small_happiness
   Farsideの過去ログ。




◆北海道は常呂町。人口五千人のこの町の名物は、ホタテとタマネギ、そしてカーリング。この常呂町に、新たにへっぽこカーリングチーム、シムソンズが誕生した。メンバーは、自分勝手で強豪チームにいられなくなった美希(藤井美菜)、あこがれのカーリング選手に会えるという下心だけで始めた和子(加藤ローサ)、親友の和子に巻き込まれただけの史江(星井七瀬)、引っ込み思案で友達のいなかった菜摘(高橋真唯)。美希以外は全員初心者というポンコツチームは、あっちでぶつかり、こっちでつまずきながら、それでもなんとか形になり始めた。目指すは北海道大会。


◆2002年のソルトレイクオリンピックに出場した、実在の女子カーリングチーム「シムソンズ」に着想を得たフィクション。この映画、私は初日の舞台挨拶の回のチケットを持っていたのだが、急に都合が悪くなって、残念ながら行かれなくなってしまった。そのまま劇場で観る機会を失して、今回DVDでやっと観ることが出来た。


 物語は、女の子四人が紆余曲折を経ながらも一つにまとまって、がんばって強くなっていくという、これ以上ないくらい王道のストーリー。ど真ん中の青春女の子ムービーだ。特別凝った展開もどんでん返しもないが、ストレートに、爽やかに楽しめると思う。


 この映画を面白くしているのは、主演四人のキャスティングの妙と、大泉洋のおとぼけキャラクター。加藤ローサが一応の主人公ということになるのだが、他の三人をおざなりに扱ったりせず、きちんと四人にカメラを向けている。モデル出身と言うことで、ただの顔だけタレントだと思っていたのだが、意外や意外、加藤ローサの演技はよかった。私のお気に入りの星井七瀬も、『水霊』では役柄と本人のキャラクターが一致していなかったが、この映画ではぴったりのキャスティング。潤んだ瞳の高橋真唯も、気の強そうなアゴの藤井美菜も、アテ書きかと思われるぐらいぴったりで、四人ともとても自然な感じ。
 物語自体はこぢんまりしているし、やり始めたらトントン拍子にうまくいってしまったりと、安直な部分もある。実在のシムソンズとはずいぶんかけ離れた話になってしまっているようだし、カーリングそのもののファンが眉をひそめる部分もあるかもしれない。あまり細かいことを考えず、かわいい女の子たちのがんばる姿を応援しながら観るのが吉。


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 私は芸能ネタには疎いのだが、今週は頭にくるニュースがいくつかあった。一つは、極楽とんぼの山本が、茨城ゴールデンゴールズのメンバー二人とともに17才の少女と飲酒、その後、山本が少女に暴行したとして警察に事情聴取を受けた件。


 未成年の飲酒については、私はそれほど目くじらを立てるつもりはない。ただし、飲ませた側の立場が立場だけに、今回は大目には見られない。
芸能人や、欽ちゃん球団の選手と一緒に食事をする機会があったら、高校生ぐらいの女の子なら喜んでついて行くだろう。それはちっとも悪くない。楽しくご飯を食べて写真の二、三枚も撮れば、ちょっとした思い出になるだろう。ただ、夢を求める球団、地元の声援を受けて活動している球団のメンバーが未成年の飲酒を看過した、あるいは勧めたとなれば、これは厳しい譴責を受けて当然。ことが飲酒だけで終わっていたとしたら、欽ちゃんは山本らに激怒しただろうし、応援してくれた人たちや世間が納得するような、きっちりした処置をしたことだろう。
だが、ことが性的暴行となれば話は別だ。球団サイドでどうにか出来る問題ではない。どういった事実関係であるのかは不明だが、たとえ同意の下であっても未成年との同衾が許される立場ではないし、これが性的暴行となれば、れっきとした刑事犯。喧嘩で誰かをひっぱたいたような傷害事件と性的暴行は全く違う。しかも、山本は過去にも同様の問題を起こしている。吉本興業は山本を即時解雇、極楽とんぼは当然コンビ解散となったが、山本らが茨城ゴールデンゴールズのチームメイトと、応援してくれるたくさんの人たちにかけた迷惑は計り知れない。


