「ルパンの消息」 横山秀夫
お薦め度:☆☆☆☆ /
2007年5月22日讀了
1991年、第9囘 「サントリーミステリー大賞」 佳作賞受賞作。
横山秀夫の原點とも云はれ、デビュー前に書かれた「幻の處女作」とも云はれる作品である。
ただし、2005年に光文社から刊行されるにあたつて、作者による改稿がなされてゐる。
1975年12月、不良高校生(死語?)の3人組がテスト問題を盜み出す計畫を立てた。
名付けて「ルパン作戰」といふ。
そして、その作戰實行當夜の9日に、一人の女性教師が學校の屋上から墜落死してゐた。
この作品の「現在」は1990年の12月9日。
すなはち、女性教師の墜落死から15年、もし殺人事件であれば時效が完成する日だ。
その前夜、當局に「あの事件は殺人事件だ」といふタレコミがあつたらしく、搜査員たちは、わづか1日の間で時效を迎へる事件を搜査する破目になつたのだ。
搜査員たちは、「ルパン作戰」を實行した當時の高校生を探し出し、署に連行して當時のことを語らせる。
果たして、女性教師の墜落死はほんたうに殺人事件だつたのか?
犯人はいつたい誰なのか?
迫る時效完成時間との勝負。
この作品を讀んでゐて、最初に違和感を感じたのは、取り調べ室で調書を記録する美しい婦人警官の存在。
あまりにも、登場した際の描寫が丁寧で存在感がある。
もちろん、彼女の存在はあとで大きな役割を果たすことになる。
ストーリーが命といふ作品なので、ここであまり書くつもりはない。
ただ、1968年に起つた3億円強奪事件が關係してくるといふことだけは書いておきたい。
私の少年時代と重なる時代、「昭和」を感じさせる、どことなく懷かしいやうな作品だつた。
お薦め度:☆☆☆☆ /
2007年5月22日讀了
1991年、第9囘 「サントリーミステリー大賞」 佳作賞受賞作。
横山秀夫の原點とも云はれ、デビュー前に書かれた「幻の處女作」とも云はれる作品である。
ただし、2005年に光文社から刊行されるにあたつて、作者による改稿がなされてゐる。
1975年12月、不良高校生(死語?)の3人組がテスト問題を盜み出す計畫を立てた。
名付けて「ルパン作戰」といふ。
そして、その作戰實行當夜の9日に、一人の女性教師が學校の屋上から墜落死してゐた。
この作品の「現在」は1990年の12月9日。
すなはち、女性教師の墜落死から15年、もし殺人事件であれば時效が完成する日だ。
その前夜、當局に「あの事件は殺人事件だ」といふタレコミがあつたらしく、搜査員たちは、わづか1日の間で時效を迎へる事件を搜査する破目になつたのだ。
搜査員たちは、「ルパン作戰」を實行した當時の高校生を探し出し、署に連行して當時のことを語らせる。
果たして、女性教師の墜落死はほんたうに殺人事件だつたのか?
犯人はいつたい誰なのか?
迫る時效完成時間との勝負。
この作品を讀んでゐて、最初に違和感を感じたのは、取り調べ室で調書を記録する美しい婦人警官の存在。
あまりにも、登場した際の描寫が丁寧で存在感がある。
もちろん、彼女の存在はあとで大きな役割を果たすことになる。
ストーリーが命といふ作品なので、ここであまり書くつもりはない。
ただ、1968年に起つた3億円強奪事件が關係してくるといふことだけは書いておきたい。
私の少年時代と重なる時代、「昭和」を感じさせる、どことなく懷かしいやうな作品だつた。
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もちろん、ミステリとして謎解き部分もすごくおもしろいのですが、15年前の事件の真相が明かされた後、さらに意外な…この部分が胸に迫りました。よい書籍をご紹介いただいて、ありがとうございました。
さうなんですよね。
この内容はさすがにネタバレさせるわけにはいきませんので、書けませんでした。
>よい書籍をご紹介いただいて、ありがとうございました。
さう仰つて頂けると、ひとり默々とレビューを書いてゐる甲斐がありました(笑)
こちらこそ、コメントを頂き、どうもありがたうございました!