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わたしのあしあと - 2nd half -

私の人生の後半戦の記録です。突然降りかかった病気をキッカケに、与えられた私の残りの人生を楽しんで過ごしたい!

手術室から出てきた父

2017年08月22日 | 闘病家族

手術室に入ってから6時間弱。
麻酔から覚めかかった父が出てきました。
酸素マスク、点滴の管が複数・・・
見るからに痛々しい姿ですが、私たちを見たら手を振ってました。
ま、元気だってことだと分かりました。

手術後1晩はナースステーションのお隣の部屋で過ごします。

たくさんの管や計器。
手術の後だから仕方ありません。

一番へぇ~と感じたのは、着圧ソックスを履いて、さらにPanasonicのレッグリフレのようなものを脚につけていること。
着圧ソックスは手術室に行く前に履き、終わってからはこの機器で血栓が詰まらないようにしています。

私たち、特に女性には着圧ソックスは馴染みあるものですが、もともとは医療用に作られたもの。
それをここで実感しました。
また、レッグリフレも、医療現場で使っているものを美容家電の位置づけで商品化したものなんだなぁ・・・と。

麻酔、鎮痛剤など、複数の投薬をしているため、手はまったく動かせない状態。
寝返りも打てない状態。
わずかにおしゃべりはできました。

5時間かかった手術の後のわりに、普通に生きてる父。
途中から仕事を終えた家族が加わり、一家勢ぞろい。
揃ったところで、

「おーい、誰だかわかる???」

と聞いたところ、、、
言葉が出ない。。。

あれれ???
どうした???

すると、

「あの、ほら、俺の好きな俳優だよ。
えっと、あの、、、
沢尻エリカさん!」

と・・・

へ?何?
一家大爆笑。

沢尻エリカが好きだったんだ・・・という新たな発見。
そして、術後にありがちな幻覚症状。

さすがにこの時は、元に戻らなかったらどうしよう・・・と不安にはなりましたが、事前にこういう症状が起こるので、、、と聞いていたので、笑うだけ笑って、病院をあとにしました

つづく・・・


献血のありがたさを初めて知る

2017年08月21日 | 闘病家族

今日8月21日は「献血の日」とのこと。

今まで献血をしたことがあるかどうか?

という問いには、No・・・と答えるしかない。

持病の薬を飲んでいるから、献血はできない。

 

日頃、

「血液が足りません!」

と街頭で係の方が呼びかけをしているのを見て、

"世の中ではそんなに輸血をする人が存在するの???"

と思っていました。

ところが、父が病院に行って、即入院。

その際に血が通常の半分しかなかったということで輸血をしたことで、

"あぁ、こういう風に献血の血が使われるのか・・・"

と初めて知りました。

そして、手術の際。

普通に指などに傷をつけただけでも血は出るところを、身体に大きな切込みを入れるわけで、、、

当然血は大量に流れ出ます。

今では内視鏡手術等の極力身体に傷をつけない方法での手術も行われていますが、父の場合はガッツリと開腹。

そのために輸血は行われたそうです。

 

その輸血があって、今の父はそれなりに生活ができている。

輸血は、まず家族から集めるのかと思っていたら、そうではなかったこと。

(これは緊急性を要した、量が必要だったからかもしれないですが・・・)

献血で集められた血液で命をつないでいる人が存在すること。

痛感しました。

 

献血。

もし薬を飲んでいなければ是非協力したいです。

献血されている方。

どうもありがとうございます


6時間弱の手術で摘出した臓器を見る

2017年08月16日 | 闘病家族

 朝9時に手術室に向かった父。

それから6時間弱。
執刀医の先生から、家族が呼ばれました。

そこに向かうと、、、
なにやら銀色の楕円型のトレイ(?)に摘出した臓器がガーゼにかぶせられてある模様。

そして、
「無事に胃と胆嚢とそこに貯まっていた水を取り出しました。」

と。
すぐに、ガーゼを取って、摘出した臓器を見せられました。

「見ますか?」
とも言われず、有無を言わさずに見せられた・・・という感じ。

まぁ私たちは、どちらかというと見たかったので、積極的に見せてもらうつもりだったので、気持ちが悪いからイヤだとか、そういう感情はありませんでした。
だって、レントゲンを見ながら説明された時に

「ここに8cm大の腫瘍があります。」

なんて言われても、画像だけじゃわからないですから・・・
それに、内視鏡で撮影した画像からも、何か異物があること、そこから出血しているような状態であることしかわからなかったので、いったいどうしたら身体の中でそんなものができるのか?それがガンとは違うものなのか、知りたかったです。

医師は胃を持ち上げて、


「身体が大きいから胃も大きいですね。
ここが食道とのつながりで、これが腫瘍部分です。」

と説明してくれました。

食道と胃ってこんなに小さな管でつながってるんだ・・・と初めて知る。

それから医師は、ごくごく普通の事務用のハサミを手に取って、切除した食道の部分からジョキジョキと胃を引き裂き始めました。
いとも簡単にジョキジョキと、胃は切り裂かれました。

