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太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

腹式呼吸のこと

2009-08-25 06:55:35 | 太極拳
 太極拳の呼吸法は、原則的には逆腹式呼吸ですが、順式と逆式の両方をご紹介します。

(1)順腹式呼吸法
 息を吸うときにお腹をふくらませ、そこに大量の空気が入ってくるイメージで行います。実際には空気は肺にしか入りませんが、横隔膜を収縮させて下げ、腹筋を緩め、気が背骨に張り付いて、肛門が圧迫されるのを感じ取ります。
 息を吐くときには、反対にお腹をへこませ、横隔膜を上げて緩めます。横隔膜が上下、前後に大きく移動する、健康的な呼吸法です。この呼吸法の一分間の呼吸回数は、6~8回で、脳波は周波数8~13ヘルツの α 波となって、精神的に落ち着きます。

(2)逆腹式呼吸法
 上記の反対に、息を吸うときにお腹を凹ませ、息を吐くときにお腹をふくらませる、順式よりも高度な呼吸法で、長年、太極拳にいそしんでおられる方にお薦めの呼吸法です。この呼吸法をしますと、背骨がスッと伸びて、太極拳の型が決め易くなります。
 コンシャスブリージングという言葉があります。意識的な呼吸のことです。私たちの普段の生活では、ほとんどといっていいほど呼吸に意識を向けることはありませんから、呼吸は浅くて短い自然呼吸法になっています。
 呼吸に意識を向けて、自然呼吸から腹式呼吸に切り替えますと、酸素の供給量が5%以上増え、それだけ細胞が活性化することができます。
 太極拳の呼吸法は、腹式呼吸が基本と申し上げましたが、それにこだわる必要はありません。ともかく太極拳が気持ちよく行えれば、それが一番からだにいいことなので、無理をしてまで、腹式呼吸にする必要は無いということです。ただ動作と呼吸は、できるだけ合わせていただきたいとおもいます。それがコンシャスブリージングの初めですから。
 これまで、太極拳の呼吸についていろいろ申し上げてまいりましたが、呼吸法に興味をお持ちの方のために、こんな呼吸法もあるという情報を記しておきましょう。丹田呼吸法、下丹田呼吸法、双丹田呼吸法、三丹田呼吸法、抜背式呼吸法、火焼臍輪式呼吸法、労宮穴呼吸法、湧泉穴呼吸法、胎息、武息、文息、反文息、停閉呼吸法、提肛呼吸法、小周天呼吸法など。
 呼吸のことを息といいますが、これは「生き」の意味ですから、呼吸を長くすれば長く生きられるということです。そうしてみますと呼吸というのは、生きていく上で一番大切なものということができますでしょう。
 「一息 (いっそく) の生 (しょう) から滅までが息の一生で、生じては消え、消えては生ずる泡沫 (うたかた) の一息一息 (いっそくいっそく) に、人間生命が存続していく」といった人がいます。
 太極拳における呼吸の目的は、酸素をたくさん取ることと、吐く息を長くすることによってリラクゼーション効果を高めることにあります。それは吸うことによって交感神経を刺激し、吐くことによって副交感神経を優位にして、自律神意のバランスを保つということです。
 太極拳が呼吸を大切にする背景には、陰陽思想があります。吸気と呼気、つまり陰と陽とのバランスがとれた状態を大切にしています。陰陽思想はバランス学説といわれるくらい、バランスのことをとても大切にしています。
 陳氏太極拳図説に「天地陰陽の気は即ち人の呼吸の気の如し」とあるのをみましても、呼吸が如何に大切であるかということがわかります。