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空をみるひと

そらをみながら あるいていこう なんでもない ひとであろう …日々や旅、街や自然、季節や未来をみつめるBLOGです

おしゃまさんは… 『ムーミン谷の冬』

2006-12-22 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
***

おしゃまさんは、そういわれると、かたをすくめていいました。

「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ」 

***


ムーミン谷の冬

講談社

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北八ヶ岳メモから 8 にゅう (山と僕らと女と男)

2006-12-10 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
「にゅう」って、知ってる?

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ちいさなお山の名前。

南北に長い八ヶ岳連邦の中ほど、主脈を東に分けた尾根にあって。
僕は、以前、歩いたことがあった。

その山名はなんとも変わっていて。
地図によっては「にう」と書いたり、カタカナで「ニュウ」と書いたり。
漢字ではどう書くんだろう?
丹生?とか?

第一、「~山」とも「~岳」とも言わないなんて。

変な名前だ、と思っていた。

---

白駒池の周りの苔むす森を歩いていると。
木道が、山の方へ分岐していて。
看板が目に飛び込んできた。


***

 ← 乳(ニュウ) <クリックすると画像> 

***

---

えっ?

乳(ニュウ)?


…意外だった。

---

「乳」かあ…。

ようやく漢字表記が判ったのだけれど。
なんだか釈然としない気持ち。

それでも、その時すっかり苔に夢中になっていた僕は、とにかく、先を歩いた。

---

開けた池のほとりまで来て。
振り返って「にゅう=乳」の方を眺めてみる。

以前に登った、その山は。
苔の森から続く静かな森が、なだらかな斜面をなしていて。
その頂上付近だけは、ゴツゴツとした岩場が突き出ていた。

なだらかにふくらむ稜線に。
岩場がちょこんと突き出ている。

・・・なだらかなふくらみに、ちょこん・・・

…あ。

---

山。

ゴツゴツと険しくて、天を突くような、いかにもカッコイイお山。

そんなお山には、往々にして「~岳」「~峰」「~嶺」なんていった、ガッツリした、名前が付いている。

峻厳。雄々しさ。


一方で。

たおやかでやさしい美しさをもったお山もある。

そうしたお山は、なだらかな稜線、ほの暗い森、柔らかな光、潤う水、輝く命たちを内包して、静かに佇んでいる。

柔和。ふくよかさ。

美しいヒト”。

---

あの山は、にゅう。

そうか。

優しいあのお山は、「にゅう」か。


名付け親は、きっと、山に入り、山を生きた、粗野かつロマンティストな、男衆だろうな…。


雄々しい山に挑むのも男なら。
優しいお山に抱かれる夢を見るのも、また、男なのかな。






************


追記:

今回のお話は、僕の大切な趣味:山歩き中の物思い(妄想)。

「乳(にゅう)」の山の名について、正確な由来をご存知の方、どうぞお知らせ下さい。
コメント、お待ちしています。


追記2:

山歩き、登山をするひとの中には、「ピークハンター」とでもいうようなタイプの人がいる。
頂を極めることにこだわる。
山が険しければ険しいほど燃える、とか。
「今年こそ穂高をモノにするぞ」とか。
「100名山を制覇しました」とか。
「7大陸最高峰を征服」とか。

ひとそれぞれ、好き好きだから、もちろんそれもよし。

でも。
僕は、違うな。

険しいお山の登り下りも楽しいけれど。
お山の頂上から眺める景色は素晴らしいものだけれど。

時には山頂直下で引き返してもいい。
険しい山と対峙しようとも思わない。
自然を「征服」、だなんてゾッとしちゃう。

お山に。
森に、沢に、木々に、苔に。
しっとりと柔らかく、暗く湿った、その深みに分け入って。
山に抱かれて。
その恵みに預かって。
やさしいお山に遊んだり、やさしいお山に遊ばれたりするのも、僕は好きだな。





追記3:

参考図書

氷壁

新潮社

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追記4:

以前、通っていたクラブに、顔馴染みがいた。

彼はスリムでベイビィ・フェイスで。
いつもクールでナイス。
そして、いつも可愛いコを連れていた。

だいぶ年上だったけれど、なぜかウマが合って、いつも他愛のない話をした。

ある晩のこと。

僕が連れていた彼女がドリンクを取りに行った隙に。
僕の耳元で、彼は言った…

<つづきは別のページにて…クリック!>



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「大柄な女はいいよ」 (巨女崇拝など)




「もったいない!」 ~12月が僕を…

2006-12-03 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 


***

可勤之一日可貴之一日也

不勤之百年可恨之百年也

嗚呼可恐可慎

***


---


***

「もったいない」という言葉。

(なんだか、急に取り沙汰されたりして、変な感じもするけれど。)

それは、モノについてだけ言うのではないはず。

時間。

生。

命。

もったいない日々を、費やしてはいまいか?