 野球に全然興味のない私がここまで腹を立てているのには、別に理由がある。茨城ゴールデンゴールズは、元女子野球日本代表の片岡安祐美選手も所属する男女混成チーム。「野球が好きなら、男女関係なくみんなでがんばろう」というチームだ。片岡選手は現在19才の女の子、同じチームに女の子を暴行したとされる人間が所属していたことにはショックを受けているだろう。私はがんばっている女の子の味方だ。兄貴分として振る舞うべき男が、自らの低俗な行動でがんばっている女の子を傷つけるという状況が、どうしても許せない。
そしてもう一つ、山本が出演している映画やドラマのこともある。私はTVドラマはほとんど見ないが、先日『黄泉がえり』をDVDで観なおしたばかりだ。この映画での山本の役割は大きい。帰ってきた兄とのキャッチボールのシーンは、心動かされるいい場面だ。これからこの映画を観る人の中には、山本を見て「女の子に暴行して欽ちゃん球団を解散騒動に追い込んだ犯罪者」というイメージが湧いてしまうのではないか。
役者であれお笑いタレントであれ歌手であれ、別に聖人君子である必要はない。だが、夢を売る商売の人間には、超えてはいけない一線があると思う。


 もう一つ頭に来たのは、同じく『黄泉がえり』の主演女優、竹内結子と結婚した中村獅童。あれだけ綺麗なお嫁さんを貰って、赤ちゃんも生まれて、それが岡本綾を乗せて飲酒運転・信号無視で検挙。酔って事件を起こした中村七之介の例を挙げるまでもなく、騒ぎを起こせば周囲に多大な迷惑をかける立場なのは重々承知しているはず。事実関係は知らないし知りたくもないが、何をどう誤解されても言い訳は出来ないだろう。世の中にはタクシーという便利なものがあるし、運転代行というサービスもある。彼のような芸能人なら、真夜中でも誰かしらに連絡は付いたはず。それぞれが安全に、且つ内密に帰宅することはいくらでも出来たはずなのだ。それをしなかったという時点で、もう何を疑われても仕方がないだろう。こんなことでは美人の奥さんが悲しむ。もし飲酒運転で事故でも起こして、本人が死ぬだけならまだしも、同乗していた岡本綾に何かあったらどうする。33才にもなった男が、女の子を乗せて飲酒運転した時点で、私なら100叩きの刑を下す。まして岡本綾は女優だ。妻子持ちと夜明けに何をしていたのかと、何を噂されるか分かったものではない。
そう、私は竹内結子も岡本綾も好きだ。だからよけいに腹が立つ。女性を悲しませたり危険にさらしたりする奴が、とにかく私は嫌いなのだ。山本の事件と比べればこちらは小さなものだが、「酒気帯び運転及び信号無視」という程度で済んだのは、ただ単に運が良かったからだと思う。目の前にいたらハリセンでひっぱたいてやりたいところだ。


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◆170cmの身長を理由に振られた経験のある小泉リサ(藤澤恵麻)と、159cmの身長を理由に振られた経験のある大谷敦士(小池徹平)。同じクラスで、息もぴったり好みも同じ、一緒にいると最高に楽しい二人なのに.....。背の高い女の子と小さな男の、たった11cm、されど11cmの身長差を埋めるまでには、とんでもないドタバタと切ない行ったり来たりが必要だった。


◆面白かった。かわいくておかしくて、最後は幸せな気分になれる、ポップでおバカなラブ・コメディ。


 原作は、現在も別冊マーガレットで連載中の中原アヤのコミック。800万部を超える大ヒット作なのだそうだ。私は原作は読んでいない(別マを読んでたらコワイぞ)が、藤澤恵麻・小池徹平のキャスティングは、小泉リサ・大谷敦士のキャラクターにぴったりだと思った。藤澤恵麻が82年生まれ、小池徹平が86年生まれで、実年齢は4才違いの二人だが、高校一年から三年までを自然に演じている。リサを支えて要所要所で物語を転がす役回りのしっかり者、石原信子を演じた玉置成実は、これが女優デビュー作。これが堂に入った女優っぷりで、とっても立派。他に、谷原章介・温水洋一・寺島進・田中要次など、濃いキャラクターが脇を固める。