おもしろい

裂いて広げたところに、8cm大の塊がありました。
8cm大よりも、野球のボール  みたいな大きさな気がしました。

その塊は、胃の壁から外にはみ出るような状態で、さらに塊と胃の壁の隙間に血がたまっており、そこから出血が続いていたことが分かりました。

続いて、胆嚢と水を貯めていた部分の膜を見せてくれました。
胆嚢は、親指よりももう少し大きい三日月形で、黒ずんでいました。
サザエなどの貝を食べる時に出てくるもののようです。
膜はかなりの大きさであること、つまり相当な水が貯まっていたことがわかりました。

場合によっては脾臓の摘出もあると言われていましたが、
「脾臓は大丈夫でした。残っています。」
とのこと。
脾臓を除くことで特に大きな影響があるわけではないそうですが、免疫力が低下するので、肺炎などにかかりやすくなると説明を受けていました。
「60過ぎたら肺炎球菌の予防接種を」
というCMが流れていますが、脾臓を取り除いた場合には、このワクチンを打つと聞いていました。

出血量は1000ml。
もともと入院時に貧血状態で3日間輸血したことから、輸血も行われたそうです。
この量が多いのか少ないのかは、素人の私たちにはよくわかりませんでしたが、入院時にいきなり輸血していることから、輸血に対するオドロキもありませんでした。

こんな形で手術が無事に終わったと告げられました。

つづく・・・


胃の全摘手術

2017年08月12日 | 闘病家族

父の病気が発覚し、2週間後。

GIST(消化管間質腫瘍)だと思われるが、最初の病理検査で典型的ではないことがわかり、胃がんの可能性も捨てきれない。

そして腫瘍のできている箇所が食道のすぐそば、ということで、胃を全摘することに。

さらに、胆嚢とそのあたりに溜まった腹水を除く手術が行われました。

 

平日、月曜の朝8時。

家族全員が病室に集まり、9時に手術室へ。

手術は5時間が見込まれていることから、家族の付き添いは2名がいいと言われ、結局3名で待つことに・・・

 

9時から5時間というと、、、終了は午後2時頃。

この5時間を控室で過ごす。

控室はほかの患者さんの家族も一緒で、ドアは開きっぱなし。

だから無駄におしゃべりもできず、ひたすらスマを見たり新聞や本を読んだり・・・

また、おやつや飲み物を買ってきて飲み食いしたり。

私は1時間くらい居眠り。

 

お昼12時少し前に、手術室から看護師さんがやってきて、現状の説明がありました。

「腹水と胆嚢を摘出したところです。安定しており、そのまま胃の摘出に入ります。」

とのこと。

 

この説明の後、お腹は空いていないものの、いつ食べられるかわからないので、コンビニからおむすびを買ってきて簡単に食事を済ませました。

ほかの患者さんの家族も同様に、買い出しに行って、お昼を食べて過ごす・・・

 

午後1時半頃に、朝同じ時間に手術に入った患者さんの家族が呼ばれた。

私たちはさらに1時間待つ。

 

不思議なことに、まったく不安とかそういったものはなく、淡々と時間が過ぎていったという気がする。

ただ胃を切るだけ。不要なものを取り除くだけ。

そこから先のことは、あまり思い浮かばなかった、というのが正直なところかもしれない。

 

予定時間を1時間弱過ぎた午後3時近く。

ようやく執刀医から声がかかった。

 

つづく・・・

しかし呼ばれない。

 


検査の結果と処置について

2017年08月07日 | 闘病家族

さて、あらゆる検査が行われて、入院10日目。

ようやく医師より説明が行われることが決まりました。

ネットでGISTについて調べたところだと、腫瘍の大きさによって手術の術式が決まります。
小さい場合は薬のみで済む、大きければ腫瘍部分を摘出。

最初から大きな塊が見つかっていたので、3週間の入院と宣告されて、当然そこには手術が含まれるのだろう・・・という予測はしていました。
ですが、それはこちらの勝手な想像で、医師からも看護師さんからも、治療方法は検査が終わるまでまったく説明がありませんでした。

そして、入院から10日間ほど経った日の午後。
担当医師2名、看護師、家族、そして同席したがらなかった本人が個室に入り、ディスプレイを見ながらの説明。

  • レントゲン各種から、8cm大の腫瘍が胃の上部にあること。
  • 胆嚢あたりに水がどっぷりとたまっていること。
  • 脾臓あたりにも腫瘍らしきものが見えること。

おもにこの3つの問題を指摘されました。

そして、胃カメラの画像を見ながら、実際の腫瘍部位のことと血液が通常の半分になっている原因を説明されました。
腫瘍部分の変形で、そこから血液が流れっぱなしになっているとのこと。
もう1年以上はこの状態だったと思われるそうです。

そして、肝心の診断結果と手術について。

当初はGISTだと思われたが、病理検査で一概にGISTと診断することができず、めずらしい組織だったため、胃がんの可能性も捨てきれない。
しかも腫瘍部分が食道近くにある。
そこで、

  • 胃は全摘出。
  • 胆嚢の水を取り除く。
  • 胆嚢摘出。
  • 場合によっては脾臓の摘出。

この4つの手術を翌週すぐに行うことが伝えられました。

私自身、これを聞いて、特に驚きもせず淡々としていました。
GISTは希少ガンと言われ、その中でも診断が難しい組織が見つかった。
その方が"選ばれし"人・・・ということな気がして、変わり者の父らしいなぁ・・・とむしろ納得してしまうほどでした。

つづく・・・