***


---


新暦では、12月に入った。

いよいよの冷えこみ。

朝には、道場の床。

昼には、風。

夜には、月。

そうしたものたちが。

僕を叱る。






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北八ヶ岳メモから 9 苔の森の季節を、よーくみてごらん。

2006-12-03 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
雨もあがって、いい朝だ。

行程にも余裕があるし、
のんびり歩きたいから。

白駒池をひとまわり、歩いてみる。


白駒荘の前を過ぎたら、高見石への道でなく、池のほとりの小道に入る。

吸い込む空気もしっとりとした、青緑の森の中を行くと。
それはそれは、素晴らしい。


苔。


とりわけ、「にゅう」への分岐から青苔荘(*名前からしてもう!)へ向かうあたり。
木道の足元に、両側に、雨上がりのみずみずしい緑が広がる。

雨あがりの苔の微妙な色調は、なんともなんとも。

かおちかづけて、よーくみてみる。

うーん。

その色は、その輝きは、その繊細さは、その力強さは、その静けさは…。

薄暗い森の中、カメラなどではなかなか捉えがたいな。
言葉でも、僕なんかには、言い表せないや。

なんでも、自分の目でみるのが一番。


はて。

それにしても。
以前歩いたときとは、ドコカシラ、ナニカシラ、感じが違うな。

あれは9月の11日のことだった。

今は、10月も下旬。

緑の苔の上に、赤茶色の針葉が積もっている。


そう。

ハイランドの季節は早い。


白駒池が凍りつくのも、もうすぐなのだ。




***

【シリーズ】北八ヶ岳メモから

【シリーズ】「よーくみてごらん。」



北八ヶ岳メモから 7 白駒池

2006-11-26 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
目を覚ますと、雨もあがっていて

山の冷気が気持ちのいい朝

よく寝た


朝食を済ませたら

山小屋に荷物を置いたまま

車を少し走らせる


林道に入って

針葉樹の森を10分ほど歩くと


白駒池


標高2115mの、山の上のみずうみ


青苔荘は、客もなく、閉まっていた


桟橋に出てみる

風のない朝、波も穏やか


時折

舫ってあるボートの軋む音



岸づたいの木道を歩く

湖面が空を映している


朝、8時


おととしにも来た場所

ひとり

しばらく、眺めている




(・・・素晴らしい日を、日日を・・・)




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【シリーズ】北八ヶ岳メモから






北八ヶ岳メモから 6 麦草ヒュッテにて

2006-11-21 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
長い峠道を登りきると。

草の庭が広がる場所に出る。

麦草峠。

南北八ヶ岳のほぼ中ほど。

茅野側と佐久側とから車道が通じる、登山口。

雨の中、三角屋根の小屋に着いたのは、なんとも寂然とした、夕暮れ前。

テントは車にしまったまま、今夜はここに泊まることに。

ストーブが焚かれていた。

熱いお茶を一杯頂く。

小屋裏の大部屋に通されたけれど。

客は僕1人だ。

風呂に入って。

6時に夕飯を頂いたら。

やることもない。

親父さん手作りの果実酒をなめながら。

ノイズ混じりのNHKで、明日からの天気を占う。

寝床へ上がって。

山歩きの荷物の確認。

寝袋に包まりながら。

地図を広げて、ルートを決めて。

消灯時間の前に、寝てしまおう。

外は雨風が強いから。

星はお預けだな…。






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【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳





北八ヶ岳メモから 5 峠へと駆け上がる道は

2006-11-21 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
峠へと駆け上がる道は、もう晩秋、そして、冬だった。

白樺は葉を落としていた。

冷たい雨の降るハイランドの静けさは、ここが僕の場所ではないことを教えてくれる。

ふと。

山を下りたら、「尖石遺跡」を訪ねたい、と思った。




***

【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳



北八ヶ岳メモから 4 紅葉のみちを走っていく

2006-11-21 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
山へとみちを。

走っていく。 
 
清里を抜け。

南牧村あたりを過ぎる。

と。


!!!