 私が観に行ったのは公開二日目、三連休の中日。シネコンでは小さめの劇場をあてがわれていた。シネコン側は「たいした集客は見込めない」と見ていたのかもしれないが、『下妻物語』などは同じシネコンの一番小さな劇場での上映だったから、シネコン側の読みが正しいとは限らない。私の観た回は、客席の埋まり方は8割程度で、客層は小学生から大人まで。もっとも、大人の多くは子供と一緒に来た親だったようで、メインの客層は小学生から高校生といったところだろう。原作のファンや小池徹平のファンが多いからだと思うが、客席のかなりの部分は女性。客席の反応は良好で、エンドロールが終わって照明がついても、席を立とうとせずに話をしている人がほとんどだった。ずいぶんたくさんの映画を劇場で見たが、これは珍しい。


 物語の核になる二人の身長差をもう少し誇張するように撮影した方が良かったんじゃないかとは思うが、藤澤恵麻・小池徹平の無条件に許せるキャラクターのおかげで、楽しい映画になっている。これはお勧めだと思う。


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◆2003年公開の大ヒット作、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の続編。今回は、パート2である『デッドマンズ・チェスト』と2007年5月公開予定のパート3を同時撮影で制作しているそうで、映画の作りもパート3へのイントロという形で終わっている。本作に続けてパート3を観るのならきちんと楽しめる作りなのだろうと思うが、独立した一本の映画として楽しむのは、正直言ってちょっとツライ。映画の前半では大きな笑い声も起きていたし、終わってから客席の声を拾ってみると、『一作目よりも面白かった』という声も一部にはあった。だが、映画の後半では大きな笑い声は湧き上がらなかったし、観終わった時の後味も悪い。
この映画自体はとても良くできていると思うし、続けてパート3を観られるのなら、きっと大満足できる大作映画なのだろうと思う。ただ、鬱憤をためたまま結末を10ヶ月も先延ばしにされるなら、この『デッドマンズ・チェスト』はパート3公開直前にDVDで観た方が楽しいと思う。


 一作目がヒットしているだけに、物語の世界観もキャラクターの行動パターンも、すでに知っているお客さんが多いと思う。(というか、一作目を観ていなければ、話の内容も登場人物の関係も全く分からないだろう。完全に、前作を観た人だけを対象にした続編だ)劇場に足を運んだ観客には「大いに楽しんでやろう」という雰囲気が最初からできあがっているわけで、映画前半のユーモラスなシーンでは遠慮無く楽しんで、大きな笑い声を上げられる。このシリーズは、ジャック・エリザベス・ウィリアムの三人が騙したり裏切ったりという表面上の曲折を繰り返しながらも、芯の部分では堅く信じ合っていて、最後には力を合わせて危機を乗り越えるという骨子で成り立っている。要するに、[裏切り]→[助け合い]という、お約束の展開を期待する気持ちが観客の中にはもうできあがっているわけだ。代官が悪行三昧で善人を苦しめ、終盤で印籠をかざした黄門様ご一行が悪人を懲らしめるという「水戸黄門」のように、観客の中には楽しみ方の図式ができあがっていると思う。水戸黄門なら50分の中に全ての要素を盛り込めるから、観客は予定調和的カタルシスを得て満足できる。だが本作の場合は、前半の[裏切り]のパートだけで終わってしまう。予告編で観た派手な剣戟の大部分は味方同士の斬り合いだし、パート2と3を合わせて一つの物語になるという作りなので、正直言ってパート2の後味は悪い。水戸黄門でいえば、悪代官の行状をさんざん見せられたところで話が終わっているわけで、その展開をひっくり返して観客をほっとさせてくれるはずのパート3が公開されるまで、観客の心は安らがない。私は一作目のファンだが、二作目から10ヶ月待って劇場で第三作を観るよりも、二作目・三作目を続けて観た方が絶対に楽しいだろう。できれば、DVDで一作目・二作目を続けて観て、三作目はその翌日に劇場の大画面で、というのが理想的な楽しみ方じゃないかと思う。


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 HEARTSDALES、9月で活動終了。
6月に聞いたときは、思わず「えぇ~!?」という感じだった。何を隠そう、私はこのコたちが好きなのだ。もちろん全曲が好きというわけではないが、私の中では結構なお気に入り。特にRumのかわいいヴォーカルが好きなのだ。まぁ、5年間の活動というのはピリオドを打つにふさわしい長さなのかもしれない。女の子(お姉さんの方はもう、リッパな年齢になっているか.....)なわけだし、いろいろと考えたりすることもあるんだろうが、個人的には残念。とりあえず、HEARTSDALESのラストリリースになるベストアルバム、『THE LEGEND』を予約購入。このアルバムは、全シングルのPVを収録したDVDがついていて、私的にはお買い得感一杯。
このDVDを観ていて感心してしまうのは、女の子は化粧次第でいかようにも化けるということ。JewelsもRumも、たぶん外見はごく普通の女の子(もしくは女性)なのだろうが、CDのジャケットにしろPVの映像にしろ、ここまで雰囲気を変えてしまうのは凄いと思う。


