公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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NCPR

2018年07月31日 | 日記
どうも、研修医の鈴木です。

みなさんは、NCPRってなんだかわかりますか?



これは新生児心肺蘇生法(Neonatal Cardio-Pulmonary Resucitation)のことです。その名の通り産まれたばかりの赤ちゃんに対する心肺蘇生法のことです。現在13万人が受講しているNCPRでは、出生直後の新生児に対する人工呼吸および胸骨圧迫、気管挿管などをトレーニングできる講習会です。この講習会は医師はもちろんのこと看護師や助産師、救急救命士、医学生、看護学生などを対象として全国各地で開催されています。ちなみにBLSやACLS、PALS(成人、小児の心肺蘇生法)はよく知られていますね。
私は7月に産婦人科を回る前にNCPRを福島医大で受講してきました。今日、ちょうどNCPRの認定証が届きました!こういう認定証はただの肩書でしかないですが、ちょっとは自信になります。
NCPRを受講したことで産婦人科を回っている間は自然分娩での新生児の初期処置をやらせてもらいました。ほとんどの赤ちゃんは元気に産まれてきたので人工呼吸などはやりませんでしたが、新生児の保温、乾燥、気道確保、APGARスコアの採点をさせて頂きました。ちなみに帝王切開で産まれた新生児はNICUの先生方がオペ室で待機して蘇生法を行います。
我が国の出生数の推計は100万人ほどであり、そのうちの10万人以上の新生児が出生時に呼吸循環が安定するために何らかの助けを必要とされています。また、出生直後は元気にみえた児でも沐浴や哺乳中や啼泣を契機に呼吸停止や徐脈に陥って慌てたというようなケースも少なくなく、分娩室だけでなく小児科病棟に勤務する医療従事者もNCPRを習熟する必要があります。
当院にも常に入院患者がいるわけではありませんが、NICUがあります。小児科病棟のスタッフが少ない中でも全力で診療にあたっております。しかし、マンパワーが不足しているのが現状であり、24時間つきっきりで小児科医師が勤務することは現実的には厳しいです。当直中にそのような事態が万が一にでもあった場合、自分に何ができるのか?せめて小児科医師が到着するまでの間にNCPRを施行し、スタッフに的確な指示を与えられるようにしていきたいです。

このさきどんな医師になれるのか分かりませんが、今は目の前にある研修がベストなものになるように努力していきます。

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