仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「犬も平気でうそをつく?」 スタンレー・コレン

2007-02-12 20:48:52 | 讀書録(一般)
「犬も平気でうそをつく?」 スタンレー・コレン
お薦め度:☆☆☆☆ /
2007年2月6日讀了


本屋をぶらついてゐた時に、この本の表紙に出會つた。
なんてかはいい柴犬なのだらう!
しかも、帶には、「愛犬のしつけに惱むあなたへ」とあり、表紙のワンコから「期待はほどほどに」といふフキダシが・・・
これは買ふしかないだらう。

犬について、いままで知らなかつたことを學んだ。
たとへば、犬のオシッコにはフェロモンの化學物質が溶け込んでゐるため、その犬の感情まで傳へるのださうだ。
恐怖の感情があれば、それがオシッコの匂ひに反映するらしい。
つまり、犬たちは人間のからだの匂ひで、その人間の感情までわかるといふことか?
警察犬は怯える犯人の「恐怖の匂ひ」を追跡してゐるといふから凄い。

匂ひの話では、ほかにも、人間の癌の匂ひを嗅ぎ分ける犬もゐるらしい。
その犬は、癌患者7人のうち4人の癌を嗅ぎ分けたのみならず、通常の人の筈だつた人にしつこく警告の合圖を出したので、調べてみたらその人に惡性腫瘍が發見されたとか。

犬のしつけには、犬の「プラスの感情」を引出すことが大切なのだとか。
つまり、犬に聲をかけておやつなどをあげると、犬はその人に聲をかけられるだけで「プラスの感情」が涌きだすやうになる。
それが、つまりは、犬と人間との絆を深めることになるのだ。
なるほど、我が愛犬・穗高クンも私より嫁はんになつくわけだ。

また、犬も老いてくると、自分の過去に學んだ解決方法に拘はつてしまひ、新しい方法を覺えられなくなるらしい。
なんと、これは人間と一緒ではないか!
自分の成功體驗が陳腐化してゐることに氣づかず、いつまでも同じやりかたを押付ける上司の存在は、どこの會社にも見られるだらう。
これからは、さういふ上司を見たら、自分の飼ひ犬の老後を思ひ浮べやう。
さうすれば、相手に對して、惻隱の情が浮んでこようといふものである。

犬を飼つてゐる人、犬が好きな人にはお薦めの一册だ。



犬も平気でうそをつく?

文藝春秋

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6 コメント

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犬ってすごいですね (coollife)
2007-02-13 21:54:06
先日腹痛のまま、羽田空港をうろうろしてた時、JAL側の出発口の近くに警察犬2匹と警官が数人整列して待機していました。
テロの警戒か?麻薬の捜査か?
いずれにしても、警察犬を見て、「ヤバイ!」と思った人のにおいを嗅ぎ出そうとしているのかもしれませんね。
その時は、思わず頑張ってね、と応援したくなりました。
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麻藥犬? (仙丈)
2007-02-13 22:52:05
coollifeさん

出發口の近くだつたら、もしかして麻藥犬?
まだ實物は見たことないんですが・・・
ワンコがさういふ働きをするつて、凄いなあと思つてしまひますね。
うちの穗高に、爪の垢でも飮ませてやりたいくらゐです(笑)

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猫は・・・ (ken)
2007-02-14 13:14:04
どうなんでしょうね~?

ウチはペットは飼えないのですが(共稼ぎだったし・・・今はまして)、近所に野良猫が山ほどいます。そのうち3匹が息子になついているんです。
そのなかのまた1匹が、なんとウチの家族のことは全部覚えていて、ボクが帰宅してエレベーターに乗ろうとするところに居合わせると、一緒にエレベーターに乗って、我が家まで来てしまう。
来たからって、食い物をやるわけでもなんでもない。
でも、来るんですヨ。
「お前、頭いいなー」
って、みんなでかわいがっています。

こんな話ですみませんけれど、家内が死んだ日、たまたまボクと子供たちが家を空けているあいだに、こいつがうらと現れて、それまで上がり込んだことがないのに、部屋まで入ってきた。

あとで、ボクがそいつの頭をなでて
「おばちゃんはさ~、死んじゃったヨ」
って言いました。やつはきょとんとした顔、だったように思っていましたけれど。

それっきりで、以後は家には来てくれてないんですけどね。
なにか、やっぱり感じる力があるんじゃないか、と思うしかない気がしています。
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ミステリアス (仙丈)
2007-02-14 19:47:18
kenさん

猫つて、とてもミステリアスなところがありますよね。
私は猫も好きなんです。

漱石が「猫」を書いたやうに、猫は人間のことを觀察してゐるやうなところがあります。
そして、彼らなりに何事かを考へてゐる・・・
もちろん、犬もさうなのでせうが、猫のはうが斷然神祕的ですね!

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たしかに神秘的、ですね。。。 (ken)
2007-02-15 10:10:15
というわけだからでもないのかどうか、
古代エジプト人は猫のミイラは作っていますよね。

犬のミイラは、作ってたのかなあ?

あれまあ、とんでもない脱線で。

とにかく、
生きとし生けるもの、すべて「いのち」は大切ですね。
「いのち」の意味を人間みたいに<哲学じゃっ!>なんて考えてるようじゃあ、逆に大切さを見失うかもしれませんね。
のびのび駆け回る「穂高」君の笑顔にも励まされていますからね!

<春満喫の穂高>
なんていう特集を、またきっと組んでくださいますよね?
それを印刷して、仕事サボって御茶ノ水に行って見ようかな?
(内勤が常でチャンスが少ないのがイタイ。)

どうも、脱線から抜けられませんで。
失礼しました。
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 (仙丈)
2007-02-15 20:23:19
kenさん

エジプトでも猫は家族同然だつたのでせうね。
それとも神の使なのかな?
ワンコはエジプトにはゐなかつたりして・・・
そんなことないかな?

<春満喫の穂高>
あ、さうですね。
穗高の寫眞も少しづつ撮つてゐるので、アルバムをアップしようかなあ。
それを左のメニューの「Bookmark」に入れておくとか・・・

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