曲調の時だつたからたまらない。
朝比奈さんの背中がびくりと動いたのが、私のところからも判つたほど。
當時72歳の朝比奈さんだけに、心臟發作でも起こさないかと心配になつた。
辻久子さんは殘念だつた。
音に輝きがなく、のびやかさもない。
當時まだ54歳だつたのに、ヴァイオリニストはピアニストや指揮者と違つて衰へが早いのだらうか。
【1983年】(4囘生)
リヒテル平均律全集、買ひ損ねる
火曜日。
私のもつとも好きなピアニスト、リヒテル。
そのリヒテルの數ある録音のなかでも名演と譽れ高いレコードが、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」。
買はうと思つてゐたのはわかるが、買ひ損ねるといふのがわからない。
誰かに先に買はれてしまつたのかな?
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私も、学生時代、阪神競馬場でバイトしてました。
いや「競馬」ぢやなくて「鞍馬」なんです。
さういへば「鞍」も競馬で使ひますね。
似てゐるかも。
これから、ちゃんと記事を読みます。