仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

春まだ淺き知床旅情(その3)

2004-05-02 00:35:56 | 仙丈放浪記
場所(地域) 北海道
場所(詳細) 知床・網走方面
時期 2004年4月30日
費用 ~70000円
ワンポイント 水芭蕉の大群生!


<4月30日>

朝5時に目が醒めた。
きのふの3時に較べればまだましだが、これではまるでおぢいさんではないか!
相變らず眠りは淺い。
しかたないので、きのふ同樣、風呂に行つた。
きのふと違ひ、けふは3人先客がゐた。
どうやらグループ旅行のやうで、途中で一人入つて來た。
4人といふことは麻雀でもしてゐたのかもしれない。
居心地がよくなかつたので、早々に引き揚げた。

朝食は7時から。
10種類くらゐのおかずが少しづつ盛付けられてゐて、美味しい朝食だつた。
食後、ロビーにある喫茶コーナーでコーヒーを飲む。
出發は9時で時間があつたので、部屋に戻つて讀書の續き。
太田蘭三『死に花』を讀了した。

9時出發。
能取岬で福壽草の群生を見て、博物館「網走監獄」へ。
ここは、昭和60年まで使はれてゐた網走刑務所の建物を移築した博物館。
かつての獄舍など、そのままの状態で見ることが出來て面白い。
ただ、やたら人形が使はれてゐて、なかには氣持惡いものもあつた。
特に移動宿舍?などでは、人形が蒲團の中に寢てゐるのだが、どうにも惡趣味な氣がした。
あの人形の中に死體が紛れ込んでゐても、なかなか氣づかないだらう。
推理小説の出だしに使へるのでは、なんて、つまらぬことを考へた。

博物館を見學した後、すぐにひる飯。
食事會場は、網走刑務所のはす向ひ。
食事時間の12時まで30分ほど時間があつたので、刑務所の正門まで歩く。
正門前には、ニポポ人形の形をした公衆電話ボックスがあつた。
以前は網走驛前にもあつたさうだが、いまは、この刑務所正門前のものが唯一のものらしい。
正門前には、受刑者たちによる作品の展示館があつた。
ここでは、網走刑務所の受刑者や、他の刑務所の受刑者達の作つた作品が展示販賣されてゐる。
家具など素晴らしいものが驚くほど安く販賣されてゐた。

食後、女滿別空港に向ふ途中、網走湖畔の水芭蕉の群生地に立ち寄つた。
たくさんの水芭蕉が咲いてゐて、美しかつた。
これまでに、尾瀬ヶ原など、山で何度も水芭蕉は見てゐるが、これだけ多くの水芭蕉が咲いてゐるのを見たのは初めてのこと。
尾瀬は6月が最盛期なのに、ここでは4月末でこんなに咲いてゐる。
やはり緯度が高い所爲なのか・・・?

女滿別空港で、3日間お世話になつた現地添乘員の加藤さんとお別れ。
臨機應變にスケジュールを組み替へて下さり、ありがたかつた。
歸路は、伊丹空港行14時15分發の便。
2時間のフライトになるので、女滿別空港で本を購入。
池波正太郎『幕末新選組』。
永倉新八の生涯を描いた作品である。
機内で、時々うとうととしながら、この本を讀んでゐた。

伊丹空港に午後4時半頃到着。
暑い。
知床と大阪、同じ日本とはいへ、氣温の差は豫想以上に大きかつた。
荷物を運ぶうちに汗が滲んで來た。
旅の終はりを實感した。

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