
固定資産税を納めるため、電車でひと驛のところにある銀行まで歩いて行つた。
「未知の道」 を見つけるまでは、最寄驛まで20分ほど歩き、電車に乘つてひと驛、さらにその驛から3分ほど歩いてゐた。
いまは「未知の道」(もう既知の道になつたから名前を考へなくては)を使つて、歩いて25分。
電車を使はなくても所要時間は一緒なので、電車賃がセーブできる。
往復¥320、罐チューハイなら2本買つて100均ツマミまで買へる。
「未知の道」はわづか1分ほどとはいへ山道を通る。
その山道を下ると、澤沿ひの小徑に出る。
その小徑の片側は澤で、その反對側は雜木が覆ひ被さつてゐるのだが、その中に枇杷の木があつた。
まだ青い實だが、まさしく枇杷だ。
枇杷といふと、私は高校時代を思ひ出す。
當時、私は山岳部に入つてゐて、毎日トレーニングに明け暮れてゐた。
高校から近くの畜産試驗場までランニングするのだが、6月になるとそのコースの途中に枇杷の實のなつてゐるところがあつた。
6月は澤登り山行のための練習で、體力強化よりも岩登りの練習がメインだつたので、歸りはのんびりと歩いて歸つて來た。
で、その枇杷の木の實を頂いて、甘さと水氣に疲れを癒したものだつた。
もうぢき、枇杷の季節。
うす皮を剥いて、手をべたべたにしながら、實を頬張り、大きな種をペッと吐き出す。
しつこくない爽やかな甘さが口に廣がる。
枇杷を食べると、ああ夏はもうすぐだと思ふ。
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