「酔生夢死か、起死回生か。」 阿川弘之 北杜夫

「酔生夢死か、起死回生」 阿川弘之 北杜夫
お薦め度：☆☆☆ /
２００７年２月７日讀了


北杜夫と阿川弘之の對談集。
６編の對談が收録されてゐるが、その最初の對談の最後に北が云ふ。
「これ、僕の最後の對談です。」

北杜夫は昭和２年生まれなので、今年で７９歳。
最初の對談は平成７年だから、まだ６８歳。
それなのに、いまにも死にさうなことを云つてゐる。
かたや、阿川は大正９年生まれで、北より７つ年上だから今年８６歳。
１１年前でも７５歳だといふのに、じつに溌剌としてゐる。
さすがは元海軍將校だ。

こんな對照的な二人であるから、話がかみ合はないこと甚だしい。
それなのに、昔からの友人といふだけあつて、釀し出される空氣の暖かいこと。
年をとつても、かういふ風に附き合へる友人が欲しいものだ。

阿川の作品を「春の城」あたりから讀み返してみたくなつた。
北の「幽靈」も讀み返さうかな？

酔生夢死か、起死回生か。 新潮社 このアイテムの詳細を見る