◆ジェット・リー主演のSFアクション。125ある並列世界に存在する自分の分身を全て倒せば、全能の力を持つ"The ONE"になれる、というストーリィ。かの名作「ハイランダー」などと違って、本作の設定にはそもそも無理がある。あまり面倒くさいことを考えながら映画を観ているわけではないが、これはSF考証として完全に破綻している。まぁ、それは忘れることにして.....。映画のメインは、既に123人の分身を倒した悪党である自分と、最後に狙われている自分との戦いになる。既に倒された123人分のエネルギーが最後の二人に均等に吸収されているため、二人はどちらも超人級の身体能力を持つ。で、カンフー・ワイヤーアクションの連続となるわけだが、あまり面白くない。映画の各所に出てくる一人二役モノ定番のエピソードなども、展開の予測が付くモノばかりで退屈だ。SFとしてもアクションとしても中途半端だった。ジェット・リーの最近の映画なら「キス・オブ・ザ・ドラゴン」の方が遙かに面白いと思う。
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