太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

太極拳の始まりは

2009-09-12 09:35:28 | 太極拳
 太極拳が始められたのは、約四百年ほど前の清の時代 (1616~1911) の初めの頃といわれているが、茶道や禅などと同じように、その極意とか奥儀というものは、門外不出のものとして口伝で継承されてきたから、いつ頃誰によって始められたのかは、文書が残っていないだけに信頼に足る定説がない。
 定説がないながらも、創始者についてはいくつかの説がある。
 明史 (みんし) にあるように道教の仙人「張三丰・ちょうさんぼう」が創始したという説は、氏が少林寺拳法を修めた後、武当山 (ぶとうざん) で修行したとする太極武当説が多くの支持を得ている。
 楊家の始祖である楊露禅 (ようろぜん) が師事した、河南省温県陳家溝 (ちんかこう) の陳氏一族の祖先で、明末の武将「陳王庭・ちんおうてい」という説も有力である。
 また、太極拳経の著者「王宗岳・おうそうがく」創始説も捨てきれない。
 中国民族には、古くから不老長生の強い願望があった。大自然の厳しい環境にわが身の生体を適合させ、外敵から身を守り、人類が安定的に生存するための、生命維持活動の原理原則を探究し、紀元前八~五世紀頃には既に導引、按摩などが行われていたとされている。
 紀元二~三世紀の頃、三国志で有名な曹操の侍医をしていた華陀 (かだ) は、病気をしない動物を見習えば、長生きができるのではないかと考えた。先生は動物の動きがある時は伸び、ある時は身を屈め、跳んでは跳ねるその姿が実にゆったりとして、よどみがなくいかにも自然で、こせこせした人間の動きとは大いに異なることに気が付いた。
 そこで動物の動きを丹念に観察し、五種類の動物「熊」「虎」「鹿」「猿」「鳥」の動きに集大成し、その動きを真似た導引、「五禽戯・ごきんぎ・五種の獣の戯れ」を編み出した。導引というのは、腰を中心にして、体を曲げたり伸ばしたりする運動のことで、呼吸法が加味されている。これが、気功の始まりであり、太極拳に発展したとされている。