団長は人格的にも優れた人間っぽいが……（ノケモノたちの夜）

剣十字騎士団団長がうらやまですな。
まぁ、とんでもない代償という十字架を背負ってるんでしょうけど。

老いず死なず、鍛えれば上限なく強化できる身体。
つまりあれか。
ベンチプレス１ｔも努力すれば可能と。
人間はいくら鍛えても超えられない壁がある。
それを私は「青字」って呼んでるんですが、それが無いと。
（よくゲームでステータスがMAXになると、その数字が青くなってそれ以上上がらないのを表示しますよね。なので「青字」）
身体鍛えてる人間からすれば、夢の肉体だわ。

ただ、マルバスの指摘通りおそらくダイアナレベルかそれ以上の代償を取られてますよな。
本人だけで完結するような、例えば身体の一部の機能が欠損するとか、一生子供を残せないとか、餓死はしないが一生何も食べられないとか、そんなんじゃないだろな。
願いの規模がでかすぎるから、それじゃバランスが取れない。
しかも、団長の台詞から考えると、決断は無自覚でやらされた疑いがありますな。
ていうか、それ以外無いだろ。

部下の命を気遣えるし、善良な人物を見抜く力を持ってる。
そんな人物が「誰よりも強くなりたいから」なんて理由で悪魔に他人を捧げたりはせんわ。
ダイアナの場合は本人の生き死にが掛かった問題で、代償になった兄たちは合意の上だからな。
願いの重さが全然違うし、重さから考えて代償になった人が同意してくれるはずがない。
願いの構造的に、他人を巻き込む規模の恐ろしい代償を無自覚で奪われた、とみるのが自然。

そりゃ悪魔と、悪魔契約者に対する目は厳しくもなるよ。
卑劣と言われようが、結果を出さなければならないってなるよ。

軽い気持ちで契約したら、代償として家族親戚縁者、全員魂ごと喰い尽くされました。
そんな悲劇を引き起こすような存在を放置はできんわな。

私の想像が正しかったとして。
その場合、団長が自身を突き動かすのは、贖罪でしょうね。
悪魔に嵌められたとはいえ、甘い言葉にホイホイ乗ってしまったということに、何の責任も無いわけがないもの。
俺は騙されたんだ、で許されるわけがない。
騙されたとしても、その結果引き起こされたことの責任は発生するからね。

ただ、友情に厚く、土壇場で踏み止まれる性格のウィステリアとダイアナの人間性は認めてるみたいだから、やっぱりもう二度と襲ってはこないようですね。
女王の名前を持ち出して、ダイアナのためにフォローを入れる、なんて言った以上「あれから修行して必要な実力がついたからやっぱ殺すわ」とは言わんでしょ。仮にも騎士だし。事実上殺し屋みたいなもんとはいえ。
ウィステリアとダイアナが存命中の間は。

ただ、二人が不幸にも事故で亡くなるか、寿命を迎えて死んだら、また来るでしょう。
二体の大悪魔たちの次の契約者がまた出来たら、次も安全な人間とは限らんし。
彼には寿命の概念も無さそうですしな。