今日。
春分。
---
「春分の日」は「国民の祝日」で。
世間一般でも、おめでたい、ってことになるんだろうけれど。
個人的にも、二十四節気の中でもやっぱり大きな節目だなあ、と感じるようになっている。
---
今日は、朝からよく晴れて。
近くのお寺も、お墓参りで賑わっていた。
桜の蕾が、すっかり膨らんでいて。
明るい空に。
紅葉の新芽が透きとおっていた。
---
都内に向かう電車に差し込む日の光も温か。
河川敷も春の色。
---
銀座の柳は、えもいわれぬ柔らかな緑。
歩行者天国では、外国人旅行者のサングラス。
試着してみたサマーウールのパンツの感触に、気分もさっぱり。
---
茶道具を観に、美術館へ。
思いがけず、見入ってしまい、立ちつかれて、ラウンジへ。
大きなガラス窓越しに、夕暮れの眺め。
皇居のお堀と石塀と松の木。
きらめく水面と飛びゆく鳥。
江戸の春。
森の向こうに、ビル群。
東京の春。
その向こうに、変わらぬ夕陽。
---
帰り道。
不思議と静かな丸の内を、ブラブラと歩く。
---
なんのことはない一日だけれど。
今年の春分は、とても、穏やかだった。
---
春分。
昼と夜とが、静かに釣り合う頃。
冬と春、春と夏、その真ん中。
そして。
レコード盤を、B面からA面へと、ひっくり返すように。
陸上トラックの一番膨らんだところを走り過ぎるように。
観覧車がちょうど90度まで上がったように。
僕らの日々も、ゆく。