 同じ姉妹ユニットで年齢的にも近いSOULHEADも好きだったりするのだが、まさか立て続けに活動終了なんてことはあるまいな、なんて思っていたら、昨日になってもう一つびっくりなニュースが入ってきた。石川亜沙美、結婚・妊娠。
「石川、おまえもか!?」という気分。確かにお嫁さんになるにはいいお年頃なわけで、広末が結婚したときほどには驚かなかったが、少女時代から石川が好きだった私としては、やっぱりびっくり。最近は、ブログで堂々とすっぴんの写真を出したりして、「なんだか今までの石川と違うなぁ」なんて思っていたのだが、やはり大きな心境の変化があったのか.....。



 というわけで、石川の結婚発表で勝手な感慨に浸りつつ、聞くのはやっぱり"冬 gonna love"。毎年作っているベストセレクションCD、今年の[冬特集]には、やっぱりこの曲を入れよう。


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◆五つの宝玉を手に入れたとき、運命の女神に一つだけ願いをかなえてもらえる異世界、ヴィジョン。失われた[家族]を取り戻すため、ヴィジョンに足を踏み入れた11才の少年、ワタル。見習い勇者として異世界を旅しながら、多くの仲間と出会って成長したワタルは、真の勇者としてヴィジョンと仲間のために戦う。


◆宮部みゆき原作の長編小説をアニメ化。
う~む、感想をどう書いて良いものやら.....。


 ごく普通の子供が、様々な経験を経て成長していく冒険譚。その意味では、『妖怪大戦争』と同じ筋立てのオーソドックスな物語だといえる。映画としてもそこそこ面白かったし、安心できる結末もいい。声を担当した、松たか子・常盤貴子・大泉洋・ウエンツ瑛士・伊東四朗といった面々も、なかなか良かったと思う。常盤貴子の役は田中裕子の方が良かったかとも思うが、プロの声優を使わなかったことで大失敗した『スチームボーイ』などの駄作と違って、上手く声をあてていたと思う。ただ、本作が「子供から大人までを対象にした映画」なのか、「子供だけを対象にした映画」なのか、そのあたりがずいぶんと中途半端に感じた。
 

 たとえばジブリのアニメは、「大人から子供まで」を対象にした作品が多い。『千と千尋の神隠し』などを例にとっても、10才の子供と、その親の世代では受け取り方が違うと思う。「子供にはその背景が分からない部分」があるのは当然だし、観るものの年代や経験に応じて理解の仕方が違う。だからこそ、子供から大人までが同じ作品をそれぞれのスタンスで楽しむことが出来るのだと思う。本作は、そういった広い年代を対象にした作りになっているとは言えない。子供向けのアニメと割り切って観るならオーケーだが、劇場には原作のファンも多く足を運ぶと思うし、彼らは小学生よりは年上、おそらくは高校生以上ぐらいの年代だろうと思う。アニメ化する際に子供向けの話に仕立て直したのだろうが、この作りでは、原作ファンにはちとツライだろう。


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◆素直で愛らしい9才の少女、シャロン(ジョデル・フェルランド)。赤ん坊の時にローズ(ラダ・ミッチェル)とクリストファー(ショーン・ビーン)の夫婦に養女として引き取られ、幸せな毎日を送るシャロンには、自分でも知らないもう一つの姿があった。夜中に夢遊病のように歩き回り、「サイレントヒルへ、家へ帰る」と口走ることがあり、成長に連れてその回数はどんどんと増えていく。だが、目覚めたシャロンにはその記憶が全くない。医者に診せて治療を始めたが、症状はひどくなるばかりだった。思い余ったローズは、バージニア州にサイレントヒルという街があることを突き止め、シャロンと二人でその街に向かい、原因を確かめようと決意する。30年前の大火で住民の多くが死に、廃墟となったサイレントヒル。大火から30年の時を経ても地下の石炭が燃え続けているため、街全体が危険地域として閉鎖され、地図からもその名を消された街。


