鼻から猫の毛

札幌から東京にやって来たババア一人、猫一匹

上司参上

2011-04-05 23:04:46 | 日記
東北に、いつもお世話になっている上司がいる。
上司の上司なわけだが、彼女は仕事は出来るわキツイわで
結構な有名人だ。

朝、会社に来て何気にPCを立ち上げたら
「おはようございます」という声が聞こえた。
お客さまかと思って顔をあげて、数秒固まった。
そこには、今東北で大変な目にあってるハズの上司がいたからだ。

「ど・・・どおしてここに??!」

瞳孔開いたまま聞いてしまった。
最初、本気で幽霊かと思った。
地震で若干免れた感がある「監査」対策のため
東北のいっちばーん偉い人が、上司を派遣させてきたというもの。
仙台空港の飛行機は流れちゃってるから
新潟までバスで5時間かけて移動して、札幌まで来てくれた。
「5時間だよ5時間」
プリプリと怒ってはいるものの、元気そうでひと安心。
「今ね、パンが食べられないの。だから駅でパン屋見つけて
 パン買ってきちゃった」と嬉しそう。
好きなだけ食べて下さい。どうせ明日にはまた苦しい生活なのだから。

彼女がいる場所はライフラインが今月繋がる予定とのことや
3週間お風呂に入ってなかったから、北海道に来てお風呂に入れて
嬉しい!ということや
そして「生きて仕事が出来る幸せ」をかみしめたということを
朝2人きりの時に色々伺った。
東北はまだ、数人行方が判らない人がいる。
地震当時は皆でご飯を分けて食べたという話や
「どーにかして放射能」っていう話を聞きながら胸が苦しくなった。
どれだけの恐怖だったろう。
笑ってネタにしながら人に話せるまで
どれだけ辛い思いをしたんだろう。
そう思うと、なんか切なくなった。

お昼に、インスタントのコーンスープをお湯で作って
「パンと食べて下さい」と言ったらとっても喜んでくれた。
午後にはミルクティーを入れてみた。
せめてこっちに来てる間は、何不自由なくして欲しかった。
彼女によく怒られていた上司は、最初彼女に顔を合わせるのを面倒がり
且つ陰で「放射能」というとんでもないあだ名までつけていた。
それでも、パンが食べれるって嬉しいと喜ぶ彼女に
町で美味しいと評判らしいパン屋で買い物して「少ないですけど」と
プレゼントしていた。
倒壊する営業所がある。
生きて帰らない人がいる。
「北海道のパワーで、私たちをけん引してね。」
彼女の言葉を、きちんと過大も過小もせずに受け止め、
「はい」という営業さんたちの言葉に
こいつら、良いヤツじゃん。と思った。


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