鼻から猫の毛

札幌から東京にやって来たババア一人、猫一匹

日帰り弾丸ツアーその2

2013-04-13 23:25:25 | 
「最初は南三陸に行きます。仙台市内から高速に乗って、
 一番遠いところから徐々に仙台へ戻ってくるコースです」

はいはい、なるほど。無駄がないですね。
いいながら周りの景色を見る。
杉の木もあるけど、針葉樹もあるのかな?ちょっと北海道の木に似てるのもあり。
でも山の下部分がグレーになってて、除草剤か何かかけたのかなーと
漠然と見ていたら、「現地についてからの説明スタートなのですが」と
運ちゃんが教えてくれました。

「色が違うところは、津波の跡です。海水によって色が変わってしまったんです」

言いながら車を走らせているその間にも、
仮設住宅や横向きになったテトラポットの残骸みたいのがある。
キラキラ光る海が常に視界に入る町。
南三陸は本当に、海が近くて美しくて
自慢の故郷だったろうなーって思いました。
否、今でも自慢だよ!だって皆で復興しようと努力し続けてるんだもの!

最初に行ったところ。





最後まで、呼び掛けていた遠藤未希さんのいた防災庁舎。
1階はハローワークだったそうです。
3階は会議室。
2階が遠藤さんがいたところだったそうです。
遺体発見後、解剖したところ妊娠していたそうで
二重の悲しみにご遺族は包まれたと伺いました。
海が見える事務所。オーシャンビューで素敵だけれど、安全面では?
本当は山の上に建てるべきでは?そんな話もあったそうです。
でも山の上だとお年寄りが歩けない。
平地で誰もが立ちより安い施設であるべき。
その決断があの悲劇を呼んだのは言うまでもありません。
お線香をあげて、写真の許可を撮ってこの場を離れました。

被災地に観光に来ることは、最初は拒まれていたそうです。
現地の人が本当に神経質になって
「見世物じゃねえぞ」「何しに来た」という感情むき出しだったそうです。
でも「これからの俺たちを見てもらおう」「この悲劇を風化させないようにしよう」
そう思って観光客を受け入れることにしたんだそうです。

観光バスが近くに止まりました。
観光客の皆さんが降りてきて、
たまに運ちゃんの説明に耳を傾けてました(笑)。
こんな観光客、中にはバスの中で酔っ払って
被災地で立ち小便をして被災者の皆さんが非常にご立腹されたと聞きました。
心無いですね。
酔っ払うだけでも十分失礼なのに。
あげく、立ち小便。
言葉を失いますな。



庁舎の近くには錆びた貨車が。
震災が起こるすぐ前に建てられた老人介護施設の残骸がありました。
その建物の設計者がたまたま訪問していたらしく
「外へ逃げるな、ここにた方が安全だ」と老人たちとその施設にとどまり、
そして死者を出さずに事無きを得たそうです。
その老人介護施設は、消防庁舎の斜め前あたりに在りました。
海に近いのは、その施設の方だったのです。

片や3階まで埋まってしまうほどの津波を受け
片や死者が出なかった。
その決定的な差は何でしょう?
建設物の強度の問題ではなく、津波が来るルートに
障害物があったり山があったり波の高さが変動したり
色んな要素があいまって、あの悲劇は起こったようです。
その後はさんさん商店街へ。


2 コメント

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Unknown (時人)
2013-04-14 01:02:18
お帰りなさい!そしてお疲れ様でした!

いや~ 正直言って先日の「酔っ払って飛行機のチケット買った」くだりでこの展開は想像できませんでした。
「どんな珍道中(←ごめんなさい!・笑)を繰り広げるんだろ…」と旅行記を楽しみにしていたのでそのギャップにやられました。
気楽に読み始めてなんだか申し訳ないというかなんというか。

不思議ですね。
南三陸町の防災庁舎はあの震災の“象徴”的な存在としてこれまで何度も映像や写真で見る機会がありましたけれども、こうしてブログを通じて御縁のある方が撮った写真で見ると今までと全く違った衝撃を受けました。
これまで震災関連の報道で何度も心を痛めた“つもり”でいましたが、そんな生易しい感傷や同情を寄せ付けない大きな爪跡が被災地のあちこちにたくさん残っているんでしょうね…。

solo_pinさんの視点と感性で見聞された被災地の現状と、solo_pinさんのカメラで撮られた写真を拝見して、報道で見聞きする情報とは違った“現実”を知ることができました。
と同時に今まで「知っている」つもりになってあれこれ考えていたことを反省しました。
ありがとうございます。
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時人さま (solo_pin)
2013-04-14 07:15:10
ただいまでーす!

気楽に読み始めて下さい(汗)!
っていうかこちらこそ、ごめんなさいね~。
すちゃらか珍道中をご期待なさってたのに、
いざ蓋を開けたら真面目な話で・・・。
いずれ、どこかへの旅で珍道中もお届けできればと思いますよ~。
やたらめったら写真とったので(笑)、この先も続きますが
もう少し、真面目の中にもキラリと光る何かをまぜて
紹介させて頂きたいと思いますので
(それは何かは聞くんじゃないざます)
もうしばらくお付き合い頂けたらと思いますよぉ~(*^。^*)
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