 妻と娘が地下火災の続く危険なゴーストタウンに向かったことを知ったクリストファーは、ローズの携帯に連絡して何とか思いとどまらせようとするが、思い詰めたローズは取り合おうとしない。一日遅れでサイレントヒルに駆けつけたクリストファーが見たのは、乗り手を失った妻の車と、二人を追っていたベネット巡査(ローリー・ホールデン)の白バイ、そして事態を調べに来た警察の姿だった。消えた三人の姿を求めて、火災前にサイレントヒルで暮らしていたグッチ巡査(ウィリアム・コーツ)とクリストファーは、廃墟と化した街へ足を踏み入れた。だがそこには、ローズ、シャロン、ベネット巡査の姿はなかった。二人が探したのは、サイレントヒルの表の世界。そしてローズたち三人が迷い込んだのは、サイレントヒルの裏の世界。そこは、悪夢が現実に変わる絶望の世界だった。裏の世界では、姿を消したシャロンを求めてローズが廃墟をさまよっていた。  


◆怖い。いやぁ、久しぶりに怖い映画を観た気がする。怖い映画、刺激の強い映像が苦手な方は、避けて通ることをお勧めしたい。本作が提供するのは、絶望と悪意、凄惨な復讐、そして終わりのない悪夢だ。救いはどこにもない。


 コナミのゲーム「サイレントヒル」シリーズを原作にした、カナダ・フランスの合作映画。監督・原案は、自身も原作ゲームの熱心なファンという、『ジェヴォーダンの獣』のクリストフ・ガンズ。ゲームのプロデューサーだった山岡晃も、製作総指揮と作曲で参加している。
私は原作のゲームは「サイレントヒル 2」しかやったことがないのだが、ゲームの雰囲気・救いのない世界観を見事に映画化していると思う。おなじみのグロテスクなキャラクターたちも、ゲームと同じ独特の動き方で登場する。これがまたエグい。


 「怖い」という言葉の意味が、現在のホラー映画では変わってしまっているような気がする。大音響とともにいきなり何かが飛び出してくるのは、「怖い」ではなくて「びっくり」という感情だ。確かにその場は驚くが、ただのこけおどしにすぎないから、観終わった後には何も残らない。ホラー映画でその種のショック演出を多用するのは脚本も世界観もいい加減な作品の特徴なのだが、悲しいかな、大多数のホラーはこけおどしで成り立っている。だが、本作『サイレントヒル』は違う。その種のこけおどしを全く使わず、観客をじりじりと確実に、「絶望に支配された悪夢の街」に追い込んでいく。いやもう、デリケートな人なら夢でうなされそうな、その完成された世界観の描写はお見事。雰囲気ばっちり怨霊どっぷりの悪夢そのものだ。


 本作は、終盤まではショック演出を避けた絶望的な世界観と、ゲームに登場した不気味なクリーチャーたちの気持ち悪さで観客を追い込んでいく。そして終盤で、グロテスクなスプラッタ系の雰囲気を帯びてくる。『ヘルレイザー』や『死霊のはらわた』をハンバーガー片手に観ていた私のようなマニアは、「なんか懐かしい雰囲気になってきたなぁ」と感心していたが、ショック演出に頼った最近のホラー映画しか観ていない人には、かなりグロテスクに感じられる部分もあるだろう。そのへんの迫力はゲームよりもずっと上だ。当然、PG12指定になっている。


 さて、物語の方だが、原作ゲームの経験者なら説明不要で理解できると思うが、ゲーム未体験だと分かりにくい部分もあるかと思う。別に序盤でなくても良いのだが、サイレントヒルについて、もう少し説明があっても良かっただろう。原作ゲームもホラー系ゲームも未経験という方にはちょっと展開が唐突かもしれないが、完成された世界観と雰囲気を楽しむ映画なので、細かいことは考えずに楽しめると思う。


