金谷武洋の『日本語に主語はいらない』

英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を論破する

第41回 「切る言葉、繋ぐ言葉」

2006-04-16 07:13:41 | 日本語ものがたり
 先ずは前回の宿題、「英語で、Aが使われる最初の数字は?」の解答を。仏語、イタリア語、スペイン語は4(quAtre/quAttro/cuAtro)、日本語では漢数字が3(sAn)で和数字が7(nAnA)、ドイツ語は8(Acht)など、1桁の数字が多い。「あばば・パパ・ママ」など、幼児の言語獲得でも最も早く現れるとされる母音「A」は、基本語彙である数字にも早々と登場するのだ。ところが一体どうした訳か . . . 本文を読む

第40回 「ある学生の『か理論』について」

2006-04-16 07:01:40 | 日本語ものがたり
 長年日本語を教えていると、しばしば学生から意外な質問をされる。そして、それが思わぬ発見につながることが何回かあった。まさに教師の「役得」と言うべきで、教え子には日頃から感謝している。今回はそうした例を3つほど挙げてみたいと思う。  一番心に残っている思い出については既に書いた。このシリーズ3回目の「葉と歯って元々同じものだったと思う」で、10年も前の記事である。簡単に振り返ると、ある女子学生か . . . 本文を読む