車を農道に突っ込み。

Uターン。

牧場の脇に。

車を停めて。


見事な紅葉!!!


広々とした牧場。

吹き渡る風が冷たい。


車に乗り込んで。

道沿いの店に寄って。

温かい飲み物を買って。

冷えた体を暖めて。

また、走っていく。



***

【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳




北八ヶ岳メモから 3 清春白樺芸術村

2006-11-20 | OffTheTrail道を離れて道を行く
  
 
ツリーハウスに会いに行った後。
もう一箇所、足を伸ばしてみる。

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清春白樺芸術村

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円形の古い建物と、桜の樹が立派。

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庭の隅に、なんか建っていた。

茶室 徹(てつ)

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うーん。

茶室?

うーん。

ツリーハウス?

うーん。

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雑誌かなにかで知ってはいて。

実物をみてみよう、と思ったのだけれど。

なんともいえない感じがした。

登って、室内に座ってみると、また違った気持ちになるかな?

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トーダイの藤森センセーとお仲間が作った、とか。

その人たちは、どんなところで育って、どんなところに住んでいるのかな?

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ちょっと変なきもちになった原因は。

実は、ちょっとしたことかもしれない。

芝生にロープの柵がしてあって、看板が立っていた。


「さくのなかにはいらないでください」


“スナフキンの盟友”を自認する僕は。

ムッときて、危うく、全部引っこ抜きそうに。

ちょうどその時、近くに“フルムーン”なご夫婦がいてくれたのは、幸いだったかも。

---

入口の門の脇に。


“移動式デッサン・カー”


なるものが停まっていた。

どこにでも出かけていって絵が描ける、んだそうだ。

なんだか、とっても。

白樺ぁ~ん。

---

すっかり気を取り直した僕は。

一路、今夜の宿を求めて。

小雨の中を、八ヶ岳山中へ…。





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【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳


北八ヶ岳メモから 2 ツリーハウスを訪ねる

2006-11-20 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
高速を須玉で下りて。

小さなガソリン・スタンドに寄ってから。

寄り道する。

長坂。

オオムラサキ・センター

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ツリーハウスに会いに。

車を停めて。

斜面を降りていくと。

見えた。

森に浮かぶ、小さな小屋。

---

遠足の小学生たちが群がる。

トム・ソーヤとハックルベリィ・フィンは、いつでも、育っている。

---

静かになるのを待って。

ゆっくりと、近づく。

“建物の設計では、アプローチも重要だ”

といったのは、どの建築家だったかな?

僕かも。

大きな木の周りを、ぐるーり、とひと回りしてみる。

それぞれの表情が、それぞれにキレイだな。

ここだ、と決めて、少しずつ、斜めに近づいてみる。

(*画像    )

---

“君のことなら、必ずキレイに撮る自信があるんだ”

といったのは、どの写真家だったかな?

俺かも。

いや。

そりゃ、当たり前の話だ。

写真とは、そういうものだろう。

---

ファインダを覗くのもイヤになって。

近づいていく。

まじまじと眺める。

よーくみてみる。

---

見上げる。

小屋の上に。

枝々が伸びる。

空が広がる。

---

登ってみる。

階段に。

手すり。

皮付きの柵。

ロープ。

やがて朽ちていく部材。

---

樹の幹には。

しっかりと、スチールのボルトが打ち込んであった。

その輝きが、とても眩しかった。


---

僕は。

しばらく。

サルになって。

トリになって。

地上十数メートルの景色を眺めていた。

---

冷たい風が吹いて。

僕は、土の上に降りて。

そのツリーハウスにさようならを行って。

旅に戻った。




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【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳




 

北八ヶ岳メモから 1 なだらかなカーヴを描く

2006-11-20 | OffTheTrail道を離れて道を行く
 
 
中央高速を下って。

甲府盆地を過ぎると。

右手に。

なだらかなカーヴを描く。

八ヶ岳の南の裾野。

太古の噴火以前には、富士山よりもずっと高かった、という、その名残。

向かう峰々は、雲の中に。

ウィンドウに小雨が弾けている。



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【シリーズ】 LIVE!北八ヶ岳