 序盤の導入部、サイレントヒルへ向かうシーンはちょっと気になるところ。シャロンの夢遊病の謎を解くためにサイレントヒルに向かう娘思いの母親が、あんな無謀なことをするだろうか。雨に濡れた初めての山道、しかも長期間閉鎖されて路面状況も全く分からない上に照明もないという悪条件のもとで、娘を乗せた車でゲートの鉄柵に突っ込んで突破、白バイを振り切って暴走しながらゴーストタウンに向かうのだ。状況を考えれば非常識で説得力がない。一歩間違えば、娘もろとも谷底に落ちて即死という状況だし、夜中にゴーストタウンに到着しても出来ることは何もない。娘のためを思う母親がそんな危険なことをする「動機」が映画の中では描かれていないのだ。妻と娘を危険なサイレントヒルに向かわせまいとする夫が、警察に要請して二人を保護させようとしているという一応の設定はあるので、それを振り切ろうとしたのだろうが.....。それで娘を事故死させては本末転倒なわけで、娘思いの母親がやることとは到底思えない。この導入部を観ていると、「自分の思いこみで娘の命を危険にさらす馬鹿でヒステリックな母親」という印象を強く受ける。また、実際に事故を起こして娘と離ればなれになったローズが、自分の軽率な行動を後悔するシーンが一度もない。アレッサの精神的な支配がローズにも及んでいた、という設定なのかもしれないが、それならそのことを描いてみせる必要があるだろう。


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 私が現在使っているADSL回線は、実効速度が10Mbps前後で、日常の使用には全く不足を感じていない。ただ、昨年あたりから600~800MB程度のデータを転送する機会が増えてきたので、その時だけはかなりの時間がかかる。そろそろ光回線にしようかと思っていろいろと調べてみると、NTTのFLET'S 光は利用できないことが分かった。唯一利用できるのは、GyaOの光サービス。マンションVDSL100タイプだ。実効回線速度が最大50Mbps程度確保できるということだったので、今年の一月に申し込みをした。担当者からは、「場合によっては開通できないこともある。遅くとも四月までには開通可能かどうかを連絡する」と言われていた。急いでいたわけではないので、四月を過ぎてもしばらく待っていたが、いっこうに連絡がない。六月に一度問い合わせの連絡をしたが、その場では要領を得ず、『調べて折り返し連絡をする』という返答を貰った。だが、連絡は来なかった。


 七月になって、何度か電話で問い合わせをしたが、いつも電話は話し中。今日やっと、サポートセンターに電話が繋がった。音声ガイダンスに従って進んでいくと、[すでにご利用中のお客様]と[新規お申し込み]の二つがある。私の場合は、『申し込みをしたが開通可能かどうかの返事をもらえない』という立場なので、新規申し込みに付随する質問として、[新規お申し込み]の受付を選択。開通するかどうかすら連絡をもらっていない私が、[すでにご利用中のお客様]に該当するはずがないからだ。
そこで長々と事情を説明。延々と待たされたあげく、「窓口が違うので、[すでにご利用中のお客様]専用のサポート窓口でもう一度同じ話をしてください」という回答をもらった。しかたなく、[すでにご利用中のお客様]専用のサポート窓口にかけ直す。一度で繋がったわけではないし、ここまでですでに10分以上待たされている。


 さて、[すでにご利用中のお客様]専用の窓口で同じ話を繰り返すと、「GyaOからの連絡の封書が届いているはずだ」とのこと。ここ数ヶ月間、郵便物は注意してチェックしてきたが、GyaOからのものは一つもなかった。「何も受け取っていませんが、いつ発送したのでしょうか?」と問い合わせると、即座に「昨日です。届くまでに二、三日かかりますので、もうしばらくお待ちください」という返答が帰ってきた。話がおかしくないだろうか?


 昨日発送したことが記録に残っており、届くまでに二、三日かかることが分かっているなら、私の手元に届いていないことも分かっているはずだ。先ほどの、「GyaOからの連絡の封書が届いているはずだ」というのは、いささかおかしいことになる。昨日といえば七月七日、「遅くとも四月までには開通可能かどうかを連絡する」はずの申し込みに対し、三ヶ月以上も連絡を怠っていた会社が、ユーザーからサポートセンターへの問い合わせ前日に都合良く通知を送るという偶然の確率は、いったいどの程度だろう。


 私は別に、GyaOのサポート担当者が都合の良い嘘を吐いていると決めつける気はない。そう、これは単なる偶然なのだろう。だが、ユーザーへの連絡がここまで遅れるというのは、不審に思われても仕方のないことだろう。エプソンダイレクトといいGyaOといい、私の関わる会社はいい加減なところが多いようだ。


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